恋のサイコロゲーム

ハル

第1話 サイコロ

「斐音(あやね)、飲みすぎだよー」



親友の・河野 美須保(こうの みずほ)27歳。

かなり飲んでいる私に言った。


「良いのー」




そこへ ――――




「ねえ」



私達に声をかける男の人、二人。



「何よ!」

「ここにある2つのサイコロに賭けない?」

「はあぁぁっ!?」

「相当荒れてる様子だし気晴らしに俺達に付き合っちゃいなよ!」


「ねえ、面白そうじゃない?」

「私はパス。美須保、好きにしなよ。第一ナンパする男程ろくな奴いないから」

「じゃあ、君、友達に任せる感じ? それとも本当にパスして帰っちゃう感じなの?」


「そんなの結果次第だし、誰も帰るって言ってない! あなたが言ってる、そのサイコロとやらに興味ないだけだから! 」


「じゃあ君、俺達が勝ったら意地でも付き合ってもらうけど良いの?」


「勝手にすれば? その代わり私達が勝ったら他の女に当たってよねっ! 私、ナンパ男、大嫌いだからっ!」


「じゃあ、俺達が勝ったら付き合うという方向で」


「良いけど! ただしっ! 好きでもない男と関係持つのは、ごめんだからっ! それだけは、頭に入れておけっ! 美須保、私、トイレ!」


「そのまま逃げんなよ!」

「逃げませんっ! ていうか親友置いて帰るかっつーの!」



私は席を外す。




「彼女、酒癖悪いの?」


「うーん……今日は特に荒れてるから、そう感じるんじゃないかな? 本当は、あんな感じじゃなくて超可愛い所あるんだけど……」



「…あれじゃ…男も寄らねーだろ?」


私を見てはポツリと呟いた。




そして ――――




「どうなったの?」

「俺達の勝ち」

「そっ!」

「ごめん」

「いいよ別に。つーか楽しませてくれるんでしょうね? 楽しませてなくれなきゃ即効帰るから!」



スッ

私に歩み寄り耳元で………



「あんたの酒癖辞めた方が良いんじゃねーの? 超タチ悪過ぎ」




ムカッ

初対面の男の人から言われ私は腹が立った。


例えそうだとしても面と向かって初対面に対して言う台詞だろうか?



グイッと相手の肩を掴み振り返らせテーブルにあるお酒をぶっかけた。



「冷てっ!」



ガンッとグラスを置く。



「帰るっ!」

「あっ! ちょっと斐音っ!? 急にどうしたの?」


「どうやら私と彼、相性悪いみたいだからっ! 美須保、私、先に帰るっ! 付き合わせてゴメン……美須保は楽しんでおいで……」




そう言うと私は店を後に足早に帰る事にした。




「あれ? 友達、帰ったの?」

「うん…ゴメン…」

「アイツ…気にさわる事、言ったんだろうなぁ~アイツも帰るって言ってたし…どうする?」

「私は別に大丈夫。約束は約束だし。でもあなた次第で」


「OKー」


「体の関係は抜きだけど」

「勿論! それは約束だから」



二人出掛ける事にした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る