第34話 仕事初め
コトコは靴を履く。
正月休みが明けて、久しぶりの出勤だ。
——ああ、行きたくない。
またあのお局達との仕事の日々に戻るのかと思うと、胸の奥に鉛の塊を入れられたみたいに気持ちが重くなる。
コトコは履いた靴を見る。
買い換えればよかったと思う程の傷を見つけてしまった。
こういうのを見咎めて、おばさん達はヒソヒソ言うのだ。
——見た? あの靴。
——あんなボロ靴、みっともない。
——いつもあんな靴じゃない。
——靴一つ買えないの?
あっという間にシミュレーションして、コトコは勝手に落ち込んだ。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます