第3話 魔法で無双する

 俺達は魔法の練習をするために広い公園にきていた。


「これでよしと」


 サファイアは、人除けの魔法陣を書いていた。


「あとは、起動するだけで人が寄り付かなくなるわ。後、結界もかねてるから多少無茶しても大丈夫よ」


「どうやって起動するんだ」


 俺が聞くとサファイアは、得意気に


「書いた魔法陣の中心に手をかざして自分の魔力を注げば起動するわ。ま、慣れちゃえば魔法陣は省略可能なんだけどね。・・・・・・ 私は、どうも結界関係は苦手で・・・・・・」


 サファイアは、頭をかきながら苦笑いしていた。


「ま、まあ誰でも不得意なことはあるし・・・・・・」


「そ、そうよね。 じゃあ気を取り直して・・・・・・ まず、この自然界には魔力マナがじゅうまんしてるの」


「魔力ってアニメにでてくるような?」


 俺が聞くとサファイアは、うれしそうに


「理解が早くて助かるわ。 この自然界には、火、水、雷、風、土、木、光、闇があるの。それ以外にもまれなのはあるけどそれは、いずれ教えるとして、まず基礎から覚えてもらうわ。・・・・・・ ちなみに、風を極めれば空を飛べるし、二つの属性を使えば威力をアップすることもできるわよ」


「それは、やりがいがあるなあ。ちなみに、サファイアが得意なのは?」


 俺が聞くとちょっと困ったそぶりをしてから、


「まあ隠してもしょうがないか。いずれわかることだし・・・・・・ 私が得意なのは火系統なの。その理由は、私が火の精霊だからよ」


「せ、精霊!?」


 俺が驚いているとサファイアは、クスッとしながら続ける。


「今は人の姿をとってるけど、本体は炎の聖剣になるわね。ま、それは近いうちに見せることのなると思うわ。・・・・・・ ちなみに、他の属性を宿した精霊もいるから乞うご期待。・・・・・・さて、無駄話もこれぐらいにして練習を始めましょうか?」


 こうして俺とサファイアの魔法の特訓が始まった。







 二日後、魔法の発動するところまでこぎ着けていた。


「すごいわね。普通は魔法を出せるようになるのも早くて数週間はかかるのに・・・・・・」


 サファイアもさすがに驚いた顔をしていた。


「ここまでは何とか・・・・・・」


 俺が言うとサファイアは嬉しそうに、


「じゃあ、ステップアップするわよ。今はその現象を発動できてるだけだからそれじゃ威力がないからいみがないの」


「じゃあ、何すればいいんだ?」


「魔法を使うのには二つの方法があるの。魔法陣を描いて発動するか、呪文詠唱するか。後、呪文詠唱は得意系統なら詠唱破棄もする事ができるわ。でも、まずは私が得意な火系統の呪文詠唱から覚えてもらうわ」


 俺は内心ドキドキしながら先を促す。


「まずは炎の矢からやってみましょうか。私が言うようにやってみて! 火の精霊よ、我が敵を討ち滅さん、穿て炎の矢!」


「火の精霊よ、我が敵を討ち滅ぼさん、穿て炎の矢!」


 すると、指先から矢が三本でた。


「出来たじゃない。・・・・・・ん、どうかした」


「いや、何かやってみた感じもっと簡単に出来そうなきがして・・・・・・ ちょっとやってみていいか?」


「いいけど・・・・・・ どうするつもり?」


「こうするんだよ」


 俺は指先に魔力を集める感じで


「フレイムアロー!!」


 すると、さっきとは比べものにならないほどの威力がでた。


「す、すごいじゃない。いきなり詠唱破棄なんて・・・・・・ (私でも出来るようになるまでは苦労したのに)」


「何か言ったか?」


「な、何でもないわ。こっちの話」


 サファイアは、慌てたように首を振っていた。


「それにしても何でできると思ったの?」


「ああ、さっきやってみた感じで明確にイメージできたらいけるんじゃないかと・・・・・・ でも魔力のコントロールが難しいから複雑なのはまだ無理だな。練習あるのみ」


「教えがいがあるってもんよ・・・・・・ (私、必要ないんじゃ)」


 それから、俺は休憩も忘れて没頭し、魔力切れで倒れるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る