私の居場所 225
モヒカンの男とリーゼントの男も、何本ものさすまたでがんじがらめになってしまいました。そのまま地面に這わされます。2人はお互いの顔を見合わせ、
「あ~、なんでオレたち、うまくいかないんだ?」
「いつも警察が先回りしてやがる?・・・」
真土邸の前の道路に隊長のセダンが帰ってきました。その車内、真土灯里と明石悠はびっくりしてます。
「な、なんなのよ、これ?」
真土邸の家の周辺にパトカーやバスなど、たくさんの警察車両が停車してたのです。回転灯が
隊長のセダンは真土邸の少々手前で停車。4つのドアが開き、それぞれ4人が降車しました。隊長は真土邸を出入りしてる機動隊員たちを見て、心の中でつぶやきました。
「どうやら終わったようだな」
唖然としてる明石隊員と真土灯里。隊長はその2人を横目で見て、ニヤッとします。
「よかったな、お前ら。死なずに済んで」
真土邸の門から機動隊員に連行された啓一、モヒカンの男、リーゼントの男が出てきました。3人とも両手を手錠で結ばれてます。隊長はその3人を見て、
「ふ、あいつらも生きてたか?・・・」
明石悠と真土灯里も啓一たち3人に気づきました。
「あ、老松啓一!?」
うなだれてる3人は、この声ではっとして顔をあげます。途端にその眼は日向隊員と明石悠を捉えました。すると・・・
「うおーっ、いてーっ!」
3人は頭を抱えアスファルトにのたうち回り始めました。3人にかけられた催眠術が作動したのです。機動隊の隊長はのたうち回る3人を見てにが笑い。
「あは、なんだこいつら?」
真土灯里はぽつり。
「あいつら、私の家に潜り込もうとしたの?」
明石悠がそれに応えるように、
「真土さんを殺そうとしてたっていうわけ?」
日向隊員はその会話を聞いて苦笑い。
「あは・・・」
と、日向隊員は何かを思い出し、あたりをキョロキョロ。
「そう言えば、あの人たちは?」
あの人たちとは、公安7課の刑事。制服警官に化け、24時間真土邸を見張ってる2人です。その2人が見当たらないのです。実はこの2人は・・・
今から約1時間前、日向隊員が気にしてた2人は、その時間はいつものように警護してました。
と、2人は何かに気づきました。
「ん?」
道路の向こうから何かが行進してきました。黒ずくめの武装した集団。かなりの数。これは・・・ 機動隊です。機動隊が3列で行進してきたのです。2人の刑事はびっくり。
「なんじゃ、ありゃあ!」
機動隊の先頭にいた隊長が号令。
「止まれーっ!」
そして振り返り、再び号令。
「打ち合わせした通りだ! 1班は真土邸に、2班は隣地に潜め! 3班は近隣に捜査協力の交渉! 全員配置に付け!」
隊員たちが応えます。
「はっ!」
機動隊員たちが散っていきました。2人の刑事はこの光景を見てびっくり。
「なんなんだ!? いったい何が起きようとしてるんだ!?」
刑事の1人は慌ててスマホを取り出し、画面にタッチ。電話として使います。
「あ、緊急事態です。機動隊が現れました!」
するとスマホからこんな声が。
「それはほんとうなのか!?」
「はい! 現在機動隊は対象の家屋と隣地の空き家に潜り込んでます!?」
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