第55話 それは突然に
「こっちゃん?」
古いあだ名を呼ばれてコトコは動揺した。おどおどと辺りを見回すと、高校の同級生のニシコがいた。
「うわ、ニシコ? 懐かしい!」
「こっちゃんこそ! いま何してんの?」
その質問に堂々と答えられるほどコトコは自分自身が成功してないことを自覚していた。
「うん、まあ……バイトっていうか、安いとこで働いてる」
ニシコは高校時代と変わらぬ笑顔で「そっかー」と笑った。
「ニシコは?」
反射的に聞いたのだが、帰って来たのは意外な言葉だった。
「バツイチで、起業した」
うわ、すごい。
コトコは目を瞬かせると、ニシコをまぶしげに見た。
つづく
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