第3話憂鬱生活スタート~2週間後に来るとかありえない!!~


怜秋れいしゅう。お姉ちゃんは、死んだって言ってくれないかしら?」


やっと落ち着きを取り戻して、お茶を飲みながら訴えた。

う~ん。我が従者の入れるお茶はおいしいね!!おまけにイケメンだしね!


「いやいや!言えないでしょ!っていうかどんな手紙貰ったのさ」


さすが我が弟。的確なツッコミだわ!そしてかわいい!!

わたしは届いた手紙を怜秋れいしゅうに見せた。


「げっ…。」


うん。分かるよ?そうなるよね!!冒頭からドン引きだよねっ!!


「なんか…。すごいね。熱烈だねこの雷覇らいはって人」


「それだけじゃないわよ!2週間後に来るって書いてあるの!!

?」


わたしは湯呑を置きながら、かわいい弟に訴えた!!


「王族がよ?2周間って早すぎるでしょ??どんだけ暇なんだよ!!!」


「うん。問題はそこじゃないね」


また、ズバッと突っ込まれてしまった!ぐふぅ!!


「そもそも断れないでしょ?あの夏陽国かようこくだよ?

五神国ごしんこく最大の軍事国家の当主が直々に言ってるんだよ?」


「だーかーらー!!誰かと結婚するか、尼になるか、死ぬかしかないのよ!!」


「なんでそうなるんだよ。別に相手としては悪くない。むしろ

バツ3の姉さんをお嫁に貰ってくれるんだろ?最高じゃん」


「い・や・よ!!絶対お嫁になんて行きませんからね!!

それから!バツ3なんて言わないで!!」


わたしは頬を膨らませてそっぽを向いた。

お嫁になんて行ってたまるか!!!!バツ4になんてなりたくない!

もうこりごり。あんな思いをするのは。


「はぁ…。こうなったら姉さんは頑固だからなー」


やれやれといった感じで頭を振る怜秋れいしゅう

ごめんね!我儘言って。うん。わかってるんだよ?無茶だって。

でも!!でも!!ぜったい結婚なんかしたくない。

こうなったら、何が何でも阻止してやる!!


怜秋れいしゅうは知らないのよ…。結婚の恐ろしさを!

雷覇らいは殿の恐ろしさを!!あの銀獅子ぎんししだよ!!」


五神国ごしんこくでは知らない人はいない。わたし以上の有名人。

夏陽国かようこくの王であり、軍人である彼は狙った獲物は必ず

仕留めると言われている銀獅子ぎんししの異名をもつ雷覇らいは殿。

そんな人からあの手紙よ!そりゃぁ。死のう!!ってなるでしょ!!


「なんでそんなややこしい人に好かれちゃうかな。姉さんは」


「そんなのわたしが聞きたいわよ!!」


「いつ知り合ったのさ?まさか今まで会ったことないとか無いでしょ?」


「うっ‥‥」


まぁ…。そう思うよねー。普通。あぁ。あんまり言いたくなんだけどなー。


「姉さん。なんか隠してるでしょ?」


ジッとラピスラズリの瞳に睨まれる。ゔゔ・・。かわいいな!!


「…っだったの」


手をもじもじさせながら答える。うわーん!!私の黒歴史!!!


「えっ?なに?聞こえないよ」


「1回目の嫁ぎ先で出会ったのよ!!!」


「えぇぇっ!!4年も前から知り合いだったの!!聞いてないよ。姉さん」


「ゔゔ。だって言ってないもの」


そう。雷覇らいは殿は1回目の嫁ぎ先で出会ったのよ!!

それがわたしの運のつき。


「嫁いですぐに、わたしが旦那様を亡くしたからってずっとお手紙くれてたの」


「ふーん‥‥そうなんだ……」


あれ~???なんか怜秋れいしゅうの空気がどんどん冷たくなるんですけど~‥‥。

もしかして4年前からずっと文通してたの怒ってる???

そもそも、政治が絡む内容じゃなかったし。ほとんど世間話みないたな内容だったし。

別に言わなくていいかな~。むしろ言いたくないな~。なんて思ってたけど。


怜秋れいしゅう。怒ってる?」


「怒ってない‥‥」


いやいや!!怒ってるじゃん!!なんで?どうして?お姉ちゃん悲しいよ!!(泣)


「ごめんね?隠してたわけじゃないけど、内容も世間話だし‥‥それになんか言い出しづらくて‥‥」


「別に怒ってないよ」


怜秋れいしゅうの目がすん。と光を失っていく。

嘘だ!!その感じは絶対怒ってるよ~!わーん!!ラカン助けて!!

わたしは横で控えていたラカンに、目で訴えた。


わたしは知りません。と言わんばかりのとっびきりのいい笑顔で返された。

ぐふぅ…。裏切者め!!そして笑顔が眩しいな!!


気まずい空気が流れる。

あれ?わたし何の話をしてたっけ?なんかおかしな方向に行ってない???


「姉さんは、好きなの?」


「えっ?何が?」


「だから雷覇らいは殿のこと」


おっふぅ!!なんでそうなる!いやいやいや。あんなに嫌がってし

むしろ死のうとしてたよね?わたし!!!


「好きじゃないよ!!そもそも4年前から会ってないし」


「でも4前から文通してたんだよね?僕に黙って」


なんで4年前を強調するの~!!!一方的に手紙を送られきて、返事しないのも気が引けるし

そもそも国家問題になっても嫌だし。しぶしぶ返してたのに。

なんで怜秋れいしゅうに怒られてるの???


「まぁ‥‥いいよ。それよりもう時間だ。仕事に戻らないと」


「えっ?」


ちょいちょいちょい!!!待って!この空気で仕事に戻るとかやめて~(泣)


「また明日にでも時間作って、どう対策するか一緒に考えよう。ねっ。わかった?

怜彬れいりん姉さん」


怜秋れいしゅう。めっちゃいい笑顔だけど、黒いよ!オーラがどす黒いよ!!

わーん!!


「わかった‥‥。」


わたしの返事を聞くと怜秋れいしゅうは部屋を出て行ってしまった。

ぐすん。せっかくの貴重な弟との時間だったのに!!雷覇あいつのせいで台無しよ!!


もう。本当に今日は憂鬱だ!!



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