第3話 王の愛情と魔王になる原因
⚠第3話には性的シーンがありますので苦手な方や不快に思われる方はここでストップすることをおすすめします!⚠
目が覚めると、そこは周囲に冷たい空気と固く頑丈そうな壁があった。
それに手が拘束魔法か何かで縛られている。
まずいな…今俺の体は10歳だし…力なさすぎて逃げられない。
どうしようと頭をひねって考えていると、重そうな扉がギギギッと音を立てて開いた。
そこに立っていたのは見知らぬ男と…俺のよく知っている、毎日のように肖像画を見ている人だった。
そう…つまりは俺の父親であり、この国の王であるクロス・ルーカス5世だ。
まさか父親が自分の息子を攫うなんてな…
俺は勇気をだして王に問いかけた。
「父上!なぜこのような事をなさるのですか?お答えください!父上!」
すると王は静かに言った。
「これは余とお前のためなのだ。クレオよ」
俺のため?なぜだ…今まで剣の稽古で怪我をしても、森で道に迷ったときも、俺が死にかけたあの馬との衝突事故のときだって…心配のしの字も見せなかった人が。
「俺のためとは…どういう意味なのですか?父上!」
すると王は、俺に近づき頬をまるで愛くるしい動物を愛でるかのように優しく、そして包み込むように触れた。
何故か俺は悪寒がした。
王はにやりと笑い、着ていたマントを脱ぎながら言った。
「お前は、今は亡き余の妻、イザベラにそっくりだ。成人した15の時にイザベラにお前を産ませた。その時のイザベラの恐怖と怯えに染まった顔は昨日のことのように覚えているぞ」
扉のそばにいた見知らぬ男は、外に出てそっと扉を閉めた。
扉が閉まると、王は俺の頬をしつこく舐め回した。
恐怖と気味悪さが湧き上がってくる。
「お前は今日からイザベラだ…あぁ余の妻よ、帰ってきたのだな…」
もう完全に発情しきった王は俺の耳元でささやきながら俺の服のボタンを外していき、俺の胸を撫でた。
俺は小さな10歳の体を恐怖で小刻みに震えさせることしかできなかった。
それからはもう思い出したくもないほど強引に、そしてめちゃくちゃに抱かれ、俺は王の手で白濁に体を染められた。
「イザベラ、綺麗だ…これほどまでに完璧な女はお前以外にいないぞ…」
そう言いながら俺の唇にキスを落とし、マントをひるがえし部屋から出ていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
その日から俺は毎日3時間おきくらいに王に抱かれ続けた。
食事は一日に一回届くほとんど味のしないスープと王の白濁としたものを口と腹の中にめいっぱい注がれる。
どうして俺は、何か覚悟を決めると嫌なことが起こるのだろうか…
俺が死んで転生する前まで働いていた会社も超ブラック企業だったから、そろそろ頑張って転職しようとしていたときに…最悪なことが起こったからな…
せっかく、生まれ変われたのに…可愛い弟ができたのに…俺はまた何もできないのか?一人の弟さえ救うことができないのか?畜生…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
もう時間の感覚もなくなり…王がやってくるときに少し見える外の光を見て時間を判断するしかなかった。
ここに閉じ込められてから壁に刻まれた線が5年分ほどになった頃、突然に今までうっすらとしか開かなかった重そうな扉が前開になった。
そこには見たことのある鎧を着たやつらがいた。
国の騎士団だ。
「兄様!」
聞き覚えのある声が響く。
先頭にいた男が鎧を頭から外す。
忘れもしないピンク色のキラキラと光る瞳にピンク色の艷やかな髪。リュークだ。
「リ…リューク…?」
リュークは俺の前に膝をつくと言った。
「兄様、もう心配いりません!あのクズな父上は僕が始末しておきましたから!」
待て…今、なんて言ったんだ?
始末した?殺したってことか?嘘だろ…
そうだ…【プラチナル・ソードワールド】でリュークが魔王になる原因の一つが明らかになっていたんだ…忘れていた。
その原因のひとつが…
王である父の兄へ対する態度と行いが度が過ぎていたから…
どうしよう どうしよう…
阻止するって決めていたのに、原因のひとつを実行させてしまうなんて…
リュークはもう12歳だ…あと3年もすれば成人してしまう。
この状況、どう打破しようか…
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