第2話 サファイアと並行世界
「俺にお願い!」
この現実離れした少女、いやサファイアはどこかでみたことがあるような気がした。
ごく最近だったような・・・・・・ いや今考えるのはよそ。
と、思っているとサファイアはいきなりとんでもないことを言ってきた。
「響也はパラレルワールドって知ってる?」
「パラレルワールドって・・・・・・ いやまて。何で俺の名前を知ってる? さっきのことといい、さてはストーカーだな!」
「し、しつれいな、ストーカーじゃないわよ!! それはいつれ分かるから今は、質問に答えて」
俺は気になったが、とりあえず答えることにした。
「パラレルワールドって、よくマンガとかにでてくる並行世界ってやつだろう?」
「理解が早くて助かるわ。ま、端的に言うとちょっと違うんだけどね。それはおいおい説明するとして・・・・・・ 私はある人に言われてあなたを探してたの」
「ある人?」
と俺が聞くとサファイアは、
「今はまだ言うわけにはいかないの。さっき言った並行世界に関わることだから・・・・・・ でも近いうちにわかると思うから」
「後で分かるならいっか」
「ずいぶん物分かりがいいのね。・・・・・・ (やっぱ、あいつなのね)」
「今、何か言ったか?」
俺が聞くとサファイアは、あわてたように手をワタワタさせながら
「い、いいの。こっちの話、気にしないで」
「別にいいけど、それより場所を代えないか? 周りの目が気になるし・・・・・・」
「かまわないわ」
◆
場所をかえって俺んちで話しをする事にした。
「気にしないであがってくれ」
「そういや一人暮らししてるんだったわね」
「何で知ってんだ? 俺、言ったっけ?」
俺が聞くとサファイアは、しまったと言うように手を口に当てた後、ため息をついて語り出した。
「さっき言ったパラレルワールドにも関係してくるんだけど、並行世界は過去である人物が道を右に行くか、左に行くかと選択することでいくつもの分岐点ができて、世界線ができていくんだけど、私がちょっと違うと言ったのは、それぞれの世界線で独立しちゃっていろんな文明ができちゃっての。 例えば、火星や木星などの惑星の行き来だったり、また、別のところでは、エルフや獣人などのアニメにでてくるようなところもあるわ」
「マジで!?」
と、俺が聞くとサファイアは、頷きながら微笑んでいた。
「で、話しの続きだけど、何で私があなたの事を知ってたかと言うと、別の次元のあなたから聞いたからよ」
「別の俺!?」
と、驚いていると、
「ま、あちこちに同じ人はいないんだけど、あなたは、今二つにわかれてるようなもの。幽体離脱してるとても思ってくれればいいわ」
「じゃぁ、今の俺は何なんだ」
「もう一人のあなたはこの前の時に別の行動をとったの」
「・・・・・・ この前と言うのはいつのことだ?」
俺が聞くとサファイアは、テーブルのコーヒーを一口飲んで続けた。
「この前というのは、つい昨日のことよ。あなたは放課後に何か物音が聞こえて図書館に行ったわね」
「ああ・・・・・・ そこで不思議な魔法陣とお前を見たんだ」
俺が言うとサファイアは、軽く微笑みながら続ける。
「そうなんだけどもう一人のあなたは見たい特番のために一目散に帰ったの。本当はあなたもそうするはずだったんだけど・・・・・・ このままじゃ近いうちにあらゆる異次元が歪んで並行世界がなくなってしまうの」
俺は、現実離れした話しに脳がオーバーヒートしそうになっていた。
(なんなんだよ。この話は・・・・・・ こういうのってアニメやゲームの話じゃないのか。 でも昨日魔法陣見ちゃったし・・・・・・)
「響也」
(でもな・・・・・・・)
「響也」
(今までのがリアルな夢だとしたら・・・・・・)
「響也!!」
「は、はい!」
俺が返事をすると、サファイアは、呆れた顔をしていた。
「ちゃんと聞いてる?」
「聞いてる。聞いてる」
「ならいいけど・・・・・・ 話しを戻すけど、おそかれ早かれ時間が収束して同じ時間軸になるはずだったんだけど、ある組織がいろんな世界線を越えて極悪非道な仲間を集めて世界を滅ぼして独立国家を作ろうとしてるの。 でも、その時間軸にはもう一人のあなたがいてそう簡単に手を出せないの」
「何でもう一人の俺がいたらだめなんだ」
「あなたはいくつもの星を救った英雄だから・・・・・・」
俺はコーヒーを飲み、
(落ち着け、とりあえず落ち着こう)
「続きをどうぞ」
俺はサファイアに促した。
「ま、要約すると敵も考えたわ。どうすればもう一人のあなたを消せるかってね。そこで一つの考えが思いついた」
「まさかそれって、別の次元の同一人物をってやつでわ・・・・・・」
「アラー、察しがいいわね。その通り、あなたを消せばもう一人も消滅すると考えたわ」
「じゃ、じゃぁここに来るんじゃ・・・・・・」
俺が不安がっていると、
「心配しないで。だから私が来たのよ。 もう一人のあなたに言われてね。 それにあなたは、魔法陣をみたことでその概念もある。もう一人のあなたよりスタートするのが早いからいけるわ」
「それってどういうこと?」
「これから時間の限り基礎魔法だけでも教えるわ」
サファイアはやる気のようだ。
(しょうがない。なるようになれだ。・・・・・・ 正直こうゆうのに憧れてたし・・・・・・)
「そうゆうことなら、やってやる」
サファイアは、微笑んでいた。
こうして長い1日は終わりを迎えるのであった。
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