第14回 コロナ禍における景気刺激策『GoToトラベル事業』がいかなる理由でフルボッコにされたか(私見です)

 はい。どうもお久しぶりの更新です。

 お久しぶりのエッセイですが、今日はちょっと真面目な話をします。


 今日はコロナとGoToトラベルのオハナシです。

 かなり長いので、次第アジェンダを付けておきます。


◆コロナってなんだっけ?

◆GoToトラベル事業とはなんだったのか

◆GoToトラベルが叩かれまくる理由(私見です)

◆悪いのはコロナかGoToか

◆医療崩壊を招くもの

◆変容する世界

◆私たちが今すぐにできること


 長文な上に私見まみれなのでその辺はご了解いただいてから、以下を読み進めてくださいね。よろしくお願いします。



◆◆コロナってなんだっけ?◆◆


 厚生労働省のWebサイトによりますと、

「コロナウイルス(SARS-CoV-2)が体の中なかに入はいると、COVID-19になります。 COVID-19になると熱や咳などが出ます。 COVID-19は飛沫感染や、接触感染でなります。 コロナウイルス(SARS-CoV-2)が体の中に入ったあと、熱や咳などが出ないことがあります。 しかし、コロナウイルスが体の中にあるので、まわりの人にコロナウイルスをうつしてしまうかもしれません」

 と記載されています。

 ※引用元: https://www.covid19-info.jp/covid-19-jp.html




 ◆◆「Go Toトラベル事業」とはなんだったのか◆◆


 これは観光庁のWebサイトに掲載されている事業概要なのですが、

「失われた旅行需要の回復や旅行中における地域の観光関連消費の喚起を図るとともに、ウィズコロナの時代における『安全で安心な旅のスタイル』を普及・定着させる」

 とあります。 

 ※引用元: https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001358665.pdf


 このお題目、全くもっていちいちもっともな話で、何も文句を言うところはないのですが、


 私程度の脳味噌アタマでも思い当たる理由はいくつかありまして。

 次項で述べていきます。



 ◆◆GoToトラベルが叩かれまくる理由(私見です)◆◆


=ひとつめの理由=

 高い割引率に耳目が集まりすぎて本来の目的とは異なる受け取り方をされてしまった、というのがあります。

 旅行代金の35%(最大2万円)+旅行代金の15%の地域共通クーポンで合計最大50%の値引きを達成しているこの事業。的外れな指摘として、「旅行に行けるような富裕層向けの施策だ」とか「旅行会社への忖度そんたくだ」とか「個人給付でいいじゃないか」とか言われてきました。


 ええと、これらの指摘をしたことがある方は事業概要読み直してきてください。


 これらの的外れな指摘をいちいち取り上げていたらキリがないのですが、とりあえずさらっと反論しておきます。

 富裕層向け→富裕層はそんなものなくても旅行する。

 忖度→旅行会社はそもそも販売手数料なるものを常時宿泊施設から取っているので忖度も何もない。

 個人給付云々→たとえば個人に10万円ずつ給付するのと宿泊施設の利用を促進するのとで、どちらが経済効果が高いかといえば当然後者。宿泊施設が稼働すると、食材の発注、シフトに入るスタッフの給料、清掃会社、シーツやタオルを取り扱うリネン会社など、関係会社にもお金が回っていきます。個人に給付してそれを全額使いはしないですよね。この先行き不透明な情勢で(いわゆるオタクは全部推しにぶっこみそうではありますが。それはさておき)。貯金されては給付した意味がない。なので、旅行したら割引するよ、という施策にしたわけですね。



=ふたつめの理由=

を促す政府の活動が不十分だった。

「新しい旅のエチケット」については、観光庁のサイトに出ているのですが、コレ、探すつもりで探さないとリーチできません。

※引用元: https://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000332.html


 私は自分の仕事柄、アレコレ調べたりなんだりしたので行きつきましたが、一般消費者がこのサイトのこのページに行きつく可能性は微粒子レベルで存在しているかどうか、といった具合です。そもそも観光庁を含めた行政のサイトはSNSに投稿するためのボタンすらついていないのです……。デジタル化推進とはいったいなんだったのか。まあ今やってるんでしょうけども。


 ええと、話が逸れたので戻します。

「三密回避」「5つの小」とかはメディアでも度々言われていましたが、「新しい旅のエチケット」についても、もっともっと普及に努めるべきだったと考えます。そうすればGoToトラベル=悪という構図にはならなかったかもしれません。


 これについてはひとえに観光庁の怠慢といえるでしょう。


 2020年12月16日現在の観光庁の公式Twitterアカウント(@Kanko_Jpn )の情報ですが、約89,000フォロワー、解説は2014年6月、総ツイート数は3167ツイート。しかもそのほとんどがリツイート。担当者がいないのか、担当者のやる気がないのか、担当者の手が回っていないのか、どれかはわかりませんがもうちょっとしっかりしてください。



=みっつめの理由=

 非常に恣意的な報道をするマスコミに踊らされる人々が一定数存在する。

 面倒なので詳細省きますが、ニュース未満の報道バラエティ番組の無軌道かつ身勝手かつ根拠の薄い情報を鵜呑みにするヘキのある人は「一次ソースを当たってみる」ということをやってみてください。

 切り抜き報道。

 偏向報道。

 報道しない自由。

 噴飯モノの情報メディアなのでテレビは見ないほうがいい、まであります。


 あ、ちなみにここまで読んで「そうだな。その通りだな」と思ったそこのあなた。

 あなたも要注意です。

 私(筆者)が正しいことを言っている保証はどこにもありません。

 根拠エビデンスがあるように語ってますが、本当にその根拠は正しいですか?

 気を付けないと(私に)騙されますよ。


 この記事エッセイは私の見聞きした情報と私の経験からなるものなので、かなり経済的合理性を重視した内容になっています。要するに現実社会の一側面でしかない、というわけです。あなたには今の世界がどのように見えていますか? その視界はクリアですか? 他の視点で見たときには違った風に見えるかもしれませんよ? 


 余談。

 私は「正しさ」という言葉がすごく苦手です。というか嫌いです。

 自分の「正しさ」を信じて疑わないタイプの人とはお近づきになりたくないとさえ思っています。私は私が一番信用できない類の人間なので、この文章を書きながら「ほんまかいな」と思っていたりもします。でもまあ「そう外れたことも書いてないんじゃないの」とも思ってますが。



=よっつめの理由=

 最低限のケアをしない旅行者の存在。Gotoトラベルとコロナ陽性者の相関関係が最近話題になっていますが、これには私はかなり懐疑的です。


「医療崩壊の危機 GoTo早く停止せよ」

 ※引用元 https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=708112&comment_sub_id=0&category_id=142

 この非常に扇動的アジテートな見出しはお恥ずかしいことに我が故郷大都会岡山の「中国新聞」デジタルの記事なのですが。


 この記事の中にある「「トラベル」とリスクとの相関関係を示すデータも、先日まとまった。利用した人の方に、しなかった人より多く感染を疑わせる症状が出た―。そんな調査結果を東京大などの研究チームが公表した。嗅覚や味覚の異常を訴えた人の割合も2倍ほど差があり、利用者ほど感染リスクは高いという」という内容。ほんまかいな、と思わざるを得ません。

 ずっと根拠になる一次ソースを探しているのですが、「研究チームの調査結果」に行き当たらないのは私が情弱だからでしょうか。


 研究チームのいう「利用した人」は二通りにわけられると私は考えています。

 ・Gotoを利用して

 ・Gotoを利用したが

 前者が陽性者として検出されているだけでは? と思います。

 私の友人知人も、私自身もGotoを利用していますが、陽性反応が出た、という話はとんと聞きません。研究データ、変なバイアスかかってないですか? と思わざるを得ません。



 =いつつめの理由=

「自分は大丈夫」とタカくくっている人がきっとおそらく非常に多い件。

 これは実際のデータではなく、個人的な体感によるものなのでなんともいえませんが、「自分はコロナにはかからない」と思っている人、多くないですか?

 少なくとも手洗いうがいはしっかりしようよ、とか。

 このご時世でノーマスクはないやろ、とか。

 私は発症したくないし、家族を感染させたくないので、アホみたいに手洗いうがいをしています。おかげで手荒れがひどくなって、最近はニベアクリームが手放せません。ニベアは実際効く。アー、遥かにイイ……(突然のNJSLYR )



 こうしたあれこれの要因を全部ひっくるめて「GoToトラベル事業、ダメだったのでは?」という論調になってしまっているのかな、と思います。ご存知でしょうか。こういうのを贖罪の山羊スケープゴートというのです。



◆◆悪いのはコロナかGoToか◆◆


 おかげ様で観光宿泊料飲サービス業は軒並み停滞。数か月かけて戻りかけていた需要が全部吹っ飛びました。個人経営の飲食店はもうほんとに厳しいですね。2020年に新規オープンした店舗はもうツイてないなんて言葉では全然足りないくらいの不運ハードラックダンスっちまってますね。チェーンの飲食店ですら撤退、事業縮小、業態転換を迫られており、どうにもこうにも進退窮まったな、という感じです。


 これって何が悪かったのでしょうか?

 コロナのせい? それともGoToトラベルのせい?


 いえいえ、正しい情報を得ようとせず正しい行動を取らない多く人間の罪です(勿論私も含みます)。少なくとも私はそう思います。「GoToトラベル」という制度のせいという論調が強いですが、「GoToトラベル」はです。「GoToトラベル」に罪を着せて「俺たちは悪くない」と居直るのは、なんというか「人類悪顕現!!」って感じですね。


 ――ところで、陽性者が急増したタイミングって外国人の入国緩和したタイミングとリンクしてるんですけど、そこの相関を深堀りした記事っていっこもないですよね。あはははは。



◆◆医療崩壊を招くもの◆◆


 医療崩壊待ったなし、との報道が続く日々ですが、実際本当にやばいです。

 休めないし、余暇も楽しめないし、給料は変わらない。

 医療従事者の皆様の献身でどうにか踏みとどまっている現状です。


 国はGoTo一旦停止して浮いたお金で医療従事者の皆様(特に現場の最前線の方)へ手厚い支援をしていただきたい。


 幸か不幸か我が国には国民皆保険という世界でも稀な制度があり、病院に非常に行きやすい社会です。

 そのおかげもあって、医療従事者の方はフル稼働で働き詰めになってしまっているのですよね。


 そして某府では病院やら保健所やらを縮小したりもしました。

 そして今になって「病床が足りません」と全国に支援を求めていたりします。

 あの府知事大丈夫ですか?


 参考文献:自治体問題研究所「【論文】新型コロナと自治体―保健所の統廃合がもたらした現実と今後の課題」

 ※引用元: https://www.jichiken.jp/article/0184/


 医療崩壊を招くのは、結局のところさっきの話と同じで、「コロナ」ではなく「人」です。必要なものを、無駄だから、今は要らないから、といって切り捨てた「人」とそれを「いいぞいいぞ。もっとやれ」といって後押しした「人」たちです。

 あと、医療従事者の皆様に罵詈雑言を投げつける「人」、コロナの陽性者に石を投げたりつるし上げにしたりする地方の「人」たち。


 コロナが露わにしたのは「人の汚さ」なのではないかなあ、と思うわけです。


 そんな世の中で高潔に生きるのは大変難しいので、せめて自分と自分の周りくらいは大切にして生きていきたいですね。医療系の話題はそんなに詳しくないので、これくらいで。興味ある人はいろいろ調べてみるといいかもです。その際にはニュース記事じゃなくて一次ソースを当たってくださいね。



◆◆変容する世界◆◆


 20数年前、インターネットが普及しはじめ、世界は大きく変化しました。

 今なら家に居ながらにしてだいたいのものはネットで購入できます。そうアイフォンならね!(アイフォンじゃなくても)


 そして今、コロナ禍を経て、行動変容が起きています。というか変容せざるを得なくなってきています。

 たとえばマスクの常時着用。

 たとえばリモートワーク。

 たとえば新しい旅のエチケット。


 加えて、新たな気づきも得たように思います。

「直接対面しなくても商談はできるな」という事実に、多くのビジネスマンが気づいたのではないでしょうか。言い換えると「人の移動コストは高すぎて割に合わない」ということ。名古屋=東京を新幹線往復約2万円&約4時間はコスパが悪いのです。Zoomならネットワーク環境さえあれば(無いってことはないでしょう)、実質無料です。


 ――この事実は世界を変える。


 私はそう思っています。

 具体的には、

 ・人は余程の事(趣味の活動や絶対に対面でなければ済まない用事)以外では長距離の移動をしなくなる。

 ・いわゆる宿泊業は大きく衰退する。

 ・ARやVRの市場が大きく伸びて現実と仮想現実との垣根がなくなる。

 ・インフラ施工会社は大忙し。

 ・オフィス系の不動産はリモートワークの推進で需要がめちゃくちゃに下がる(既に下がってますが)

 ・配送業に今まで以上の負荷がかかる。

 ・ドローン配送が実現する。庭とかベランダとかに落としていく。

 ・外食が減る。宅食が増える。

 ・飲み会が減る。リモート飲み会が増える。

 ・実店舗が減り、仮想店舗が増える。


 こんなところでしょうか。


 出張や旅行が、今まで以上に「特別」なことになるんじゃないかな、と。こうした消費者行動の大胆な変化についていけない企業は、自然淘汰されることでしょう。

 逆に商機もあります。

 うまく立ち回れば稼げるんじゃないかなあと思っています。

 出資者さえいれば私もドローン運送業とか起業スタートアップするんですけどねえ!(妄言)



◆◆私たちが今すぐにできること◆◆


 つらつらと書きなぐりましたが、最後に、我々ができること、すべきことを。


 コロナ禍に直面した私たちひとりひとりができることは半年前から変わっていません。手洗い、うがい、マスク着用、三密回避、しっかり食べてしっかり寝る。以上です。お互いにしっかり気を付けていきましょう。


 そして巣篭もり生活のお供に拙作を呼んでいただけますようお願い申し上げます(宣伝)。


 ※拙作はこちらです: https://kakuyomu.jp/users/kouda-kei




 最後までお読みになられた方、お疲れ様でした(笑

 少しでも参考になりましたら幸いです。

 次回はもっとふんわりしたエッセイを書こうと思います!



※2020年12月23日追記※

よくよく考えてみると、GoToの先行停止対象になっている東京・大阪のコロナ陽性者は減るどころか増えているわけですが、この辺り、ヤメロヤメロ言うてた人たちはどのようにお考えなのでしょうか。「潜伏期間は2週間あるから!」なるほど。では二週間後の結果を待ちましょう。

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