私の居場所 134

 日向隊員は寒川隊員を心配顔で見て、

「大丈夫ですか、寒川さん!?」

 寒川隊員は日向隊員を見て、笑顔を作りました。

「あは、大丈夫、大丈夫、これくらい!」

 寒川隊員はスマホを取り出し、それを無線機代わりに使います。

「今から日向を機外そとに出します!」

 するとスマホから、

「了解! エアジェットエンジンが作動しないと大変なことになるから、飛ぶ前にもう1回チェックしとけよ!」

「了解!」

 寒川隊員は持ってたスマホを日向隊員の脇腹に向けました。

「日向、もう1回チェックだ!」

「はい!」

 スマホに何か表示されました。寒川隊員はそれを見て、再びスマホに、

「チェックオールグリーン! 問題なし!」


 ストーク号コックピット。隊長がマイクに、

「了解! 寒川、日向に替わってくれないか!」


 小部屋の寒川隊員。

「了解!」

 寒川隊員はスマホを日向隊員に向け、

「日向、隊長が話をしたいそうだ」

 日向隊員はスマホを受け取り、

「え?・・・」

 日向隊員はスマホに、

「はい、替わりました!」

 コックピットの隊長。

「悪いな、日向、この時間に」

「あは、大丈夫ですよ、敵はいつ襲ってくるのかわからないから!」

「ふ、殊勝な心掛けだ! じゃ、よろしく頼むぞ!」

「はい!」

 日向隊員は寒川隊員にスマホを返しました。スマホを受け取った寒川隊員はうなずきました。

 寒川隊員は先ほどとは違う壁のボタンに触れました。なお、もう片方の手は、手摺を掴んでます。

「じゃ、行ってこい!」

「はい!」

 扉が横に自動的にスライド。すると強い風が吹き込んできました。寒川隊員はつぶやきます。

「ふ、さすが高度5000m。ものすごい風だ。ストーク号は静止してるのに・・・」

 日向隊員は扉の外を見ました。そこは漆黒の空間。日向隊員はシールドの中、にが笑い。

「あは、お外真っ暗!

 じゃ、行ってきます!」

 日向隊員は銃を持ったまま、ジャンプ。すぐに背中のエアジェットエンジンに火がつき、そのまま漆黒の空に舞い上がりました。


 コックピット。倉見隊員は計器を見て、

「日向隊員が機外に出ました!」

 隊長の命令。

「よーし、ドローンを出せ!」

 ストーク号の小さなハッチが開き、そこから1機の小型ドローンが飛び出しました。

 隊長はマイク片手に、

「日向、ドローンを出したぞ!」

 空を飛ぶ日向隊員の眼がドローンを捉えました。

「はい、確認しました!」

 なお、日向隊員が見てる光景は、スターライトスコープモードで捉えてるせいか、全体的に緑色です。

 隊長が号令。

「そいつを撃ち落としてみろ!」

「はい!」

 と応答すると、日向隊員は大きな銃を構えました。

「よーし!」

 銃爪ひきがねを引く日向隊員の指。光弾発射! が、ドローンに光弾が当たる寸前、ドローンは横にスライドするように移動。ぎりぎりで光弾を避けました。日向隊員はびっくり。

「ええ~?」

 日向隊員は再び光弾を発射します。

「今度こそーっ!」

 けど、ドローンは再び光弾を避けます。日向隊員はまた驚きます。

「ええ~!? なんで避けるのよ~!?

 もう、こーなったらーっ!・・・」

 日向隊員は銃を乱射。ドローンはそれらの光弾をことごとく避けます。日向隊員は焦るばかり。

「もう~!・・・」


 コックピットの橋本隊員は、銃を乱射する日向隊員を捉えてるモニターを見て、呆れてます。

「あ~あ、あんなに乱射しちゃあ、当たる光弾タマも当たらないだろって・・・」

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