私の居場所 86

 助手席には20歳くらいの黒いサングラスをかけた女性がいました。どうやら啓一たち3人を身柄拘束した女性のようです。女性は応えます。

「了解!」

 女性はスマホを取り出し、画面にタッチ。電話をかけたようです。

「もしもし、対象が動いた。そっちは?」

 スマホから、

「いつでも動けます!」

「了解!」

 女性は運転席の男性を見て、

「じゃ、始めましょうか!」

「了解!」

 女性はつぶやきました。

「まったく、世話のかかる妹ねぇ・・・」

 トラックのエンジンが始動しました。


 おしゃべりをしながら駐車場を歩く3人。3人はコンビニで何かを買ったらしく、1人がレジ袋を持ってます。a。

「しかし、驚いたなあ。メガヒューマノイドがほんとうに存在してたなんて」

 cは自分のスマホを2人に見せ、

「あの女が何をしたのか、こいつに全部録画しておいたぜ!」

 b。

「ふふ、帰ったらすぐにネットにあげないとな!」

 c。

真土灯里あいつが住んでる家の映像もあげないといけないんじゃないか?」

 するとaは、ズタボロになったかつての真土勝之の新居を思い出しました。

「みんな、覚えてるか? 真土灯里あいつの父親の家をズタボロにしたこと?」

 bとcは同時に応えます。

「もちろん!」

 aは今度は今真土灯里が住んでいる家を思い出し、

「今あいつが住んでる家も、もっと住みやすい家に変えてやらんといけないんじゃないか?」

 cは暗闇の中、真土勝之邸を破壊する複数の人影を思い出し、

「あんときゃ、たくさんネット民がいたっけな」

 a。

「ああ、今回もみんなに教えてあげないと!」

 b。

「じゃ、あげるときは位置情報も添えないといけないな!」

 a。

「みんなで盛大に壊してやろーぜ!」

 笑う3人。

「あははは!」

 3人がそれぞれ軽自動車のドアを開けました。


 今この巨大な駐車場に大型トラックが入ってきました。トラックは駐車場の縁を走ります。すでにここに駐車してある大型のトラックとは反対側の縁です。

 3人はすでに軽自動車に乗ってます。運転席に座ってるaがトラックに気づきました。

「おい、あのトラック、どこに行く気だ?」

 トラックはスピードを落としません。そのまま店舗に突っ込む勢い。軽自動車の助手席のbはそれを見て、

「なんかヤバイ雰囲気になってきたなあ。さっさと出よーぜ、ここから!」

 aは一瞬ぼーっとしてました。

「え?・・・」

 が、すぐに我に還り、

「ああ~! すぐに出よう!」

 軽自動車のエンジンが始動。走り出す軽自動車。が、眼の前に巨大な影が現れ、aは慌てて急ブレーキ。

「うわっ!

 なんだよ、こいつ!?」

 一方トラックの運転手はハンドルを切りました。店舗のエントランスの方を向くトラック。店舗の中にいた店員がこれに気づきました。焦る定員。

「お、おい、マジかよ!? あいつ、ここに突っ込む気かよ!?」

 が、さらにトラックは曲がり、店舗ぎりぎりに店舗と平行に走ります。それを見て店員はほっとします。

「ふ~ なんだよ、びっくりさせんなよ!」

 トラックは店舗の前では低速になりました。そのトラックが通り過ぎると、そこには3人が乗ってた軽自動車とサングラスの男性と女性を乗せた大型トラックが停車してました。

 トラックが軽自動車の行く手をふさいでるようにも見えます。また、道路から軽自動車を隠してるようにも見えます。

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