私が好きになった人
私が好きになったのは、幼なじみのある男の子。
いつとか聞かれてもわかんないよ。
気づいた時にはもう好きだったから。
一番最初に好きになった時は、四歳の頃。
あまり覚えてはないけど、幼稚園の年少の頃の行事で、織姫と彦星が繋がるみたいに好きな人を書いてみようってなった時に、君の名前を書いたんだ。
結局その後すぐ忘れて、思い出したのは小三くらいかな。
好きになった理由は、奏斗が優しいから。
例えば、小一の時。
給食の時間に私がお皿を割って泣いた時、笑顔で励ましてくれたんだ。
君は理由を全く知らないのに、それなのに心配してくれたんだ。
家に入れてくれた時もすごく優しくしてくれたし、普段話す中でも誰よりも心地が良かった。
だけど、毎日毎日幼稚園で一緒で、小学校でも登下校が一緒だったせいで、好きになったのを自覚してからも距離のとり方を変えることなんて全くなかった。
というか、変えられなかったんだ。
もしも私の気持ちに気づいてどこかに行ってしまうのが怖かったから。
だからこの気持ちは中三になった今でも本人に言うつもりは全くない。
その理由は、どこかに行ってしまうのが、話せなくなるのが怖いって言うのもあるけど、それよりもほかの理由がある。
私たちはそもそも、将来に向かって進むために受験する高校が全く違う。
君は建築士になるために私は全然詳しくない高校へ、私は本当は作家になりたいけど、家が音楽教室ってこともあって、作詞作曲家を目指して音楽科の高校に受験することを決めている。
違うところに行くのに、気持ちを伝えられる気がしないんだ。
君とは去年も今年も同じクラスで、LINEでも学校でも話すことが多いから、それだけで今の私は幸せだと思う。
あまり多くを望むと、その分の幸せは帰ってこないような気がするから。
私の原動力は君です。
君が頑張ってると思うと、私も頑張らなきゃって思う。
君に聞いたことは、ひとつひとつ丁寧に教えてくれるから、いつまでも覚えていようと思う。
だから、幸せになってね。
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