おっさんと女子高生編

第53話 ダンジョン探索に向かったようです


「それでは行ってくるのですー」


 ソーニャ率いる手乗りウサギ探検隊が結成された。

 服装的にもやっぱり探検隊みたいなノリで、ベージュの半ズボンと半袖の上着とシャツ、そして帽子の……まあ、ジャングルとかが似合いそうな服装だ。


 ウロボロスが張り切って用意したものだが、どうしてコイツ等が藤〇弘探検隊みたいな日本のステレオタイプのバラエティ文化のノリを知っているかは謎だ。


 と、まあ、コーネリア曰く……この近辺での高レベルの魔物が少なくなってるって話なんだよな。


 コーネリアの収入源は魔獣を狩って魔界に売ることで、さすがにそろそろ勘弁してくれと……最近手紙が来た。

 別に取る分には構わないが、節度をもって狩猟すること……という話なんだが、ウチのアタッカーである手乗りウサギ達にそれを言っても無理だ。


 虐殺の食いしん坊の異名のとおり、彼女たちが通った後はペンペン草も残らないと言うのが基本なのだ。

 そもそも論からいうと、元々は流浪の種族の焼き畑文化なので、定住していること自体に無理があるらしい。



 ――と、いうことで探検隊だ。



 帰らずの森そのものがダンジョンなのは知っての通りなのだが、実は森の中にもダンジョンがあるんだよな。

 数多の高ランク冒険者が吸い込まれて、そして死んでいったという伝説級のダンジョンで、その内部には金銀財宝と冒険者たちの遺品がたんまりとあるという話だ。


「出発なのですー♪」


 探検隊はソーニャ・マリア・手乗りウサギ20名となる。

 本気でヤバいダンジョンらしく、マリアは物凄く行きたくないとの話だが、手乗りウサギだけに任せると……まあ、とんでもないことになるのは目に見えている。


 だって、コイツ等の金銭感覚って皆無に等しいからな。

 下手したら金銀財宝よりもニンジンを持ち帰りそうな勢いだ。

 そこで俺がお願いして、マリアも同行させるってことになったわけな。


「おうー。気をつけてな―」


 そうして探検隊はダンジョンへと出発していったのだった。









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