第13話…聖女様は攻略する(聖女視点)
あたしの名前は
そんなあたしが、ある日学校に向かってる途中、マンホールの上に足を乗せた瞬間、何故かフタが消えて落ちたのよ!!もう信じられないっ!
でも、あんまりびっくりして気を失っちゃったんだけど、目が覚めたらそこは見たこと無い世界だった。
しかも、寝かされてたベッドの側にキラッキラのスッゴいイケメンが居て、あたしのことを『聖女様』って呼んだのよ。
どっかで見たことあるような気がするイケメン(この国の第三王子ですって)が言うには、この世界にある世界樹っていうでっかい木が枯れそうなんですって。世界樹は神様から貰った大切な物で、枯れたらみんな死んじゃうらしい。
世界樹を救えるのは聖女のあたしだけだって、イケメンにひざまづいて手を握りながら言われたら、うなずくしかないでしょ。
でもって、まず教会のえらいヒトらしいヒゲのおじいさんが、教会の変な道具で私をしらべたら、私には聖と光の力があるんですって。なんかふたつ力があるのはめずらしいらしく、まわりの人たちがスッゴくおどろいてた。
ここで、あたし思い出したの。これって『セカシタ』じゃん!!
『セカシタ』っていうのは、あたしがスッゴい夢中になった乙女ゲームで、えと、タイトルは『世界樹の下であなたに愛を』っていうんだけど、スチルがスッゴくキレイで、ボイスもハンパない破壊力で、早くクリアするためにしょっちゅう徹夜して、そのたびにおかあさんに怒られてた。
攻略対象は五人で、一人目はさっきの王子様シアン・リヴァール。俺様なんだけど、実は優秀なお兄さん達に対してコンプレックスでいっぱいなの。おまけに婚約者の悪役令嬢のせいで窮屈な思いをしてるから、その辺りを優しくおだてながら、頼ると攻略できるの。わりと落とすのは簡単なキャラね。
二人目は宰相の息子でリュネット・ルヴェール。眼鏡のツンデレで、将来お父さんの跡を継いで宰相になる予定なんだけど、しかれたレールの上をそのまま走ることにプレッシャーを感じてるの。彼は隠れMだから強気なお姉さんで叱ったりすると、甘えてくるようになるの。
三人目はエーゼル・カラミテ。騎士団団長の息子。力が強くて乱暴者のイメージなんだけど、ホントは気が弱くてそれを隠すために強がってるだけなの。だから、私の前でだけは自分をさらしていいのよ?って健気に天使みたいに微笑むだけであっさり落とせるわ。
四人目はフレール・フュルスト。メイン悪役令嬢の弟で、ホントはお姉さんが大好きなのに、姉弟なんだからって想いを閉じ込めて、他の女の子と遊びまくってるの。だから、悪役令嬢みたいに堅物で、絶対になびかない!って所を見せると、最初は軽かったのに段々本気になってくところが萌えるキャラね。
で、最後の五人目はシャルム・リブロ。魔導士で、小さい頃双子のお兄さんと一緒に虐待されて育ってるの。だから何があっても私があなたを守る!って強い所を見せるといいのよ。
あたしの推しはやっぱりシアンかなあ。王子様だしね。一番キラキラしてるもの。でも、やっぱりせっかく乙女ゲームの世界なんだから、五人全員に囲まれてみたいな。残念だけど、このゲーム逆ハーエンドは無いのよね。その上ゲームみたいにステータスの表示がないみたいで(シアンの前でステータス!って叫んだら笑われた)、イマイチ好感度が良くわからないなあ。
でも、学園に入って、シアン以外のキャラに会って、イベントこなしてくうちにアレ?って思った。もしかしたら同時にイケたりするんじゃない?って。ゲームでは必ず最後に一人選んで告白するんだけど、良く考えたら時間とか日にちずらして呼び出せばいいんじゃん。なんだ、そんな簡単な事に気づかないなんてあたしっておバカさん☆
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