モーリーの杞憂

"ファンタジスタ"モーリーはキターゾ・ファミリーで活躍していた男である。

その荒振り様はジャクソンを遥かに凌駕していた。

しかしある時キターゾ・ファミリーから抜けてマリラーシティから離れた

片田舎のモナンに移住してしまった。

"ファンタジスタ"モーリーの力が欲しかった、 "バディ"サウスは彼の職場に向かった。


モーリーは図書館で司書を務めているというのはサウスは驚いた。

彼のイメージとは合わないからだ。


サウスはモーリーが居るカウンターまで向かった。


「久しぶりだな、 モーリー」

「サウスさん、 久しぶりじゃないですか、 如何したんです?」

「久々にお前の力を借りたい」

「あぁ・・・無理っすね」

「無理?」

「荒事でしょ?」

「そうだが・・・話位は聞いてくれても良いんじゃないのか?」

「あー・・・これ以上は長くなりそうですし、 仕事終わりに何処かで話しません?」

「そうだな、 じゃあ帰り迄適当に本を読んでいるよ」


図書館で雑誌を読みながら待つ事にしたサウス。

モーリーの帰る時間に合わせて外に出た。

喫茶店に移動して二人で話し合う事にした。


「まず俺はもう荒事とか出来ないんですよ」

「何故だ?」

「嫁とガキが居ますし」

「え、 結婚したのか!? 知らなかったぞ!!」

「えぇ・・・」

「何で言わなかったんだ!! こっちも色々引き出物とか準備しなきゃなのに!!」

「す、 すみません・・・」


サウスの反応にたじろぐモーリー。


「お前が結婚しているとなると誘う訳には行かねぇな、 帰るわ」

「あ、 はい」


領収書を持ってサウスが出て行った。


「・・・・・」


モーリーはサウスを警戒していた。

家族が狙われるかもしれないからだ。

一方のサウスはモーリーが結婚していた事

結婚式に呼ばれなかった事、 挨拶の手紙すら無かった事に憤りを感じていた。

モーリーは昔は荒っぽかった為

常識に疎いのかと思いさっさとマリラーシティに帰る事にしたのだった。


無理矢理モーリーを働かせる事は出来るだろうが

今の状況で無理強いするのは危険と判断したのだろう。

モーリーは平和に暮らせる事になったのだが

暫くモーリーは警戒して暮らす事になったのだった。

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