私の居場所 228
久領さんはナイフとフォークを握り、
「あは、そーこなくっちゃ!」
一同、ステーキにかぶり付きます。
「いただきまーす!」
日向隊員がナイフとフォークで肉を1片切り分けました。そしてがぶり。すると・・・
「あは、美味しい!」
と、思わず感嘆な声をあげました。明石悠は何か思い出したようで、
「そう言えば、高浜さん、さっき注文するとき、いつものて言ったような?」
それを聞いた日向隊員ははっとして、高浜さんに質問。
「こんなに美味しいご飯、毎日食べてんの、高浜さんて?」
高浜さんはちょっと顔を赤らめ、
「ふ、まあな」
その言葉に日向隊員の脳裏にある疑問が。それを解決するためか、隣りに座ってる真土灯里に質問。
「真土さんもこんなに美味しいステーキ、食べたことあんの?」
すると真土灯里はゆっくりとしゃべり始めました。
「あは・・・ 私の家は小さいときは貧乏で、あまり豪華なものは食べさせてもらえなかった・・・ けど、undercoverが売れ出すと、一気にお金が入るようになったんだ。
父は喜んで毎日毎日こんな豪華なお店に連れてってくれたんだ。あの頃はほんと幸せだったよ。あんな生活、またしてみたいなあ」
明石悠が応えます。
「へ~ 1曲当てただけでそんなにお金が入ってくるんだ?」
今度は代官さんが、
「この世界、1曲でも売れると大きいんだよ。莫大なお金が入ってくるんだ」
日向隊員はその話を聞いて、
「へ~・・・」
けど、高浜さんは別の考えのようです。心の中でつぶやきました。
「ふ、1曲でも売れたらたくさんお金が入ってくるって・・・ それは作詞や作曲をした人のことだろ? けどなあ、人の琴線に触れることができる作詞や作曲ができる人はほんのわずか。へたくそはやらん方がいいな。
この世界は適材適所。自分が何に適してるのか見極め、それをとことん突き詰めていかないと! ギターが得意な人はギターを、ヴォーカルが得意な人はヴォーカルを突き詰めていかないとだめだ!
でないとオレと
高浜さんは談笑してる真土灯里を見て、
「灯里ちゃん、君は
君は前途洋々だ。君を邪魔するやつは、全部オレが排除する! たとえ相手がネットであっても!
君を超一流のミュージシャンに育てる。それが今オレができる
食事は一段落したようです。みんな自然に談笑に移ってました。ただ、明石悠だけはカンペを出して、それを小声で読んでました。そう、それは明石悠が今日歌わないといけない曲の歌詞です。
高浜さんはそれに気づき、にこっとして、
「ふふ、がんばってんな、あの
とつぶやきました。
それから1時間、2時間・・・ 明石悠以外の談笑は止まりません。と、日向隊員が壁に掛かった時計に気づきました。現在午後2時ちょっと前。日向隊員は高浜さんに、
「あの~ まだ行かなくって大丈夫ですか?」
高浜さんはふっと笑って、
「じゃ、行くか、みんな!?」
高浜さんは立ち上がりました。そして8人はまたミニバンに乗り、ステーキ店を後にしました。
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