デマ・ハットとクロック・マニアとトロフィー・タトゥー

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」


小太りの囚人服の男が裏通りを走る、 彼はデマ・ハット。

キターゾファミリーの元幹部。

デマを使ってファミリーを攪乱し犠牲を出して利益を得た

それがキターゾにバレて刑務所に逃げ込む。

保護の為にレベルマックスに入れられたが今回の一件で強制的に脱獄させられ

こっそり逃げ出した。


「よし、 そろそろヤサだ」


自らの隠れ家に入るデマ・ハット。


「どうもデマさん」


デマ・ハットを出迎える男。

彼もレベルマックスの囚人クロック・マニア。

詐欺師でもありデマと下請けで働く事も多々ある。


「クロック・・・何故ここに?」

「デマさんがこっそり逃げるのを見かけましたんでね、 後を追いました」

「・・・儂を如何するつもりだ?」

「デマさん、 ラスト・ワンに協力すべきだと思いますよ

デマさんの持つキターゾファミリーの情報はラスト・ワンにとっても

喉から手が出る程欲しいでしょうし」

「・・・・・」


デマは壁に有ったワインを取り出すと一気にラッパ飲みした。


「儂はキターゾを騙してちょっと金をちょろまかしたかっただけだ!!

命まで賭けて金儲け等したくない!!」

「だけどこのままラスト・ワンとキターゾファミリー両方を敵にするのは

幾ら貴方でもキツイのでは?」

「・・・・・」


ワインの飲み口を弄るデマ。


「それがワインに偽造したクロスボウだって事は知ってますよ

後、 俺はラスト・ワンに監視されてます、 ついでに・・・」

「俺も居る」


クロック・マニアの後ろから現れたのはタトゥーだらけの男。

彼もレベルマックスの囚人、 トロフィー・タトゥー。

自分が殺した人物の血を使ってその人の名のタトゥーを掘る

額に想い人の名前を彫る為に額はとってある。


「俺が惚れているベスの情報も持っているんだろう?

なら俺も協力してお前をふんじばる」

「分かった!! 分かったよ!! 協力するから止めてくれ!!」


デマ・ハットは観念したのか降参した。


「だが儂も命の危険があるからな!! 情報を出し惜しみさせて貰う!!」

「何で?」

「情報全て抜いたらラスト・ワンは儂を守ってくれるのか!?」

「うーん、 まぁそれは仕方ないかな・・・」

「畜生、 自棄酒だ!!」


そう言って酒のボトルを開けるデマ・ハットだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る