神の御加護がありますように 5

渋谷かな

第1話 物語5

「いけ! 毒ムカデ!」

「毒ムカデ隊! 行きます!」

 カタパルトから毒ムカデの群れが発進する。

「ドラゴンは出れないの!? 魔王様がカンカンだよ!?」

「まだだ!? ドラゴンの牙がついてないんだ!?」

「なに!? 牙なんて、ただの飾りだろ!? 早く発進準備に入れ!」

 魔界では魔王の命令で慌ただしかった。

「この物語はロボットモノか?」

「人間、魔物をロボット扱いすると面白いかもしれないな。」

「勘弁してくださいよ!? 整備悪魔やメカニック悪魔は大忙しなんですから!?」

「すまない。だが私が行けばいいだろう。人間の小娘など一瞬で消し去って見せよう。」

 整備悪魔たちと会話する指揮官らしき魔物がいる。

「行ってくれるんですか!? アークさん!?」

 通称アークさん。上級悪魔である。

「当たり前だ。魔王様の命令なんだから。」

「なら早くカタパルトに乗れや!」

「ええー!? いきなり!?」

 強制的に発射口に乗せられる上級悪魔アーク。

「ちょっと待て!? まだトイレにも言ってないんだぞ!?」

「問答無用! アークさんを強制発進させろ!」

「はい!」

 ポチッと発射ボタンが押される。

「ウワアアアアー!? ション弁漏れる!?」

 こうしてお漏らしをしたかは定かではないが、アークさんはシンディたちに向けて打ち上げられた。

「メカニックがそんなもん知るか。」

 次々と支援の悪魔を発進させるのであった。

 つづく。

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