第8話憂鬱生活スタート~それぞれの前日~
「うわーん。いよいよ明日には
城下街へ避難していたわたしは、明日の謁見の準備のため王宮に戻ってきた。
はぁ。楽しかったな~。城下街生活。5日間だけど!!
朝ゆっくり起きて、ゆっくり好きなご飯食べて昼寝して!ダラダラしてましたよ!
いや!でもちゃんと次どうすうるかを考えてたよ!!
最悪、結婚を回避する方法は婚約期間を設けてもらえないか?だよね!!
お互いが納得し合意のもとなおかつお互いの保証人が、結婚しても問題ないと判断しないと正式に結婚しない。
つまり4人の合意が必要ってことだね!
まぁ、王族だからね!!下手に結婚勧めて破綻したら大変だからね!!
だから婚約期間の手順を踏んでたら、わたしバツ3にならなかったと思うのよね!!!今更言っても仕方ないんだけどね!!
「姫様。当日はこちらを来てくださいね。あと髪飾りはどうしますか?」
無視!!!わたしの話はガン無視だ!!さすがリンリン強いわ!
リンリンが当日の衣装を持ってきてくれた。淡い黄色の生地に濃い紫色で牡丹の花の刺繍が入っている。
帯は薄い桃色。刺繍の紫を引き立つように組み合わされている。
上掛けは肌が透けるくらい薄い水色。全体的に金色の糸で小さい花の刺繍が散りばめられている。
テンションは最悪だけど、衣装を選ぶのは楽しいよね!!
「いつもの簪だけでいいわ。髪型は簪が目立つようにしてほしい!」
「承知いたしました」
手際よくリンリンが準備してくれている。
鏡を見ながら自分に言い聞かせる。大丈夫!だいじょぶ!ダイジョウブ!
ぁぁあ!!本当は会いたくないよ~(泣)
「明日隕石でも落ちてこないかしら…」
「そんなこと起きません。姫様。現実を見てくださいまし」
「ですよね~」
わたしはリンリンに一刀両断されながらも、明日の準備をすすめているとき誰かがノックした。
「どうぞ」
「姉さん。入るよ」
「
わたしは
ああ。5日ぶりの弟!!わたしの癒やし!!今日もかわいい!!
「まだ5日しかってないよ。姉さんこそ元気なの?」
「ぜんぜん!元気じゃない!!もう泣きそうよ…」
「とにかく明日の謁見を無事に終えることだけに集中していこう。大丈夫僕がついているから!!」
「あーん。本当に
わたしはまた
それにしても、なんていい子なの!!
「今着てるのが明日の衣装?」
「あっ!!そうなのどうかな?」
わたしはその場でクルッと回転して見せた。すぐに気がついてくれるなんて!さすが我が弟!!
「うん。とっても似合ってるよ。すごく綺麗だよ!」
満面の笑みで
明日は本当に辛いけど、
「そういえば
ふと疑問に思って
「すごい大量だったから、姉さんの温室と庭園に移しているよ。街中の花と草木を集めたんじゃないかってくらいすごい量だったよ…」
「うわ…。マジか~。
「本当にそれだよ。あと姉さんは病気だったって事になってるから、明日は気をつけてね」
「はーい!!ちょっとお花見てくるわ!!」
そう言ってわたしは普段着に着替えてから温室に向かった。
どんなお花達を贈ってくれてるんだろう?ちょっとワクワクよね。装飾品もらうよりずっといい。
小さい頃から植物が好きで、よく父に頼んで各国の植物を取り寄せてもらってたっけ。
花や草木を見ると心が和むのよね~。しかも育て方が少しでも違うと枯れちゃったり腐らせちゃったり。
結構手がかかって大変なのよね!でもその分綺麗な花や美味しそうな実をつけたときはすっごく嬉しい。
「うわ…。すごい…」
想像していたより大量の草花、とくにお花が贈られていた。特に赤や黄色、原色の色の花が多かった。
花びらが何重にも重なって大輪の花になっているもの、小さい花でも沢山咲いているもの。種類は様々だった。
「ほんとうに…。わたしの好みをよくわかってるのね…」
ちょっと複雑な気持ちになった。どの花もわたしが好きな花だった。わたしは一つ一つ手にとって
鉢から花壇へ移し替えたり、並べ替えたりして整理をしてその日を過ごした。
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「サイガ、明日手みあげに持っていく品は揃っているのか?」
「問題ない、全部揃っているよ」
「よし、これで明日はやっと
俺はサイガに貰った目録に目を通しながら、
やっと…。やっとだ。これほど焦らされるとは思っても見なかったが
待ちに待った分、会えたときの感動も一入だろう。
贈る品物は
なるべく装飾品以外をチョイスした。武器に関しては、護身用の物で女性でも扱いやすい小刀や針といったものだ。
俺の国は軍事国家と言われているくらい、武器の製造や設計に長けている。さらに軍人をそだててることと、
情報線を制することに関しては五神国随一とっていも過言ではない。
他国を侵略するためではなく他国からの侵略から守るためのものだ。
ここ数十年は他国からの侵略はないがいつどうなるかわからないのも実情だ。
「あ!そういえば姫さんからお礼の手紙が来てたぞ」
「馬鹿!!それを早く言えよ!!」
俺はサイガから手紙をひったくって、手紙を読んだ。内容は簡単なお礼と体調は問題ないと言ったものだった。
「うわっ!何だよその顔~。恋する少年かよ~」
「うっ!うるさい!彼女からの手紙だぞ!嬉しいに決まってる」
サイガがからかってくるが、そんなことどうでもいい。明日、
俺はしばらくその手紙を何度も読み返しながら明日を待つのだった。
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