アイドルと婚約したけど辛いので解消します~だけど泣いてくるんだけど

木野 柊

第1話

俺はある日、日本一アイドルと婚約をすることになった。言わば許嫁みたいなものだろう、だけど俺には苦痛だった。。




✦✧✦✧✦✧




「ご飯作ったから」




「あぁー了解だ。」




俺の名前は津田 優太 普通の一般人だ。1つある点さえ除けばだが。




「なにしてるの?」




こいつの名前は乙坂 芽衣 日本が誇る日本一のアイドルだ。




「あぁー悪かったよ。」




「もういいから早く食べて学校に遅れるから」




「はいはい」




俺たちは仲がそこまで良くないのだ。じゃあ何故俺達が同棲してるかって?それは、1ヶ月前のこと。




「優太!」




「なんだよじいちゃん」




「お主、付き合ってる子はいるのか?」




「いきなりなんだよ。別に居ないけど。」




「そうか。」




そう言ってじいちゃんはそそくさとどこかに行ってしまった。俺はなんだろうとスマホをいじって待っているとじいちゃんが帰ってきた。




「優太、お前に婚約者ができた」




「は?」




いきなりのことだった。でも流石に分かった!っと答えれるほど俺は大人じゃない。




「なんでいきなり婚約者が出来るんだよ!」




「まぁーなんというか、向こうの爺さんと約束を結んでな。それでじゃ」




最初は焦っていた俺だがすぐに状況は理解した。何せラノベやら漫画やらでその展開は読み尽くしているからな。




「でも、俺は嫌だぞ。相手がどんな子かも知らないのにいきなり婚約はさ」




「そうだろうな。だから同棲をしろ。」




「!?」




同棲?この爺ちゃんいま同棲って言ったよな?遂に頭までボケ始めたのか?


と思いながら俺は恐る恐る聞いてみた。




「同棲って一緒に住むことだよな?」




「それ以外に何があるんじゃ」




「いやいやおかしいだろ!なんでいきなり同棲なんだよ!俺は無理だからな!」




「残念ながらお前に同棲以外の道はないぞ。」




「なんで?」




「お前既にここの家は取り壊し予定だからだ。」




「え?」




俺は驚いてしまった。家を取り壊し?16年間住んできた家が?この爺やりやがった。




「クソじいちゃんやりやがったな」




「なんとでも言え!はっはっは」




✦✦✦✦✦




そうして俺はいまアイドルと同棲に至ったのだ。くそあの爺め覚えておけ!!




「それじゃー私は学校に行くのであとから来てください。」




「分かったよ。」




こいつは俺と一緒に家を出るのは無理らしい。ネット的にも学校的にもだからな。




そう思いながら俺は渋々準備を済ませ。芽衣が家を出て10分ぐらい立って家を出たのだ。




✦✦✦✦




学校に着くと。やはり芽衣は人気者だった。。




「ひぃ」




またかと思いながらスマホをいじったのだ。俺は目付きがとても悪い。あの芽衣でさえ最初はびっくりしたのだ。




でも最近になって女子からの悲鳴は少なくなったのだ。




「まぁー慣れてくるんだろうな。」




そう思っていると元気よく先生が入ってきた。




「それでは授業を始めます! 起立!礼!着席」




こうして俺は1日と言う長い学校を終えた。




✦✦✦✦




授業が終わり放課後になると俺は芽衣探していたのだ。




「ねー君たち」




「は、はい」




「乙坂さんみなかった?」




「乙坂さんならあっちに」




「ありがとう」




「は、はぁ」




やっぱり他クラスにはまだ怖がられるな、、。




「芽衣」




強い目でギロリと睨んできた芽衣はこちらを見てこう言い放った。




「なんですか?」




「いや、今日俺部活の用事があるから先帰ってていいよ」




「当たり前です。最初からそうするつもりですし」




「あぁーそか悪かったな邪魔して。」




こうして俺は喧嘩なのか分からない程度の会話をしてその場を去ったのだ。




「んんぁー疲れたぁー」




俺は疲れながら商店街を歩いていると裏道から聞き覚えのある女性の叫び声が聞こえたのだ。




「きゃーやめてください!」




「いいじゃん俺たちさ運命で繋がってるんだしさ。楽しいことしよ?な?」




「ほんとそういうのはやめてください!」




「いい加減にこいや!!俺達に素直に従っとけよ!!」




そのときそこに居たのは芽衣だったのだ。俺は考える暇もなくすぐにその場に向かった。




「だから!いい加減にしろ!!」




「きゃ!」




「いい加減にするのはお前たちだ!!」




俺はでかい声を上げ、不良達の目線をこっちに集めたのだ。




「なんだ?お前は」




「お、俺は、」




ここで俺とこいつ(めい)の関係を言ったら、どうなる。いやどう考えても日本中を敵に回して、芽衣を困らせるな!なら。




「俺は、、俺は、、そこにいる子のファンだ!」




「あぁ?」




「だから!その手を離せ!」




「おいおいファンだろうがなんだろうが俺達には関係ないんだよ」




「クソが。」




どうすれば、助けられる。もう考えられることはひとつしかない。




「おい不良共、お前らほんとバカだよな。どうせ自分かっこいいアピールでもしてるからそうやってナンパしてるのか?だっせー」




「あぁー?お前らこいつを絞めるぞ。」




来やがったな。さてどうしようか、3人を相手に出来るか分からねーな。




「おらぁー」




そうして俺は不良と喧嘩をし、ボコボコに殴りあったあと。不良達もボコボコで、俺もボコボコの状態だった。そのあとすぐ不良達は立ち去った。




「いちち」




「ありがとう」




「いや別にいいってこんくらい」




「私たちの関係を黙っててくれて。」




こうして俺達はすぐ家に帰った。そして次の日。




「乙坂さん、なんかさ商店街で乙坂さんを助けた男がいるって話だけど本当?」




「、、、」




俺は教室に入るとそんな会話が聞こえた。だが俺達の関係をバレてはいけないので俺は席に座った。




「そういやさ、その助けやつが、津田に似てるって聞いたけど。」




「そんなわけなでしょ〜あの見た目が不良のやつがだよ?」




やはり俺はまだそんなふうに思われてたか。まぁーしょうがないか、所詮アイドルと一般人は天と地の差があるんだ。




そうしてまた1日と言う時間が過ぎていった。そして帰り道俺はじいちゃんの所に電話をした。




「もしもし」




「なんじゃあー」




「あのさ爺ちゃんいきなりで申し訳ないんだけどさ俺婚約解消したいんだけど」




「はぁーダメじゃー!」




「理由はさ、このままだと俺や芽衣、他の人にも迷惑が掛かるんだ。だから頼む!」




俺は思ったことを全て話した。何故か爺ちゃんは数秒無言だったがまた口を開いたのだ。




「お前、それは芽衣ちゃんと話し合ったのか?」




「いや芽衣には話してない。俺は芽衣に嫌われているし。多分芽衣もそれで喜ぶからさ。」




「まぁー分かったわい。芽衣ちゃんのためじゃ。こっちから芽衣ちゃんの爺ちゃんに言っておく。」




『あぁーありがとう爺ちゃん』




こうして俺は爺ちゃんと通話を終えたあと。芽衣が待つ家には帰らずにホテルに1人で泊まったのだ。そして次の日の帰り道。




「ねぇー陽太」




「あの乙坂さん、俺たちは全く関わりないですよね?」




「え?いやあの」




「こんな俺みたいなやつと関わらない方がいいですよ。」




「だから、昨日おじいちゃんから聞いたことを聞こうと思って、」




「なんですか?それは?」




「え?」




ごめんな。芽衣お前のためだ。俺みたいなやつと関わったらろくなことは無いぞ。だから頼む二度と関わらないでくれ!




「嫌だ。」




「え?」




「嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。」




芽衣は泣きながら、こちらを見て話してくる。




「陽太と婚約破棄なんて嫌だよォ、私、気づい、たの」




「ちょ芽衣さん!?」




「陽太が居たから人生に花が咲いた。「


「芽衣さん」


「陽太が居たから楽しい同棲生活も送れた。」


え?あれで楽しかったの?俺そこまでだったんだけど。


「だからお願い、婚約を解消しないでよォーーーー」


そうして芽衣は号泣しながら訴えてくるのだった。


「でも俺なんかと関わったら嫌なことこれからたくさん起こるぞ?」


「そんなのどうでもいい!!陽太が望むならアイドルなんて辞める!」「い、いやさすがにそれは、、」


「私は陽太だけのものだから!!!」


「はぁー分かったよ、、本当にいいんだな?俺が一緒にいても」


「う、うん」


こうして俺たちは婚約の解消を取り消した。




数年後、、、俺たちは見事ラブラブ生活を送っている。

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