第552話 まっしぐら23

やっと海織、七菜。柊と合流した俺と斎宮さん。

現在は雑談中というか。まあお話し中というやつです。俺の前で女の子3人がいろいろ話していますね――と思っていたら。俺の隣に居た柊が話かけてきたところである。


「おい、楓よ?何で沙夜は……あんなに元気なんだよ。歩き回ってたんじゃないか?なんかまだ体力余っているように見えるんだが――化け物か?」

「いや――今も向こうで話していたと思うけどさ。本当に駅に着く直前まで、電車の中で体力回復してましたからね。途中で起きることもなく。ずっと夢の世界だったかと思うから」


俺が再度柊へと説明していると。こちらの会話に斎宮さんが反応して――。


「うん。めっちゃ寝た。もう後半全く記憶ないね。楓くん曰く電車が止まってたみたいだけど――寝る時間増えてラッキーだね」


そんなことを言いながらブイサインをする斎宮さん。うん。マジで体力回復したというか――そもそも斎宮さん疲れていたのだろうか――?だが。うん。散策中もテンション高めという感じで疲れた様子なかったよなー。と俺が思っていると。そんな斎宮さんの元気な様子を見た柊がまた話しかけてきた。


「はぁ――楓よ。もっとボロボロに体力底つかせておいてくれよ。っか、別に起こさなくてもいいぞ?寝過ごしたら寝過ごしたで面白そうじゃん。1人だけどっか行って――慌てて戻って来るとか。爆笑じゃん」

「いやいやそれは――柊がボコボコにされる未来が見える」 

「逃げるが勝ち」

「そう言いつつ――いつも攻撃されてない?」


柊へとそんな返事をしつつ。そういえばよく柊は斎宮さんに叩かれている気がするな。というか。叩かれている光景が見えた俺だった。


「そうなんだよなー。忘れたころに――って感じで突然何か飛んでくるんだよ」

「——原因は柊では?」

「いや、寝過ごしたらそれは本人が悪い」

「——仲がよろしいことで」

「っか体力オバケだわー」


それからも少しの間、柊との会話が続いたのだが――まあこの後すぐちゃんと柊の話を聞いていた斎宮さんのパンチが柊を襲ったのは――言うまでもないか。


柊がいつものように斎宮さんの攻撃を受けてからすぐ。俺たちは、時間も時間なので、これ以上遅くなっても――ということで帰ることになったのだった。

なお、俺は名古屋へと戻って来る前の海織とのメッセージで3人。海織、七菜、柊は既に食事の後ということを知っていたので、帰る話となって、さて帰ってから何をつまもうか。などと考えていたのだが。斎宮さんはつい先ほど3人が既に食事をした。ということを聞いたので。


「えー、私はお腹空いたー。空腹ー」


七菜と並んで歩いている斎宮さんはそんなことを呟いている。


「ホント元気じゃないか。腹ペコ虫かよ」


バシン。


七菜と斎宮さんの前を歩いていた柊が斎宮さんのつぶやきに反応して叩かれていたが――まあいつもの光景である。ということにしておこう。すると、俺の横を歩いていた海織が話しかけてきた。あと、もう1人俺の横に来て――後ろに回った。


「楓君と沙夜ちゃんは晩ご飯は?まだだよね?」

「——ですね。電車の中でしたし。何か買って乗ってませんでしたからね」

「じゃあ、近鉄に乗る前にどこかで何か買ってく?」

「あー、どうしようかな。まあ一応夕方に喫茶店には居たんだけど――それから歩いたりで、確かにお腹は空いているが――でもこれから何か探すってよりは帰って簡単にー。が楽かな?」


これからまたどこかに何か探しに行くだと。なんか既に食べている3人に迷惑というか。待たせてましたからね。などと俺が思っていると。


「私はもうお腹すいたー。何か食べたーい。あと家に何もないでーす」


俺と海織の話が聞こえていたのか。斎宮さんがちらりとこちらを見つつ再度つぶやいていた。ちなみにですが。斎宮さんも常滑に居た時に入った喫茶店でスイーツは食べてましたね。まあスイーツだけじゃか。うん。


「だって楓君」


ポンポン。


「いやいやだって。と言われましてもね」

「そういう時にささっと準備しないと。あっ。楓君ちょっと持って」

「えっ?あー、うん」


海織はそう言いながら俺に持っていたものを俺に渡してから、カバンからスマホを出して――どうやら何か調べるのか?と俺が思っていると、その時また斎宮さんが会話に入ってきた。


「私たちめっちゃ歩いたからねー。腹ペコ―」

「まあ坂道上ったり下りたりで結構歩いたからね――うん。ってか。名古屋駅の混雑で少し体力持ってかれた気がするが――」

「あー、確かに。すごい人だったよね」

「そういえば、沙夜ちゃんさっき写真見せてくれたけど。結構動き回ったんだね。いろいろなところの写真あったから。ってそうだ。沙夜ちゃん夕焼けの写真送って、あれめっちゃ綺麗だったから」

「OKOK。って、めっちゃ歩いたからね。自分でもびっくりするくらい歩いたかもしれない。って、私入りの写真も居る?」

「沙夜ちゃん入り?」

「いやー、せっかくだからね。楓くんに頑張ってもらったのもあるんだよ。ちょっと待って」


海織と斎宮さんがそんなやりとりをしている時。俺も少し今日の事を思い出していた。うん。本当に俺達歩いたよな。とね。って、今日の感想もいいけど。今の事も考えないとか。と俺は思い出して、うん。話がいろいろ脱線というか。それぞれがいろいろ話したいことがあるというか。今も海織と斎宮さんまた写真確認みたいな感じで――って移動しながらじゃなくて。電車とか乗ってからしなさい。という気持ちも俺は込めて――。


「ですね。ホント動いたと思う。って、とりあえずだけど。近鉄の駅に行けばコンビニとかお店もちょっとはあったと思うから――うん。下手に探しに行くより。何かあるかもと思うんですが――」


そんな提案をしてみると。


「あっ、それいいね。じゃ柊。なんか駅で買って」


斎宮さんが出しかけたスマホをしまいつつ。即賛成してくれたのだが――うん。柊に何故か飛び火していた。うん。まあそれくらいは――いいか。


「何でだよ!」

「柊はよく巻き込まれる」

「私の財布だからね」

「沙夜。言い方!言い方。おかしいよな?」


とりあえず。今からの行き先は近鉄名古屋駅ということに……なったみたいなので、俺たちは賑やかな感じで近鉄名古屋駅へと向かったのだった。

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