第593話 取り合い?2

「「七菜ちゃんも俺(私)のところ来る?」」 


いつものベンチにて突然人が集まりまして――賑やかになったところというのが現在か。うん。だな。突然柊が現れて――だな。ってか。マジで柊はいつの間に俺の横に居たのだろうか――。ってか。とりあえずはマジで説明求。という状況ですね。


七菜も俺の横へと移動してきて、説明を求めてきているのだが。マジで俺も説明が欲しい。などと思っていると――。


「七菜ちゃん休み空いてる?空いてるならいつも講義とかで一緒のメンバーと遊びに行くんだけど」

「忙しいから無理です」

「……」


はい、柊が即七菜に声をかけていたが――うん。まだ七菜が返事をしただけマシというのか――前は完全スルーだったから。ちょっとは関係が良くなった?いや――きっぱりと断られてるあたり――変わってない?うーん。難しい関係のようだ。


「ほら。大学初の連休だしさ」

「行きません」

「楓ーなんでこんな感じばかりなんだ!?ちょっとは話してくれるようになったけど!」

「だから何で柊も俺を巻き込むか」

「楓が来てくれたら七菜ちゃん来てくれそうだし」

「いや、先ほども言われていたかと思うけど。俺――捕まってるみたいだし」

「あっ、そうだった――」


柊。即敗北だった。勝者海織。って、海織は何も言わずに勝った――ってあれ?海織誘いはしていたが――その返事七菜はしてないよな?などと思いつつ再度七菜の方を見てみると――。


「加茂先輩。説明をです。いまいち何の話をしているのかわかりません。だから宮町先輩の方にも反応が出来ません」

「……まあ俺もわかってないんだが――」

「とりあえず白塚先輩のお誘いは即お断りです」

「七菜ちゃんがやっぱり超!俺に厳しい!」


1人騒いでいるお方は居たが――まあ最近のいつもの事なので――置いておいて。って、柊はなんやかんやで七菜とのこのやり取り最近は楽しんでいる気がするんですがね。どうなんでしょうか――まあこれも置いておこう。

さて、俺は誰に説明を求めたらいいのかな?まあ海織なんだけど――と思いつつ海織を見ようとしたらだった。


「えっとね。連休にね。私の実家でくつろごうってね。ちなみにこっちの参加者は沙夜ちゃんと。お片付け要因で来てくれる楓君だね。自由に過ごしてくれたらいいよ?」

「加茂先輩――これは――何しに行くんですか?」

「いや、七菜。片付けって今俺も初めて聞いたんだよ」

「どういうことですか?」

「俺が聞きたい」

「えっ?言ったよね?」

「聞いたっけ?」

「あれー?だって、ゴールデンウィークはママパパが留守でその間に私が部屋の片付けをするように言われてるから――楓君も手伝ってって」

「——あれ?俺聞いた?」


いや――俺の記憶にそんな過去あったかな?ないんだけどな――えっ?


「ってか。海織」

「何?」

「海織って片付けできる子ですよね?」


うんうん。海織って基本なんでもできる子。その海織が片付けをしろといわれるのだろうか?いや、そういえば前にも片付けで実家に戻っていたことはあった気がするが――。


「いやね。こっちで使っていた荷物でさ。もういらないかな?ってのは順番に実家に送っていっていたんだけど、それがね。実家で山になってるから邪魔って言われて――」

「……なるほど」


まあ少しずつこちらのお片付けは大切ですね。

海織さん――自分の家に週3で居ればいいレベルなんですが……まあ片付けは必要か。


「だからゴールデンウィークは実家に帰って片付けなんだけど――1人じゃ寂しいから。だからいろいろ声かけてるの」

「うーん。うん。片付け要因なのにギリギリに声をかけられた気がするけど――」

「楓君には言った気がするんだけどなー忘れてたのかな?てへっ?」

「ちなみにいつ言った記憶が海織にはありますかね?」

「楓君が寝てるとき?」

「……」


ダメだこりゃ。うん。寝ている時に言われてもそれ――なんですがね。海織は俺が寝ている時もちゃんと話を聞いているとでも思っているのでしょうかね?そんなの無理ですからね?


「ちなみに七菜ちゃんはなかなか話すタイミングがなくて――やっと今」

「あっ。はい。ですね。私は初めて聞いたような――」

「で、七菜ちゃんどう?ご飯とか寝る場所も気にしなくていいよ?普通に部屋あるから」

「海織ちゃんところ家とは別に建物あるからね。前も私たち泊めさせてもらったんだけど、いいところだよ。広いし。庭も広いし」

「そうなんですか――まあ予定は無いんで――」

「じゃ、七菜ちゃんも決まりね」


はい。また一人捕まりました。


「やったー。これで七菜ちゃんいじれる!」

「なっ!?斎宮先輩!?」


七菜。安易に返事は危険である。だな。うんうん。斎宮さんの目が光ったよ。


「海織ちゃんところならあまり周り気にしなくてもいいもんね」

「だね。ちょっとくらいなら暴れてもいいと思うよ?ママもパパも居ないし」

「——加茂先輩!?」

「だから七菜は何故すぐ俺に聞いてくるのか。ってか七菜——お疲れ様」

「なんと!?私判断ミス!?」


いつものベンチ。七菜のちょっとした悲鳴が響いたのだった。


「あー、難しい選択。後輩たちとお出かけ――宮町さんところで――うーん。でももうお出かけの方は組んであるしな……悩む」


1名何かを考えているお方も居たのだが――。


「楓くん。あいつはほっておいて」

「はははっ」


斎宮さんに言われて俺は声をかけるのをやめたのだった。


数日後。俺は海織の実家に行くそうです。ってか――3対1か。男性がいつも以上に弱い立場になりそうです。

柊は――まだ悩んでいたが。どうやら今回は後輩たちの方を優先――というか。向こうは向こうで予定が既にある程度決まっていたみたいなのでね。はい。俺大丈夫かなー。

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