私の居場所 14
黒い肌の少女と彼女を囲む4人の不良は移動を開始しました。それを見ている日向隊員はさらに強く拳を握りました。
私は
さっきの会話からしてあの黒い肌の少女は、毎日毎日やつらに
それを思うと日向隊員はいても立ってもいられなくなりました。ついに日向隊員は物陰から飛び出し、叫びました。
「やめなよーっ!」
4人の不良はその声に反応。立ち止まりました。
「はあ?」
4人の不良が振り返りました。不良Aは日向隊員に歩きながら、
「なんだ、お前?」
不良B・C・Dも黒い肌の少女を連れ、日向隊員へと歩いてきました。日向隊員は訴えます。
「その
不良Aは身を屈め、低身長の日向隊員をにらみました。いわゆるメンチを切る状態。
「なんだ、お前、痛い眼に逢いたいのか!?」
日向隊員はメガヒューマノイド。こんなやつら、4人同時にやっつけることは簡単。日向隊員はその気です。が、ここで日向隊員の脳裏に南原主幹のセリフが突然思い浮かびました。
「君がその気になったら、軽く人を殺せる。何人も、何十人も、何百人も」
日向隊員はフリーズしてしまいました。私が本気を出したら、こいつらみんな死んじゃう・・・
不良Aは右手拳にメリケンサックを装着しながら、
「おらぁ、なんだよ? 何か言えよーっ!」
不良Aは右手を大きく振り上げました。日向隊員を殴る気です。その瞬間日向隊員は思い出しました。これは今朝見た夢とまったく同じ光景。私は口を殴られ歯を数本折られ、その直後、今度は顔面を踏みつけられる。顔は日向隊員の数少ないオリジナル部分。それは嫌・・・
日向隊員の顔面に不良Aの右拳が向かいます。激突! の瞬間、日向隊員の身体がすーっと横に移動。拳は紙一重で避けられました。日向隊員の人工脊髄反射が作動したのです。
日向隊員の人工脊髄反射は次の行動を起こします。アッパーカット! 右の拳が不良Aのアゴにヒット。その瞬間不良Aの身体は数メートル浮かび上がりました。信じられないくらいの高さ。日向隊員に装着された土屋翔介の脊髄反射とメガヒューマノイドとしての体力が、日向隊員の思考とは無関係に全開になったのです。
不良Aの身体が地面に激突。不良Aの身体は痙攣してます。
「ぐあぁぁぁ・・・」
それを見て不良B・Cが焦ります。
「アニキーっ!」
不良Bが肩から下げていたチェーンを手にします。
「くそーっ!」
不良Bはチェーンをぐるぐると振り回そうとします。が、それよりも前に日向隊員の右ストレートパンチが。不良Bは低身長だったせいか、口に拳がヒット。不良Bの身体は大きく吹き飛びます。
「ふぎゃーっ!」
さらに日向隊員は振り向きざま不良Cの脇腹にキック。不良Cの身体はくの字に。前後にくの字ではありません。横にくの字になったのです。信じられないほどの角度。
「ぐふぁっ!」
日向隊員はさらに不良Dをにらみます。焦る不良D。
「ああ・・・」
不良Dは一目散に逃げ出しました。
「うわーっ!」
なんと、わずか数秒で日向隊員は4人組の不良を撃退してしまいました。これぞメガヒューマノイドの力!
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