第37話 書類の束
上手くいかないとなると、とことんついていないのがコトコだ。
蜘蛛の夢を見てから、誰かに裏切られる事や陥れられる事ばかり気にして、それが態度に出ているのだろう。周りもコトコと距離を取るようになる。
そのくせ仕事だけは遠慮なくまわってくるから不思議だ。
渡された入力書類の束を手にして、コトコは気が滅入る。
——また、私ばっかり多い。
終わるだろうか。
時間までに終わらせなければ、周りからまだ終わってないのかと囁かれる。
それが嫌で、コトコは急いで入力するのだが、慌てれば慌てるほどミスしていちいちやり直さなければならなくなる。
結果、時間ギリギリになり、書類点検までは出来なかった。
頭を下げて、交代の担当者に渡す。
それだけでコトコはできない烙印を押された気になってしまった。
つづく
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