私の居場所 200
明石悠はタッチパネルを持ち、パフェの写真をタッチ。
「じゃ、いただきまーす!」
真土灯里は明石悠を見て、
「あ、私も頼みたいなあ。悠ちゃん、それ!」
明石悠は持っていたタッチパネルを真土灯里に渡します。
「はい」
真土灯里もタッチパネルにタッチ。
「私はアイスだけでいいや」
すぐにパフェとアイスが運ばれてきました。明石悠はパフェを、真土灯里はアイスを口に運びます。日向隊員はスプーンに載せたアイスを口に運んでましたが、その2人を見て、はっとして動作を止めました。
「あは、あのときと同じだ・・・」
あのときとは、日向隊員が金目ひなたと言われてた時代、当時仲良しだった片岡愛美・飯島
涙目、とても悔しい顔で金目ひなたたち4人にお金を渡す山際怜子。日向隊員の脳裏には、それが次々と蘇ってきます。
「私、少しはいい子になったのかなあ?・・・」
日向隊員はしんみりとしてしまいました。が、それはほんの一瞬。真土灯里と明石悠がアイスを食べてる光景を見て、すぐに我に還りました。
「あは」
日向隊員はタッチパネルを持つと、
「私ももう1つパフェ頼んじゃおっと!」
日向隊員はタッチパネルのパフェの写真にタッチ。その顔はご満悦でした。
その後、3人はおしゃべり、お茶会状態に。隊長はこれはマズいと思いました。女の子はおしゃべりが始まると、底なしになります。どれだけ時間がかかることやら? さて、どうする?
隊長はおもむろにスマホを取り出し、その画面を見ました。そしてわざとらしくはっとして、
「ん、そろそろ9時だな」
いや、スマホの画面に表示された時刻は、まだ8時20分なのですが・・・
「みんな、明日も演奏するんだろ、例のスタジオで?」
真土灯里が応えます。
「はい」
続いて日向隊員が、
「まずここでリハーサルして、それから折り紙コンサートホールに移動する予定になってます」
隊長。
「じゃ、すぐに帰らないといけないんじゃないか?」
日向隊員は苦笑して、
「あは、そうですね」
明石悠。
「じゃ、今日はこれまでにしよっか?」
日向隊員と真土灯里がそれに応えます。
「賛成!」
4人は立ち上がり、エントランスの方へ。と、あるボックス席の横を通り過ぎました。そのボックス席には男が1人座ってました。男は日向隊員たち4人を尾行してた男です。
男はコーヒーカップを傾けてましたが、その状態で横を通り過ぎる4人を見ました。そして4人が通り過ぎたタイミングで立ち上がり、4人を尾行し始めました。男の尾行はみえみえですが、4人はこの尾行に気づいてません。
日向隊員・真土灯里・明石悠の3人は歩きながら、なおも談笑してました。隊長はその3人を見て苦笑するばかり。これでは気づきません。
ファミレス外観。隊長たち4人がエントランスから出てきました。そのまま眼下の駐車場に向かいます。
隊長は1台のセダンの運転席のドアを開けました。今日もいつもと違うセダンです。日向たち4人もセダンのドアを開け乗り込みました。
これを少し離れた位置から見てる1人の男。先ほどから4人を尾行してる男です。 実はこの男、啓一たちを補佐してる男でした。
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