第499話 6人も居る3
「ほっほっほー、みんなこの後は帰るみたいじゃの。じゃあの。たい焼き代としての。この部屋片づけるの手伝ってくれんかの?」
「「「「「「……」」」」」
たい焼きって――いくらかな。
うん。
今回のたい焼きはかなり高くついたみたいです。はい。
まあでも全員ほぼ食べ終えているので――これは藤井寺先生の勝ちですね。と俺が思っていると――。
「あっ私次の時間講義ありますので――」
「ほっほっほー、気を付けての難波さん」
「はい。ごちそうさまでした」
七菜逃走。うん。まあ七菜は講義あると言ったのでね。無理には引き止めれないか。
「えっと――片付け?」
するとフリーズしていた4人の中ではじめに声を出したのは柊だった。
「そうじゃ、この部屋箱とか多いじゃろ?」
藤井寺先生がそう言いながら部屋の隅などを見る。
うん。普通にゼミで使うだけなら――まあ隅っこに箱が積まれていたり――ちょっとあふれかけているのもあるが――まあそこまでこの部屋が散らかっている。ということはないのだが――うん。ないけどね。まあよくよく見ると――そういえば箱とかプリント多いな。だった。
「大学からの。少し片づけるように言われての。じゃがの。1人じゃ大変での。ちょっと手伝ってくれんか?」
「これは藤井寺先生に上手にたい焼きでつられたね」
海織がそう言いながら帰ろうとしていたので、手に荷物を持っていたのだが。それを机の上に置いた。
それを見て俺も持っていた荷物を置く。まあ片付けくらいなら――なんでね。パパっとやった方が早いだろう。である。
「たい焼きが高かった。まあ食べたから運動かなー、って私スカートだから動きにくいんだけど――」
本日ロングスカートの斎宮さんがそんなことを言っていたが――あれ?俺の記憶があっていれば……少し前に柊に蹴りを入れつつ潰す。ということをしてなかっただろうか……と俺が思っていると。
「沙夜に動きにくい服装をさせたところで別に変らないな。うん。別に見えようが蹴とばしてくるからな」
「よし。柊。喧嘩だ」
「斎宮さん。お片付け終わってからで」
「あー、まあ外で蹴とばす」
「はぁ……」
「いつも通りだね」
「ホントだよ」
俺と海織が言うと――。
「ほっほっほー、での。この箱は――ほとんど中身不要じゃの」
「藤井寺先生—―貯めましたね」
「ほっほっほー」
「褒めてないので」
藤井寺先生がちょっと貯めたことの自慢?をしていたので、俺はそんな返事を言っておいた。うん。これ――いらないなら、すぐに捨てるとかでここまでたまらなかったのに――と俺が思っていると、海織が既にしゃがんで中身を確認しだした。
「あー、今までの学生さんの――資料かな?」
「そうじゃそうじゃ。一時期生徒が多くての。毎回大変じゃった」
何年分あるんだろうか。と俺が思いつつ見ていると。何か箱の後ろに本が見えた。うん。これ―—箱の後ろに相当な数の本が隠れているんですが――と俺が思いつつ藤井寺先生を見ると……。
「ほっほっほー、そうじゃ、本が後ろにあったの。それも――並べてくれんかの」
「ははは――これ時間かかりそう」
それからの事を話すと。
藤井寺先生が軍手を持って来てくれて――。
俺は積まれていた本を発掘。ではないが――まあでも発掘だな。
箱の後ろに積まれていた本を発掘して――とりあえず机の上に。
そして斎宮さんが俺が出した本を確認。いや藤井寺先生がね。もしかしたら図書館の本が混ざっているかも。とか言っていたのでね。うん。
いやいやかなりの期間借りていることになりませんか?と俺が思いつつ本を出してると――出るわ出るわ。すぐに図書館の本が10冊は出て来たのだった。
まあその他の本。図書館以外の先生の私物は、ちょっと汚れがある本もあったが。斎宮さんがささっと拭いて――この部屋の隅にある棚。うん。一応収納棚。みたいなのがあるのでね。そこに並べていった。
そして海織は一番初めに箱。プリント類に手を付けたので、それをそのままやっている。
海織が箱の中身を確認して――まあ藤井寺先生曰く必要なものはない。だったが。でも一応確認しつつ。海織が確認したものはそのまま柊のところへ。
柊はというと。俺や海織から飛んでくる。ゴミ。または紙の山を並べて――またはゴミ袋に入れて――ゴミ捨て場へと運ぶ。ということをしていた。
「俺だけなんか扱いおかしくね?移動距離めっちゃ長くね?あと。ゴミ捨てに行くと一気にまたゴミが溜まっているんだが――どうなってるの?この部屋」
そんなことを言っていたが――まああれだ。分担制というか。役割分担が自然と出来たのでね。そこに居た柊がハズレかと。という状況であった。
そんな作業がしばらく続くと――。
「終わった。うん。本終了」
「いやー、私ホコリまみれの中頑張った!」
「なんか気が付いたら本が綺麗に並んでいる」
「でしょー。頑張った。で、後は図書館?」
「まあそれは藤井寺先生にお願いかと」
俺と斎宮さんの方の作業が先に終わったのでそんなことを話していると――。
「ほっほっほっ。じゃ加茂君。斎宮さんはわしの部屋も頼むかの」
「……楓くん。早く作業終わらしたのミスじゃない?」
「そんな気がしてきた」
「ほっほっほー」
はい。俺と斎宮さんは藤井寺先生とともに先生の部屋へと移動することとなりました。
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