神の御加護がありますように 4

渋谷かな

第1話 物語4

「そもそも、ここはどこなんだ!?」

「魔界だよ。」

「魔界!?」

「そうだよ。アハッ!」

 シンディたちが一つ目巨人ギガンテスと戦った場所は魔界だった。

「どうやって魔界に入り込んだんだよ!?」

「私たちの孤児院は王都の東京から離れた辺境にあるのね。だから王都の逆に進めば魔界にたどり着くのは自然な流れだと思うのですが? 何か文句ありますか?」

「いいえ!? ありません!」

「シンディ博士! 万歳! 万歳! 万々歳!」

 絶対服従のイースとフレッド。

「ギガンテスを倒せるということは、シンディの闇料理のレベルは40以上だ!?」

「ただ国家騎士を目指してチビチビ雑魚モンスターを倒していた俺たちとはレベルに差があり過ぎる!? 逆らったら殺されるぞ!?」

 シンディ博士の怖さを実感しているのだ。

「さあ、帰るわよ。」

「はい。博士。」

 こうしてギガンテスの角を手に入れたシンディたちは人間界に帰る。


「大変です!? 魔王様!?」

「騒がしい。どうした?」

「一つ目巨人ギガンテスが倒されました!?」

「なんだと!? ギガンテスが!?」

 使い魔が魔王にダーロに報告する。

「バカな!? ギガンテスだぞ!? あのギガンテスが負けたというのか!?」

「はい。」

「やったのは誰だ!? 国家騎士が魔界に攻め込んできたというのか!?」

 魔王ダーロはギガンテス殺人事件の犯人は国家騎士だと思った。

「いいえ。それが・・・・・・。」

 言うのをためらう使い魔。

「どうした!? 早く言え!?」

「小娘です。ギガンテスをやったのは、人間の小娘です。」

「なにー!? 人間の小娘だと!?」

 魔王は一つ目巨人を倒したのが人間の小娘だと知らされた。

「ワッハッハー! 冗談はやめろ! ギガンテスを倒せる、そんな小娘おらんやろう?」

「これを見てください。」

 使い魔は監視カメラの映像を魔王に見せる。

「ゲゲゲッ!? なんだ!? こいつらは!?」

 カメラに映し出されたシンディたちは、一つ目巨人の角を運んでいた。

「ほ、本当に!? こんな人間の子供たちがギガンテスと倒したというのか!?」

 映像に衝撃を受ける魔王ダーロ。

「ゆ、ゆ、許さんぞ! こいつらを生かして魔界から出すな!」

 魔王の一言で苦境に立たされるシンディたちであった。

 つづく。

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