第508話 兄6
美味しい美味しいランチの時間は長く続いた。
お店の人と難波先輩が仲が良かったというか。うん。巻き込んだというか。途中から楽しそうに話していましてね。気が付いたら――みんなワイワイ時間もかなり過ぎていた。ってやつですね。もう夕方だよ。である。
まあ確かに、お店へと来たのが――13時半過ぎと。ちょっと遅めだったのでね。
そこからワイワイしていたら――か。などと俺は思いつつ。難波先輩。ごちそうさまです。と今はなっていた。
そういえば、途中で七菜が「ここでゆっくりする時間があるなら――実家に行って帰って来れたんじゃないの?」的な事を難波先輩に言っていたが――うん。まあできなくはなかっただろうが。あれだよ。長距離移動してきてのさらに長距離移動は大変だったんだよ。と俺は聞きながら思っていた。
いや、難波先輩が居なかったらこの美味しいランチはなかったのでね。付く側を間違えないように――というか。下手に何も言わないというやつですね。七菜の声はこちらまで聞こえてはいたけど――。
ちなみに後半は柊がバクバク肉を食べていた。
はじめは斎宮さんのお相手しつつの難波先輩と話し続けてましたからね。一人ちょっと遅れてバクバクしていた。
ちなみに俺の横では――。
「ちょ、宮町先輩」
「七菜ちゃんマッサージ」
「いやいや私がされてます。って食べたばかりですから。くすぐったいの禁止です」
何かしていた。うん。海織が七菜をクッションのように捕まえていたので……。
「海織」
「どうしたの?」
「食後はゆっくりしてください」
「じゃあ七菜ちゃんもふもふしていればいいかな」
「だから」
「嘘嘘。じゃあ楓君にもたれよう」
そう言いつつ海織が寄ってきた。すると解放された七菜が呆れた表情で――。
「……何してるんですかね。この先輩方」
「—―一応七菜を助けたつもりなんだが」
「いや、イチャイチャ見せ始めましたので」
「海織がね」
「えー」
うん。特にお昼なのでアルコールとか無いんですがね。美味しいもの食べたからみんないい気分のようです。って――そういえば斎宮さん静かだな?と思いつつ斎宮さんが居た方を見ると――。
「—―調子乗った。美味しくて食べすぎたー苦しいー」
「……」
大変苦しそうにしてました。はい。動けないという感じですね。なので俺は海織に声をかけた。
「海織。斎宮さん苦しそうですが?」
「あっ、ホントだ。沙夜ちゃん食べてたからね。ちょっと楓君が悪戯して来いっていってるからしてこようかな」
「何も言ってませんからね?」
「沙夜ちゃん。楓君がくすぐって来いって」
ホント勝手に何かが進んでいくだった。俺一言もそんなこと言ってないのに、と思いつつ。
「言ってないから!」
ちゃんと言ったのだが――まあ海織、斎宮さんコンビですので……「楓くんがいじめてくるー」という楽しそうな声がすぐに聞こえてきました。
「斎宮さんも聞こえてたよね?」
俺がつぶやいていると七菜が――。
「……賑やかですね」
「難波先輩よりかは――だと思うけど」
俺は七菜にそう言いながら――なんか先ほどからお店の店主を巻き込み楽しそうに話している難波先輩を見ると――。
「まお兄ちゃんは、ああいうタイプですから。はい。私は気が付かれないようにこっそりです」
「バレバレな気もするが――って一緒に居る時点で目立つというか」
「—―ですよねー」
まあとりあえずそんな感じで、時間はさらに過ぎていき――それからしばらくして解散となった。
当たり前と言うか。自宅の近い柊、斎宮さんとはお店で解散した。
あと難波先輩は――どこかに行くとか言い。いつの間にかお店の前に呼んでいたタクシーで消えたのだった。そのため菰野駅に向かったのは――。
「食べたね」
「食べました。夜ご飯いらないですよ」
俺と今は俺の前を歩いている七菜と海織の3人となっていた。
俺達が菰野駅へと戻って来たのは17時前。それから少し駅で話していると17時06分近鉄四日市行きの普通電車がやって来た。
今日は特に電車の時間を気にしないで動いている割に、いい感じに電車に乗れている俺達だった。うん。待ち時間が短いって良いんですよ。はい。
そして電車に揺られること数分。17時16分伊勢川島駅へと戻ってきた。
3人でアパートの方へと歩く――って、海織は本日。こちら見たいですね。まあこれはもういつもの事ということでまとめて――特に触れずというやつです。
アパートで七菜と別れて、俺と海織は部屋へと戻ったのだったが――部屋に戻り気が付いたことがあった。
「あっ、斎宮さんの荷物結局そのままだ」
部屋へと帰ってきてすぐ俺は斎宮さんのお荷物がまだ部屋にあることを思い出したのだった。
「そういえば沙夜ちゃんこっちまで来なかったからね。そのままご飯食べに行ったから」
「2人の謎な行動ね。来てすぐに戻る」
「ホントだね。わざわざ電車乗ってきたのにまたすぐに戻るだったね」
「ってか――あれ?なんで2人はこっちに来たんだっけ?」
「えっと――楓君が呼んで――でしょ?あれ?なんで呼んだんだっけ?」
「うーん。呼んで――って」
そこで俺はもう一つ思い出した。
そうだよ。難波先輩が持って来たお土産がたくさんあるから分けるために、柊を呼んだんだよ。そしたら斎宮さんも――ってか、難波先輩が身軽だったってことは――お土産は全部お隣に――と俺が思いつつお隣の部屋の方を見ると――。
ピンポンピンポン。
ナイスタイミングというのか。俺の部屋のインターホンが鳴ったのだった。
それからの事をザックリ話すと。
難波先輩が持って来たお土産はすべて七菜の部屋にありました。
さすがにこのままだと無くならないということで――3人で持って。また駅へと行きました。そして電車に乗りました。柊の家に置きに行きました。と、言うことがあった。
うん。あれだ今日は短距離移動が多いというか。同じところばかり電車に乗ってる人が多いというか――まあ無駄に多く電車に乗る日でもあったのだった。
って難波先輩。お土産の量は考えてください。だったな。うん。同じもの大量とか――大変でしたよ。ってか大変そうでしたよ。柊が。うん。どこに配ろうか。悩んでましたからね。
ちなみに、何かを嗅ぎつけたのか。海織が連絡したのか。斎宮さんもすぐに柊のところへとやって来ていたが――さすがに満腹だったのか。一部お土産をゲットのち――大人しくしてましたね
あれですよ、普段なら女の子3人で話しながらお土産食べる。みたいなことになりそうだったが――さすがに今日は開催されませんでしたとさ。
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