魔法少女にはまだ早い 25

 香川さんは少女がまとってる赤い電子の鎧を見て、

「この赤い装備、脱げるか?」

「え~と・・・ もし何かあったら、右の腰のハッチを開けて、中のボタンを押せと言ってました。今ハッチを開けます!」

 少女の右の腰、時計で言うと4時くらいのところにある小さなハッチが開きました。香川さんは少女の背後に回り込み、その開いたハッチを見ました。中には赤いボタンがあります。

「これか!」

 香川さんがそのボタンを押すと、ビーッという音が鳴り響き、少女を包む装甲が次々と外れ、地面に落下。少女はあっという間にパンツ一丁になりました。香川さんはそれを見て、

「すまないな。君の裸を見てしまってた」

「構いませんよ。香川さんは私の未来のダンナ様だから」

「ふ・・・」

 香川さんは赤くなってしまいました。でも、今は一刻も早く少女の胸から爆弾を取り除かないと!

「さあ、横になって!」

「はい!」

 少女は地面に横になりました。香川さんはナイフを取り出し、少女の喉の下にナイフを突き立てました。そのままナイフを真下へ。その瞬間、少女は、

「いたっ!」

 と、軽い悲鳴を。

「お、おい、大丈夫か?」

「あは、胸は全部機械になってたの、忘れてました」

「そっか。

 悪いな、今度はおっぱいを掴むぞ」

 香川さんは少女の右側の乳首の上に左掌を、左側の乳首の上に右掌をベタッと付け、そのまま外側に両掌を滑らせました。すると肌がはだけ、人工の胸骨と肋骨が一瞬で露わになりました。ここで少女が発言しました。

「真ん中の骨の一番上のボタンと一番下のボタンを一緒に押してください」

 香川さんが見ると、確かに胸骨の一番上と一番下に、埋め込むような感じで赤いボタンがありました。

「わかった!」

 香川さんがそのボタンを両手で同時に押すと、胸骨が真ん中で割れ、そのまま肋骨が大きく開きました。

 香川さんが胸の中を見ると、まず眼に飛び込んできたものは人工心肺のユニット。エアジェットユニットはその背後に2つ見えます。

 香川さんは思いました。

「ちっ、人工心肺が邪魔だ。で、でも、こいつを傷つけたら大変なことになるぞ・・・」

 香川さんは右手で人工心肺ユニットの右側(香川さんから見て左側)を掴み、それをゆっくり左側に避けました。すると人工心肺ユニットはそこに留どまり、肺に似た型のエアジェットユニットが露わになりました。ここまで来たというのに、香川さんは焦ってます。

「く、くそーっ、これ、どうやれば外せるんだ?・・・」

 刻々と過ぎ去る時間。タイムリミットまであとわずか。香川さんは考えてるヒマがありません。ここで香川さんはエアジェットユニットの上の方についてる赤いボッチに着目しました。よーく見ると、下の方にも同じボッチがついてました。

 電子の鎧を脱ぐとき、腰についてた赤いボタンを押しました。肋骨を開けるとき、胸骨についてた赤いボタンを2つ同時に押しました。もしやこの赤いボッチを押せば、ユニットは外れるのでは?

 香川さんは意を決して、右手で上のボッチに、左手で下のボッチに指をかけました。するとガチャという音が。香川さんの顔に笑みが浮かびました。

「外れた!」

 少女は笑顔になりました。

「よ、よかった・・・」

「いや、まだだ! このユニットを引き抜かないと!」

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