第20話 新たな移動手段!!

 俺達はエルフの森を後にして次の精霊を探しに行った。


「それにしてもエルフの森の結界、壊れたけど大丈夫なのか?」


「それなら・・・・・・」


「それは問題ないですわよ。もっと強固なものに張り替えておきましたから。もし、シルフィードが戻ってきたとしてもそう簡単には破壊できないと思いますわよ」


 ヴァイオレットが補足して答えてくれた。


「そうか。ヴァイオレットがやってくれたなら安心だな」


 俺がそう言うとヴァイオレットが顔を背けた。


「ほ、誉めても何もでませんわよ」


 (顔を背けても耳が真っ赤だから丸わかりだな)


と、思っていると


「どうしたのかしら、ヴァイオレット、耳真っ赤じゃない」


「あ、本当だね。なんか珍しいものを見たよ」


「・・・・・・二人とも、今すぐ黙らないと恥ずかしい過去を響也にチクりますわよ!」


 ヴァイオレットが手に持っている水晶玉を手にかがげると


「「す、すいませんでした~」」


(あ~あ、余計なことを言うから)


「賑やかで楽しそうですね。いつもこうなんですか」


 新たに仲間になった精霊ウインディーネが尋ねてきた。


「ああ、いつもこんな感じでサファイアが余計なことを言って、ヴァイオレットがやり返すんだけど今回はティオも一緒になってからかってるところを見るとそんだけ珍しかったんどろうな」


「ふふ、こんだけ賑やかだと退屈しなそうですね」


「だろ」


 俺達はまだ揉めてる三人を見ながら笑いあうのだった。




「次はどこえ行けばいいんだ?」


「ここから近くの都市へ行って情報収集ですわね」


「ねえ、ちょっと休まない? 歩き疲れたんだけど」


 そう言うとサファイアは腰を落としてしまった。


「でも、早くしないとまた、襲われるかもしれないし」


「そうだよ。精霊なんだからそこら中でマナがあるんだから集めたらそんなに疲れないよ」


 ティオが言ったことでそうなんだと感心してたら、サファイアが「これだからガキは」と、溜め息を吐いていた。


「あの、ちょっとよろしいですか?」


 手を挙げてウインディーネが質問してきた。


「移動のことなんですけど私の風の魔力を利用したら空を飛ぶことが可能ですわ」


「・・・・・・今、何と?」


「ですから、風の魔力で空を飛べると」


俺達はウインディーネの言葉に三者三様に鳩が豆鉄砲食らったような目になっていた。


「ですけど、条件があります。響也は私と契約してるから問題ありません。ですが、他のお三方は響也と契約してる魔力を使って補助するような形ですわね」


「・・・・・・つまり、どういうこと?」


 サファイアが顎に人差し指を当てて質問した。


「まぁ、簡単に言いますと、空を飛ぶというより響也の作る風の魔力に引っ張られる感じですわね。ま、要するに響也から離れすぎると風の魔力が伝わらなくなって落ちます」


「ま、それでもいいわ。さっさと行くわよ!」


「休憩はしないの?」


「こんなに面白そうなこと、さっさとやりたいじゃない」


 サファイアは立ち上がりそそくさと走り去ってしまった。


「さっさと行くわよ」


 サファイアが手を振ってるのを見て、


「どっちがガキなんだよ」


 ボソボソっと呟いてるティオに


「あの子のやることにいちいち反応してたら負けですわ」


 ヴァイオレットがつっこんでいた。


「じゃぁ、俺達も行くか。ウインディーネ、早速、風の魔力の使い方教えてくれ?」


「ええ、分かりました」


 こうして俺達は新たな移動手段を手に入れるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る