第1旗が回避されました。
「あぁ……農家ちゃんか………。」
顔と背筋が凍る。
「吃驚しただろ!?ナァおい!」
どう反応すれば良いんだ?
農家と勇者が結婚する?…………如何…言えば良いんだ?この言葉を。
「…………俺の嫁だ………。」
魔王城の目の前。二人の男が凍り付く。
「…………………えっ?」
「農家はこの俺、賢者の嫁なんだ…。
もう……三年になる。」
「え?E?E?e?…………どういう事?」
「農家は…俺の嫁。人妻だ………………。」
「嘘だ!」
「この指輪、装備品であると同時に、結婚指輪なんだ。」
そう言って薬指にはまった銀色の装飾の指輪を外して見せる。
指輪の内側には、俺と農家の名前が彫られていた。
「嘘…………うそ………俺は………………勘違い…………嘘…………………………。」
自分で自分に何かを言い聞かせるようにブツブツ何かを呟き始めた。
重力が数十倍にもなったかの様なプレッシャーと、膨大な魔力の波動。それらを周囲に撒き散らしながら…………。
勇者は魔法の原動力の魔力を大量に身に秘め、
「嘘ダァァァァッァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
頭を強く殴られた様にヨロヨロよろめき、おもむろに腰に差した聖剣を引き抜いた。
掲げられた聖剣は勇者の勘違いの羞恥と自動的にフラれた件による色々なパワーで金色に輝いている。
勇者は魔王を撃滅出来るだけの
が、その能力が十全に発揮された事が有るのを今、思い出した。
子どもの頃の話。あの時は確か、俺が勇者の聖剣(木の棒)を奪った時の話。
その時、怒りに触れた俺は勇者の必殺技を喰らい、肋骨5本、頬骨、大腿骨、尾骨、鎖骨をへし折られた。
勇者の
「勇者!落ち着け!」
魔王城へ続く道へと一歩下がって勇者と距離を取る。
要因を思い出した時にはもう遅かった。
「ギヤァアアア!
聖剣の光が地上に太陽が現れたかの様に輝き、光が上段から振り下ろされる。
『農家の守り』
結婚指輪の持つ効果、『一度だけ絶命レベルの攻撃を回避出来る』が発動し…………
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオオ!!!!
魔王城に勇者の攻撃が直撃し…………………………後には何も残らなかった。
死亡フラグが回避されました。
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