第548話 3人組の場合5

現在は別行動中の加茂先輩と斎宮先輩と再度合流する時間になったところです。が、私たち3人は、ちょっとぶらぶらし過ぎたみたいで時間を忘れていたため。既に集合時間より5分ほど遅れています。トコトコ集合場所にまだ移動中です。もしかしたら――先に加茂先輩たちが待っているかも――という状況です。


でも……ちょっと気になることは――お2人と連絡が途中から取れてなかったことなのですが――まあ、もう居るかな?と思いつつ私たちは集合場所へとやって来たのですが――。


「あれ?楓と沙夜来なくない?もう時間過ぎてるよな?」

「だね。来ていない――感じだね」

「楓が居るのに遅刻は珍しいことで、か、沙夜が暴走してるかか」

「あはは。まあ沙夜ちゃんとこにゃん楽しみにしてたからね」

「楓――ご愁傷様」


白塚先輩と宮町先輩が時間を見ながらそんなことを話していました。って、本当に2人の姿は集合場所にはありません。ちなみに集合時間よりもう10分過ぎています。

いや、周りに人が多いので、もしかしたら気が付いてないだけ。ということもあるかもということで、キョロキョロと周りを見たのですが――加茂先輩と斎宮先輩の姿は見えませんでした。


でもまあ、その前からというか。私はなんとなく。加茂先輩が全くメッセージに反応してなかったので――集合場所にもしかして居ないんじゃないか?とは思っていたんですがね。加茂先輩。普段はすぐに――じゃなくても何らかの反応はしてくるはずですから。なのに今日は何もなかったので、変な感じはしていたんですよ。本当はもっと心配とか必要だったのかも――ですが。宮町先輩が大丈夫そうな感じで居たので、私もそこまで重大な感じには思ってなかったんですが。でもまさか本当に集合時間に来ないとは……ですね。さすがにこの状況に私は宮町先輩のところへと近寄り。


「宮町先輩宮町先輩」

「うん?七菜ちゃん何?」

「いや、その私も途中で加茂先輩にメッセージ送っていたんですが。既読すらついてないんですよ。宮町先輩の方は――メッセージは見てるんですか?」


私が自分のスマホを見せつつ宮町先輩に言うと――。


「あっ、七菜ちゃんも送ってたんだ」

「えっ、あー、はい。向こうもどんな感じかな――と、気になりまして。でも、全く反応無くて、今も姿ないですから――大丈夫かな?と」

「大丈夫だよ。七菜ちゃん。多分2人でラブラブ楽しんでるんだよ」

「…………えっ――それ――いいんですか――ね?って、連絡取れてないのは――」


あれ?私表情には出さないかったと思うんですが。現状をちょっと何かあったのでは?ヤバいのでは?みたいな感じで宮町先輩に話しかけたのですが。

何ですかね?この温度差と言いますか――宮町先輩全く心配してなくないですか?加茂先輩も斎宮先輩も集合時間になったのに現れず。さらに連絡も取れてないのに―—。


「多分だけど、沙夜ちゃんが楓君を振り回していて、気が付いたら楓君もなんやかんやで楽しくなって2人でぶらぶらして――時間忘れてるだけだよ」

「えー。そんな事ありますかね?加茂先輩結構時間とか気にするタイプにような――」

「私の勘ではね。うーん。沙夜ちゃんの事だから……どうだろう。夕焼けとか見たい!ってなって。今2人で相談。調べてたりして?」

「そんなことありますかね?って、調べていたら、メッセージに気が付くかと――」

「わからないよ?沙夜ちゃんなら。あー、うるさい!後にして!今は調べてるの!みたいな感じかもだし」


何を想像しているのかはわからないのですが――宮町先輩話しながら楽しそうにしています。はい心配は――してませんね。いいんですかね?って、そんな宮町先輩が言ってるようなこと置きますかね?うん。


「いやいや――宮町先輩。さすがにそれは……」

「でもまあ、もう一回メッセージ送ってみようかな?電話でもいいけど、既読が付いた時の方が出てくれそうだから。とりあえずメッセージで様子見かな?」

「うーん。これでいいのでしょうか――って、じゃあ私も――一応」

「じゃ、七菜ちゃんは楓君にラブコール送っておいて。私は沙夜ちゃんに送るから」

「いやいや、ラブコールって」

「にひひー」

「宮町先輩がめっちゃ楽しんでますよ」


それから宮町先輩と私はそれぞれスマホを操作しました。

って本当に宮町先輩ニヤニヤでした。加茂先輩早く帰ってこないと。そもそも反応だけでいいので早く反応しないと、いろいろ勝手なこと宮町先輩に言われますよ?と私は思いつつ。スマホを操作して。


「先輩先輩。集合時間ですよ?どこに居るんですか?宮町先輩が勝手な事言ってますよー」


うん。思っていたことをそのままの文章を送ったのだった。

だが――この時もすぐには加茂先輩がメッセージを見ることはなかったです。


それから、私が集合時間になっても姿を現さない加茂先輩へとメッセージを送ってすぐの事です。


「まあ、楓君も沙夜ちゃんもまだ常滑観光中だと思うから――私たちは他のお店見て待ってようか。白塚君行くよー」


宮町先輩がそんなことを言いだしました。


「えっ?どこに?って――えっ?何がどうなった?合流は?」

「買い物だよ。ほらほら七菜ちゃんも」

「えっ――返事あるまでは……」

「大丈夫だよ。大丈夫」


宮町先輩何でそんなに自信満々なんですかね?もしかしてお2人に発信機や盗聴器仕掛けてます?って――って、さすがにそれはないか――多分。多分です。今度加茂先輩にちらっと確認をおすすめと言ってみましょうか?うん。宮町先輩。今日1日だけでも不思議さ。謎さレベルが爆上がり中です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る