第7話 スライムと褐色の獣人

キング・スライムに飲み込まれたまま、俺は森にいた。

キング・スライムの体内で身につけていた衣服や飾りをすべて溶かし、俺は全裸になってしまった。


森を進んでいき、大分奥まで来た頃に俺を吐き出した。


「うおっ!げぇ…ベトベトしてる」


すると、どこからともなくピンクや黄緑色の触手が出てきて、俺を縛り上げる。


「な…なんだっ?」


キング・スライムは一周りか二周りほど、大きなガルド王に姿を変えた。


「おお…やはり綺麗な身体をしておるな…喰らいがいがあるのぉ…」


偽ガルド王が触手に指示を出す。

触手たちは俺の胸や股間部をぬるぬるといじりまわす。


思わず甘い声を漏らしてしまう。


「ひっあっ…あ!///」


すると、偽ガルド王は手だけをスライムに戻し、俺の口を塞いだ。


「大きい声で喘ぐな。誰か来たらどうするのだ?」


そして、偽ガルド王は俺の中を犯しまくった。


「んっ!んんーっ///」


嫌だ嫌だと叫ぼうにも口が塞がれていて、言葉を発することすらできない。


気持ち悪いはずなのに…

身体が言うことを聞いてくれない。


嫌だ…助けて!!


そう願っていると、ガサガサッと音がして、茂みから褐色肌の男が現れた。

キング・スライムも触手も、人が来たからか俺のことをその場に捨てて近くの洞窟の中へ逃げて行った。


「大丈夫か?って…あんたは!」


褐色肌の男は俺の顔を見て、とても驚いていた。無理もない。だって俺の顔は、史上最年少で王となった者として世界中に広まってしまったのだから。


男をよく見てみる。

すると、頭にひょっこり獣の耳が生えていることに気がついた。


「君は…獣人か?どうしてこんなところに獣人が…」


この国では、獣人は王族が国の法律として定めても何をしても、受け入れられない存在なのだ。


こんなところに獣人がいると、獣人嫌いの人間に最悪の場合殺されてしまう。

そんなことは決して許しはしないが、獣人達にとっては数少ない仲間が減るのは辛いだろう。


「君、こんなところにいてはだめだ!今すぐこの国からでて逃げろ!」

 

俺が叫ぶと褐色の獣人は首をふった。


「あなたは怪我をしている。近くに自分の住んでいる小屋があるんだが、手当をするから来てくれ!」


そう言って褐色の獣人は俺に着ていた上着を羽織らせ、お姫様抱っこで小屋へと走り出した。

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