〜神の世界へ〜
第1話 生まれ変わりました
ずっと温かい布団でぬくぬくと眠っている様だった。だけど、急に目の前が眩しくなった。誰だ!寝ているのに邪魔する奴は!そう思いつつ、まぶたを開ける。そして目に映ったのはエマリーバだった。
「やっと会えたね♪ エイミー」
「!?」
目を開けてみてびっくりした。だってエマリーバの腕の中に抱かれているから。どう考えても私の体は赤ちゃんだ!それにエイミーとは?
「エイミーはあなたの新しい神としての名前。 人の時と同じような感じにしたわ」
エイミー、えいみ。確かにほぼ同じ。だけどなんか嬉しい。人として生きていた証みたいな。そして話そうとしたら……。
「あーう……」
しゃ、しゃべれない!?赤ちゃんだから当たり前か……。いや、気持ちは大人だ!どうしたらいいの!?焦る気持ちは、大人だとか言ってたけど体に精神が引き寄せられるのかもう泣きそう。
「あぁ! 泣かないで! 大丈夫、今は産まれたばかりだから話せないけど、1日したら話せるようになるわよ」
「あー!」
よかった安心した。でも1日で話せるようになるのか。人だったらありえないけど、神はそうなのかな?まあ、神だしありえるか。
「明日になったらあなたの家族に会わせるわね♪」
「!!」
なんと!家族!何人家族かな?楽しみ!ワクワクして笑顔になった。
「ふふっ、可愛い笑顔♪ みんなもエイミーに会えるのを楽しみにしてるわよ」
「あーう!」
「だから今はゆっくりおやすみなさい」
そうエマリーバが優しく微笑んだあと、私はまた眠くなって寝てしまった。
ふと、エマリーバの他に誰かいる様な感じがした。そんな気配に目が覚めた。どのくらい寝たのかな?そんなこと思いながら目を開けた。
「あら、おはようエイミー」
「おはよう、エイミー! あの時は助けてくれてありがとう!」
目を開けたら、エマリーバと私が助けたノア君がいた。
「おあよう。……!?」
「ちょっと話せるようになったわね、エイミー。 あともう少ししたらちゃんと話せるようになるわ」
びっくりした。子供特有の高い可愛い声が自分から出るとは。しかも、昨日は話せなかったのに今日になって言葉が話せた。しかも割とちゃんと話せる……。普通赤ちゃんは話せないし、はっきり言葉を話せない。本当びっくり!神の成長は速いらしい。
「母上! 僕もエイミーとお話したいです!」
「はいはい、エイミー、この子があなたの助けたノアです。 私の11番目の子供。 そして、エイミーあなたのすぐ上のお兄ちゃんです!」
「!??」
今なんて言った!?11番目の子供!?えっ、子沢山過ぎない?ということは私を含めたら12人母親!すごい……。
「改めて、僕はノア。 あの時は助けてくれてありがとう。 今度は僕がお兄ちゃんとしてエイミーを絶対守るからね!」
「エイミーでしゅ。 よろしく、おねがいしましゅ」
うぅ、舌ったらずで言いづらい。
「うん! よろしくね! それにしても可愛いな~。僕のことはノア兄って呼んでね♪」
「私のことはなんて呼んでもらおうかしら? お母さん、ママ、マミー、うーん悩むわ~」
「……」
エマリーバはお母さんの呼び方について悩み始めた。なんて言うか、多分、お母さんとかママ、マミーじゃない気がする。これだと思う。
「おかあしゃま」
「っ!?、もう可愛い! お母様いいわね~。 エイミーから呼ばれるならなんでも可愛いわ♪」
エマリーバ改め、お母様がぎゅうっと抱きしめてくる。大きなお胸でちょっと苦しいよ!
「エイミー! 僕のことも呼んで! ノア兄って!」
「ノアにぃ?」
「っっっ! ……可愛いっ!」
ノア君改め、ノア兄が可愛い、可愛いと連呼している。そんなに可愛いのかな?でも、赤ちゃんはみんな可愛いもんねとか思う。そうえば私の見た目どうなったのかな?鏡みたい!!そう思ってキョロキョロし辺りを見渡した。
「エイミー、急にキョロキョロしてどうしたの?」
「あんね、かがみがみたいの!」
「あぁ、そういうことね! 自分の顔が気になるのね!」
「あい!」
そうお母様がいうと目の前に水でできた鏡が出てきた。すごい!綺麗な鏡だ!おっと、まずは顔を確認しなきゃ!
私は鏡の中に映る自分を見て驚いた。お母様と同じ光輝く銀髪、お母様を幼くした様な顔立ち、そしてアメジストの様なキラキラした目。可愛いベビー服を着て、物語に出てくる天使みたいな感じ。これ本当に私、か……?
「……、おかあしゃま」
「うん? なぁに?」
「こえ、わたし?」
「そうよ、どう気に入った?」
気に入ったも何もびっくりだ。お母様に似てるから綺麗だし、子供だからその分可愛らしさもある。完璧すぎる……。前世の平凡顔からすごい変わりよう。……正直に言って、すっっっごい気に入りました!!気に入ったことをアピールする為、ニコニコしながら首を縦に振る。
「よかった! 気に入ってもらって♪」
「母上! そろそろ僕にも抱っこさせてください! じゃないと兄上姉上達が来てしまいます!」
「そうね~じゃあしっかり抱っこしてね!」
私はお母様の腕の中からノア兄に抱っこされた。お母様よりちょっと不安定で怖いけど落とさないよね……?ノア兄信じてるよ!
「うわぁ、軽い。 赤ちゃんを抱っこなんて中々ない体験だもんねー。 可愛いなぁ~」
「ふふっ、この世界に赤ちゃんは少ないから貴重な体験よね」
「はい!」
へぇ~この世界は赤ちゃんが少ないのか……。神の世界だからかな?とかそんなことを思っていると何だか部屋の外が騒がしくなってきた。
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