第649話 激レア写真2
海織猫バージョンの写真は――大変激レア写真と認定された今です。
ちなみに俺が斎宮さんと話している間――海織は俺の上に座ったまま。静かにしています。この静けさが怖いですねー。少し前に言っていた100倍返しとか――マジで怖いんですけど。
「ねえねえ楓君ホント何したの?」
ちなみに斎宮さんは同じことを何度か今のように聞いてきています。
「いや――特に。普通に付けてもらって――なんですがね」
「いやいや、あれは――脅したでしょ」
「いやいや。そんなことしてません」
「——」
俺の上で笑いをこらえる海織。うん。何で自分の存在を消しているのかな?実は――恥ずかしいから?うーん。まあいいかとりあえず触れないでおこう。
「あんなにかわいい海織ちゃん初だよ初。ヤバいよ」
「ははは……まあ。ね。なかなかいい感じに撮れましたから」
「私の四足歩行の頑張りの結果だね」
「——俺はそれを知らないが」
「あっ。それはシークレットね。恥ずかしいから。あれはあれで海織ちゃんめっちゃ指示してきたから」
「ははは……結構やらかしているか。ちなみに斎宮さんこの画像流出厳禁で」
「えー、七菜ちゃんに公開とかは?」
「やめておいた方が――海織が拗ねる可能性が」
「それは楓君お相手お願いだよ」
「えー」
「甘えさせたらOKだよ」
「……」
既にたくさんしたんですがね。うん。かなりしましたよ?その結果――まあ偶然って感じでこの写真につながったのですが。ってことはもちろん言えず。
「いやー、でもこれすごいね。うんうん。しばらくこれ海織との話の話題だね」
「斎宮さんあまりいじらないように――」
「えー、こんなかわいいのに。ってか海織ちゃんは?」
「あー」
俺はそう言いながら海織を見ると――「シー」というポーズをしていた。
「——えっと。恥ずかしかったのかはわからないけど――今は寝室に居ます」
「おお。楓君それは突撃しないと」
「何でそうなるの?」
「恥ずかしがってるんでしょ?そんな弱い海織ちゃんなかなかないからさ。こういう時に楓君勝利!にしないと」
「いやいや、それ――あとが怖い」
「大丈夫だよ。突撃OKだよ」
斎宮さんどうやら本当に海織がいないと思ってそんなことを言っているが――現実はニコニコしながら俺の上に座って海織さん聞いています。はい。ってか。座られている時点で、俺に勝利は無いんですがね。
「にしても――これはレアだよレア」
「同じこと言ってますね」
「だってレアだもん。うわー。これみんなに見せたい。そしたらあれだよ。楓君という絶対的立場の彼氏が居ても揺らぐね。こんな姿見たら誰か海織ちゃんに突撃するよ」
斎宮さん言いたい放題――と、俺が思っていると。
「沙夜ちゃん?」
「——あれ!?」
どうやら何か触れてはいけないことに触れたのかな?存在を消していた海織が俺からスマホを奪っていきました。はい。斎宮さん――頑張ってください。俺は――知りません。
「沙夜ちゃん。いい時に楓君と話してたね。ちょっと考えていたんだけどね。次回は沙夜ちゃんに水着を着てもらって、さらにここに猫耳と手があるから。それと――しっぽも付けて、外で撮影会するからね。いいよね?」
「ふぎゃあー」
あー、うん。それはそれで普通に似合うだろうが。海織さん――なんか企んでいるのか……怪しい表情と――声がね。ちょっと怖いっす。斎宮さん。お疲れ様です。
「沙夜ちゃん。もし。他の子が私の猫姿知ってたら――わかってるかな?すっごい。水着用意しちゃうかもよ?沙夜ちゃんのサイズは把握してるからねー」
「か、楓くんー。聞こえてるよねー助けてー」
「……」
なんか聞こえた気がしたが。聞こえないふり聞こえないふりである。
「じゃ、沙夜ちゃん。こっちは今から忙しいから。バイバーイ」
「——あっ海織ちゃんちょっとタイムタイムー。さっきの私言い……」
――トン。
最後に斎宮さんが何か言いたそうな声が聞こえたが――海織さん通話を終了しました。
「楽しみだね。楓君」
「何がでしょうか?」
「そりゃ、沙夜ちゃんの超セクシー猫姿」
「俺は関わらない方が――ですね」
「いいの?」
「はい。ってか――海織。なんか電話切る時に忙しいとか言わなかった?」
俺は斎宮さんの猫姿より。それの方が気になりましたね。これからって――寝るだけじゃないのかな?もう指令というのか。するべきことは終わったよね?時間的にも――おやすみの時間では?
「もちろん。楓君にお仕置きだよね」
「何故にそんなことになっているのか――」
「恥ずかしい事して来たから――そりゃ、それ相当の事をね」
「えー」
「どうしようかなー。何しちゃおうかなー」
「いやいや、もう時間的におやすみの時間かと」
「じゃ――寝室でワイワイしようか」
「寝室でワイワイはおかしいかな」
うん。寝室でワイワイは――繋がらないかと思うのですが――皆さんどうでしょうか?
「寝かしてあげないからー」
「えー」
はい。海織さん――どうしたんでしょうね。いや――もしかしたら、これを思いついたからとっとと斎宮さんに画像を送ったのかもしれない――うん。その後は、はい。海織に締め上げられました。とでも言っておこうか。うん。なんか深夜までいろいろあったが――深くは触れないでください。
「楓君。早く来る」
「あっ、はい」
「にひひー。いっぱい楓君いじめよーっと。楽しみー」
「——どうなるのか俺。ってか。ペンギン歩きにくいんですが」
そうそう忘れているかもしれないが。俺はペンギンの姿。うん。海織から逃走。逃げるというのは――なかなか難しかった。うん。やっぱり締め上げられたと言っておこう。
「もう楓君遅いなー」
「仕方ないでしょ。誰よ。この歩きにくいの着せたの」
「着たのは楓君でしょ?」
「……まあこれしかなかったので」
「まあほらほら行くよ」
こけないように俺がゆっくり歩いていたら海織に掴まり――そのまま寝室へと腕を持たれ連行されましたとさ。
――バタン。
これこそ本当の監禁かもしれない。何があったかは――俺と海織だけが知っている。
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