報われることのない兄と同じく報われることがないであろう妹の、恋愛模様を描いています。この二人が幸せに暮らせる日々は訪れるのか!? と思いながら読み進めてみましたが、答えは……。生まれ変わり。転生。そういったものがあったと仮定しても、ふたりが幸せになれるのがいつになるのやら、と考えてしまいます。それくらいの愛憎が混じり合ってます。
兄を想い続ける妹のピュアな恋模様……と、言えば聞こえは良いかもしれない。しかしこの妹の想いは底を知らず、どこまでも純粋でどこまでも盲目。やがて彼女の純愛は兄を恐怖の結末へと巻き込んでゆく……。あらすじで作者様が書いている通り、この「まっくろな想い」は別作「まっしろな想い」と世界観と人物が共通しています。読み比べると様々な違いを楽しむことができる、一風変わったホラー作品です。
妹に愛されるとかどんな心境になるのでしょう。甘美な世界が待ち受けているのか、それとも、その愛情を疎ましく思うのか。その答えは、この作品の結末に記されている。