第24話 また名付けました!
ルチアお姉様が私が名付けすれば良いと言いました。
「えっ!? 私ですか?」
「そうよ、エイミー。だってルアルのことも名付けたでしょう?」
「それはそうですが……」
私が名付けても、良いのかな……?そう思っていると。
「あら! ルチアーノ、いいアイディアね! それにルアルと共にエイミーの友達になるかもだしね!」
「私もエイミーが名付けるの良いと思うよ! エイミーが名付ける事によってより絆も結ばれるしね!」
お母様もお父様も私が名付けるのに賛成の様だ。
「私が名付けてもいいの?」
私はフェンリルの子を見て言った。だって名付けられる本人が嫌ならダメだよね!
「ぼくは、エイミーさまになづけてほしいです!」
わぁお!私でいいってさ!それなら……。
「お母様、降ろしてください!」
私はお母様に降ろしてもらい、よちよち歩きだがフェンリルの子に近づいた。そして、ルアルを呼んだ。
「ルアル、こっちにおいで」
「ニー」(はーい、あるじさま)
ルアルを呼ぶと隣にルアルが来た。フェンリルの子は不思議そうに見てくるけどこれは聞いとかないとね。
「この子はルアル。もし、私が名付けて一緒にいるってなったらルアルも一緒にいるの。だから私だけじゃなくてルアルとも仲良くしてくれる?」
「ニー……」(あるじさま……)
フェンリルの子はルアルを見つめた。白虎なのに黒い子。でも、エイミーに寄り添っていて不安そうにこちらを見てくる。
まあ、大人達は白虎のことをどう思っているか分からないけど、なんとなく、この子とは仲良く出来そうな気がするとフェンリルの子は思った。だから……。
「ぼくは、これからエイミーさまと、きみと、仲良くなりたい。だから、なかまにいれてもらってもいいかな?」
そうルアルに言った。ルアルもまさか自分に問われるとは思わなかった。
「ニー! ニー!」(あるじさまをすきならぼくはいいよ!)
「ぼくもエイミーさますき! それじゃあ、なかまにいれてね!」
「ニー!」(よろしくね!)
「よろしく! ルアル!」
えーっと、何故か会話になってる?それに私を好きならって……なんか、照れるな……。
「それじゃあ、名前を考えるね!」
「はい! おねがいします!」
ジーッとフェンリルの子を見た。オッドアイも綺麗だけど、真っ白い毛並みもすごく綺麗。本当に雪みたい……。雪、かぁ~。シロは日本ぽいし、日本犬って感じじゃ無いしな……。やっぱ雪。真っ白い降り積もったばかりの様な雪。純白の……。うん!これにしよう!
「決めた! あなたの名前はヴィティ!」
「ヴィティ……。ヴィティ! ぼくのなまえはヴィティ! エイミーさまありがとうございます!」
フェンリルの子改め、ヴィティが嬉しそうに尻尾を振る。そんなヴィティにエイミーは抱きついた。
「ヴィティ! これからよろしくね!」
「はい! こちらこそよろしくおねがいします! エイミーさま!」
「ニー!」(よろしくね!)
「ルアルもよろしく!」
いや~、ヴィティの手触り気持ちいい~。モフモフ~♪
そしてヴィティも私にスリスリしてくる。はぅ!可愛い! ルアルもヴィティにスリスリしてる。もうルアルもヴィティも可愛いよ!
無事名前も付けて、私とルアルとヴィティと戯れている姿を見てみんなは微笑ましそうに見ていた。
「エイミー様、素敵なお名前をありがとうございます」
「これで私達もこの子を名前で呼べます! ヴィティ、素敵なお名前です!」
グラキエースとフェリスも嬉しそうに尻尾を振っていた。
「うん! 気に入ってもらって良かった!」
「エイミーは名付けるの上手いわね♪」
「本当にいい名前だと思うよ!」
えへへ~、またお母様とお父様に褒められた!
「それじゃあ、グラキエース、フェリス、ヴィティを預かるわね」
「ええ、こちらこそ息子をよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
2匹はペコリと頭を下げた。
「でも、寂しくなったらいつでも会いに来てね? ヴィティも寂しくなったら言うのよ?」
「「「ありがとうございます、エマリーバ様」」」
みんな、ニコニコだ!うんうん、良かったね!
それからしばらくみんなでワイワイ話したりしていた。その間私はヴィティにもたれ掛かって、ルアルも私とヴィティに寄り添っている。
それにしてもモフモフに囲まれて幸せだな~。こんな事、人の時だったら絶対出来ない体験だよね~。
「エイミー、幸せそうだね?」
「はい♪ ノア兄、とっても幸せです!」
「ニー♪」(ぼくもしあわせー♪)
「ぼくもしあわせです!」
なんて良い子達! 自然と笑顔いっぱいになる。
「可愛らしい光景ですわ! やっぱり今日会わせて正解でしたわ!」
「本当、可愛いな……」
「まあ、おじい様もお優しいお顔になっていますわ」
「エイミーにメロメロにされちゃったの」
「エイミーですもの、納得ですわ♪」
すると、おばあ様がこちらに来て私に言った。
「エイミー、ちょっとこちらへおいで」
「? はい、おばあ様」
ちょっとおばあ様が真剣な顔をしていたから不思議に思いながらおばあ様に近づいた。
おばあ様は近づいて来た私を抱っこした。
「おばあ様?」
「ふふっ、可愛らしいエイミーを妾も抱っこしたくなっただけだ」
な、なーんだ……。真剣な顔をして呼ぶからなんかまた言われるのかなって思ったよ。
その後もまたおじい様に抱っこされたり、ルチアお姉様にも抱っこされたりとまた抱っこに忙しい日になりました……。せっかくヴィティとルアルをモフモフしていたのに……。
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