第2話 家族とご対面 〜1〜

 バタンっ!と大きな音がして、綺麗な白い扉が開いた。ノア兄が扉の方を向いたため、私も向いた形になった。


「エマ! 私の可愛い娘は!?」


 そう言って入ってきたのは、これまたすごい美形の男の人。黒髪の短髪で私と同じアメジストの様な目。スタイルも細マッチョな感じでイケメンだ。身長も190センチくらいあるかな?


「ふふっ、オーディン焦りすぎ」


「だって昨日は産まれたばかりだから会わせないって君が言うし、いつの間にかノアが1番最初に会ってるし」


「だって、ノアは助けてもらったし、エイミーも1番に会いたいかなって」


 うんうん、お母様の次にノア兄に会えてよかったよ。助けたノア兄が元気な姿が見れて安心したしね。そう思い、ノア兄にぎゅっと抱きつく。ノア兄は笑ってた。2人でニコニコしてると、


「で、ノアが抱っこしている子が私の新しい可愛い娘かな?」


「そうよ、この子がエイミーよ」


「父上、可愛いでしょ?」


 そう言って男の人がじっと私を見た。ノア兄が父上って呼んでるから多分お父様なんだろうけど、そんなに見られると緊張する。体か固まる。


「オーディン、じっと見てないでなんか言ったらどうかしら? エイミー緊張して固まっちゃってるじゃない」


「……」


「父上?」


「……っ! 可愛い! なんて可愛いんだ!」


「!?」


 そうお父様が叫んだ瞬間ノア兄から私を取り上げて、あっという間にお父様の腕の中。


「ちょっとオーディン!」


「父上! ひどいです! やっと抱っこしたばかりなのに」


「だってエマ! すっごい可愛いよこの子!」


「名前エイミーよ」


「エイミーか~、可愛い名前だ!」


 何?この人?すごい親バカじゃない?私まだ一言も話してないよ……。まあ嫌われるよりいいけどね。とりあえずお父様か聞いてみよ。


「あの~おとうしゃまでしゅか?」


「っ!?。ああ! そうだよ! お父様だよ!」


「エイミーでしゅ! よろしくおねがいしましゅ!」


「こちらこそだよ~私の名前はオーディン。ちゃんと自己紹介できて偉いな~」


 お父様が偉いと頭をなでなでしてくれた。褒められるのは嬉しい。嬉しくて笑顔になった。それにしてもやっと自己紹介できたね。またお父様は私の顔をじっと見てくる。えっ?なんかついてる?


「エマに似た顔立ちと銀髪、それに私と同じアメジストの目。 ずっと見ていられるほど愛おしいなぁ」


「ふふっそうでしょう? 見た目もいいけど、エイミーと接するうちにもっともーっと愛おしくなるわよ」


「そんなことはわかってるよ。ちょっと話しただけでわかるさ」


 えぇ~すごい褒めてくる。恥ずかしいやら照れるやら、もう!どうしたらいいの!今絶対顔が赤いよ!


 顔を隠すためグリグリっとお父様の胸に顔を押し付ける。これで見えないはずだ!


「!!!???、か、か、可愛い過ぎる!!」


「あらあら、恥ずかしがってお顔が見えなくなっちゃったわ~」


「父上! エイミーを返してください!」


「ノア、それはできないな!」


「大人げないですよ!!」


 あーだこーだ言ってるけど、今は恥ずかしいので顔は上げない。お父様とノア兄の攻防が続いている中でバタンっ!と大きな音で扉が開いた。このデジャブ感、音を聞いてそう思った。


「母様! 赤ちゃんに会いにきましたよ! 私の弟か妹、どちらですか!?」


「ヘーラル、落ち着いて入ってきなさいよ。オーディンと同じだわ~」


「落ち着いていられますか!? 久しぶりの可愛い赤ちゃんですよ!」


 聞こえてきたのは女の人の声。多分私のお姉ちゃんなんだろう、声からするにすごく興奮している。恐る恐る顔を上げて声のする方へ顔を向ける。そこにいたのは艶やかな青が混ざった様な黒髪のストレートロングの髪にに星の様な銀の瞳、もちろん美人。綺麗系の美人。ポーッと見惚れてたら、目が合った。


「きゃあー!」


「!?!?」


「母様!!、父様が抱っこしてる子がそうなの!?」


「そうよ~、ヘーラル、あなたの妹のエイミーよ」


 ヘーラルはエイミーのことをじっと見た。母様似の顔立ちに父様のアメジストの瞳。その瞳はキラキラしていてずっと見ていられる様だ。何よりその存在がすべてから愛されるかの様な感じがする。ヘーラルは新しい妹を歓迎した。


「エイミー、あなたの姉のヘーラルよ♪ これからよろしくね! 私の事はラル姉様って呼んでね!」


「エイミーでしゅ! よろしくおねがいしましゅ、ラル姉しゃま」


「可愛いわ~」


 そう言ってラル姉様は私の頭をなでなでしてくれた。ニコニコしながらラル姉様を見る。ラル姉様も一緒になって笑ってくれた。綺麗なラル姉様が笑うと破壊力がすごい……。やっぱり神様の顔はみんな美形なんだなぁと改めて思った。


「ヘーラル、あなただけ最初に来たの?」


「あっ……、エルデとエテェネル置いて来ちゃった」


「だと思ったわ~」


「まあ、どうせここに来るしいいでしょ!」


「エルデとエテェネルに怒られるよ」


「父様、その時はその時よ!」


 ラル姉様はご機嫌に私をずっとなでなでしてる。もうちょっとやめて欲しいな。でもそんな事言えないよね……。諦めて撫でられ続けていると、なんか声が聞こえてきた。


「あら、エルデとエテェネルが来たみたいね」


お母様がそう言ったので扉の方を見て次はどんな人だろうか、ワクワクしながら見つめていた。

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