私の居場所 210
巨人は舞い上がりました。そのまま透明なストーク号に向かって行きます。正面衝突のコース。
「おいおい、マジかよ!?・・・」
操縦席の橋本隊員は、慌ててヨーク(操縦桿)を押します。
「うわっ!・・・」
ストーク号は間一髪巨人の身体を避けました。巨人の大きな身体がストーク号の背中を擦るように飛び去って行きます。
女神隊員は唖然とします。隊長はその女神隊員に質問。
「あの
「え?・・・ いや、飛べるなんて話、聞いたことないっすよ。本人も言ってなかったし・・・」
隊長は思いだしました。故海老名隊員のセリフを。
「私が見た夢では、地球は空飛ぶ巨大ヒーローによって救われることになってます」
隊長は思いました。
「
倉見隊員が振り返り、隊長に、
「隊長、大変です! F2があの巨大な女の子をロックオンしました!」
「え!?」
隊長は考えました。そしてすぐに思いつき、橋本隊員に、
「橋本、今日ソフトキル砲を取り付けたな、この機体に!?」
「はい!」
「それを使おう!」
「いいんですか? まだテストしてませんよ?」
「構うことないさ。出力を30%にして撃とう!」
「了解!」
ストーク号の下部のハッチが開き、そこから1つの砲塔が現れました。
飛行してる巨人。それを側面から見てるF2戦闘機。
「ミサイル発射!」
2機のF2が2発ずつ、計4発のミサイルを発射。ワンテンポ遅れて、ストーク号がソフトキル砲を発射しました。
「ソフトキル砲発射!」
ソフトキル砲が発射した光線はエアゾールのように若干広がりを見せ、4発のミサイルを照射。するとミサイルは目標を失くしたように好き勝手に飛び始めました。驚くF2のパイロット。
「な、なんだあ?・・・」
続けてソフトキル砲の光線が2機のF2戦闘機に照射されました。するとF2の計器類の大半は異常作動。F2のパイロットはそれを見て、
「
「このままじゃ墜落するぞ。帰投しよう!」
2機のF2戦闘機はUターン。そのまま飛び去って行きました。隊長はそれを確認すると、
「ふ、帰ったか?」
橋本隊員。
「ソフトキル砲、こいつは思った以上に使えんな!」
真夜中。街と住宅街の境目のあたり。ここにたくさんの人だかりができてる建物があります。近寄ってみると、みんなスマホやムービーカメラを構えてます。
実はここは警察署。みんな、護送されてくる啓一たち3人を待ち構えてるのです。いわゆるネット民。
なお、マスコミのカメラクルーも何組かいますが、すごい圧力で中に入らせてもらえないようです。
ネット民の何人かの声を拾ってみると・・・
「あのクソブス女の首を叩き斬るなんて、なんてすごいやつなんだ?」
「老松啓一だっけ、名前?」
「ああ、なんかすごい美少年らしいぞ!」
「クラスの人気者で、みんなから好感をもたれてるそうだ!」
実際はその真逆なのですが、ネット民は自分たちが認めた者はどんなに醜くても美人・美男子と呼び、ワールドクラスの美人・美男子は憎しみを込めてブスと蔑みます。ネット民とはとことん自分勝手な連中なのです。
こんな声も聞こえてきました。
「なかなか来ないなあ? いつまで待たせる気だ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます