第18話 マリエ 1
コトコには学生の頃少し変わった友人がいた。
友人と言って良いのかどうか、折にふれ考えてしまう女性だ。
名を真理江と言う。
真理江は一緒に買い物に行くとか、一緒に講義を受けたとか空き時間にだべったとか、そういう仲ではなかった。
覚えているのは煙草の匂いと、どこまでも自由な性格の事である。
彼女は特別だった。
背が高くショートカットの髪がよく似合う派手な子で。ただ煙草を吸うのでコトコは苦手だった。
嘘だ。
……本当は、憧れてた。
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