前方の敵後方の敵 9
当の女神隊員ですが、このとき海老名隊員と一緒に女神隊員の部屋にいました。2人は1つのノートパソコンでアニメを見てました。魔女の女王(クィーン)とニートの勇者(ヒーロー)第10話。さきほど女神隊員が隊長と一緒に見ていたエピソードです。しかし、海老名隊員はそのことを知りません。女神隊員は初見だという前提で話を始めました。
海老名隊員はノートパソコンに映ってる魔女姿の少女(女王)を指差して、
「この女の子は箒に跨って空を飛ぶことができるんですよ」
女神隊員は当然それを知ってました。けど、ここは海老名隊員に合わせることにしました。
「あは、そうですか」
リアル中2で重度の中二病患者の海老名隊員は、この手の話を始めると、とっても長くなります。女神隊員は苦笑するしかないのです。
海老名隊員はノートパソコンの映像を止め、魔女姿の少女が被っている帽子(ウィッチズハット)を指さしました。
「女神さん、この帽子、どう? 欲しいと思いません?」
「ええ・・・
う、うん、まあ・・・」
女神隊員はイエスともノーとも取れる返事をしました。けど、海老名隊員はイエスとみなしたようです。で、
「じゃ、今度私が買ってあげる」
と発言。女神隊員はちょっとびっくり。
「ええ、いいの?」
海老名隊員はインターネットを開きました。そこはコスプレアイテムを売ってる通販のサイトです。ブックマークをつけていたらしく、いきなり魔女の少女のウィッチズハットが出てきました。
「ほら、これ」
それを見た瞬間、女神隊員はその帽子が欲しくなってしまいました。
「ふぁ~・・・」
再びサブオペレーションルームです。今J1の3人が部屋を出て行くところです。入谷隊長が捨てゼリフのような発言をしました。
「1週間後また来る。邪魔したな」
引き分けの自動ドアが閉まりました。それを見て香川隊長が1つ息を吐きました。
「ふ~ J1の連中はどうも好かんなあ・・・」
隊長はテーブルに座り、固定電話の受話器を取りました。
「おっと、そういや、あれはどうなったんだ?」
隊長は受話器に話しかけました。
「もしもし、死体回収は終わったか?・・・ はあ? 身長140cmだ?・・・ なんだそりゃ?」
隊長は電話を切り、橋本隊員を見ました。
「今日倒した宇宙人だが、やっと死体が見つかったらしい。身長は140cmだったそうだ」
「ええ? 40mはあったような・・・」
「140cmが正解だったんだろうな。最近は巨大化するエイリアンがはやってんのか?」
翌朝、太陽が昇ってきました。昨日テレストリアルガードと謎の宇宙人が闘った野原です。昨日不時着したストーク1号機が見えます。その周りには10人以上の警官が見えます。さらにその外側には、警官の5倍以上の数の一般人が見えます。実は彼らはマニア。テレストリアルガードのオーバーテクノロジーを直に見られるチャンスはめったにないので、自然発生的に集まってきたようです。ただ、困ったことに、某国のスパイも混じってるようです。
この光景をちょっと離れた丘の上から見てる3つの人影がありました。彼らは昨日未確認飛行物体に乗ってた宇宙人A・B・Cです。宇宙人Aはストーク号のコックピットに注目してます。その部分は昨日宇宙人Dによって破壊されてます。
「くっ・・・ あの機体はもう使えないか・・・」
それに宇宙人Bが応えました。
「やつらをもう1回おびき出して、やつらの機体を奪うしかないですね」
「仕方がないか・・・ 全員で巨大化しよう!」
宇宙人BとCが応えました。
「ラジャー!」
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