神の御加護がありますように 8

渋谷かな

第1話 物語8

「ワッハッハー! 我が毒の前に死ぬがいい! 人間ども!」

 毒ムカデは突進しながら毒を吐き出す。

「避けるのにも限界が!?」

「だといって、こちらが攻撃すれば毒が増える!?」

「いったいどうすればいいんだ!?」

 毒という試練がイースとフレッドを襲う。

「何!?」

 イースの体がフラっとした。

「まさか!? 毒に侵されたのか!?」

「なんだと!? 大丈夫か!? イース!?」

 イースは毒に侵された。

「このままではやられるのを待つだけだ!?」

「最後の攻撃を仕掛けよう! 毒ムカデを倒すんだ!」

「おお!」

 二人は毒で死ぬ前に毒ムカデを倒す気だ。

「かかってこい。動けば動くほど毒の周りは早くなるぞ。」

「いくぞ! 毒ムカデ! でやああああ!」

「うりゃあああー!」

 二人は毒ムカデに攻撃を仕掛ける。

「くらえ! ポイズン・ブレス!」

「我流剣技! 四連斬り!」

「我流剣技! 大大強振!」

 毒ムカデと二人の戦いが始まる。しかし戦いが長引けば長引くほど毒は二人の体を蝕んでいく。

「ゲホッ!? 吐血!?」

「ダメだ!? 俺も体に毒が回ってきやがった!?」

 もう二人の体は毒に侵されて動くこともできない。

「どうやら毒が効いてきたようだな。お腹も空いてきたし、おまえたちが死んだら美味しく食べてやるぜ。ワッハッハー!」

 勝利を確信した毒ムカデ。

「僕たちはここで終わるのかな?」

「短い人生だったけど楽しかったな。イース、おまえと友達になれて本当に楽しかったぜ。ありがとうよ。」

「どういたしまして。フレッド、おまえは僕の大切な最後の友達だ。」

 イースとフレッドは親友同士の最後の言葉を交わす。今まで一緒に孤児院で育ってきた長い月日が走馬灯のように思い出されてくる。

「悔いはあるが、満足な人生だ。」

「ミー、チュウ。」

 これから毒で死のうというのにイースとフレッドは満足な表情をしていた。

 つづく。

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