魔道具屋へおいでませ!

めーる

プロローグ

 惑星グランマ。そんな星の東北部に位置する街、ヒュドイル。

 温帯・寒帯季節風気候に帰属し、夏が短く冬が長くて、四季は分明。豊かな土地と豊富な自然資源に恵まれ、色々な産業が発展している街。


 そんな街を割るように流れている一本の川。観光目的として、多くの人がこぞって訪れる美しく透き通った川がこの街にはある。この川に沿うように、沢山の店々が並んで商売をしている。お菓子屋、鍛冶屋、武器屋、薬屋などなど……。

 皆は、店並ぶこの通りを『万能通り』と呼ぶ。商売する全ての者は、この通りに店を構えることを夢みているのだ。


 それともう一つ、この街には『不穏通り』という有名な通りがある。名前から分かるように、気候のせいか常に黒霧が漂っており、とっても治安が悪い裏通り。至る所の建物の壁はヒビ割れ崩れており、霧のおかげで黒く変色している。店を構えて商売するには、とても不向きな場所だ。

 しかし、こんな土地で一軒の店がひっそり営業している。『魔道具屋・パルス』という店。

 数年前までは、万能通りで店を構えており、とても繁盛していた。だが、大きな失敗をしてしまい店を閉じることになった。しかし、諦めきれなかったおっさん店主のパルスは再び店を構えたいと、この通りで商売することに決めた。

 ボロ小屋のような店構えだが、品物の魔道具はどれも一級品。まぁ、この不穏通りに構えてるということで、常人なお客さんは全然寄り付かないのだが……。


 ――とまぁ、これは……。魔道具屋の中年男性店主のパルスが、再び店を繁盛させるまでの物語。

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