第496話 続・ボウリング14
賑やかな食事は終了した。
店内は周りもにぎやかだったこともあり。俺達もかなり楽しんでいた。
まあさすがに外に出ると――静かになったというか……うん。軽いんだが……なんか重りが俺には付いていた。
「……海織。わざとでしょ?」
「うん」
「即答」
俺はくっついてきている海織がこけないように一応注意しつつ――まあそんな話をしていた。
ちなみに俺の前では……。
「七菜ちゃん七菜ちゃん」
「お断りします」
「だからなにも言ってない」
「酔っ払いの人の相手はしたくないです」
「寄ってないから」
「お酒臭いです」
柊と七菜が何か言いながら歩いている。
あー、そしてもう一人。斎宮さんは――こちらに居ます。
「楓くんなんで私捕まってるの?」
「—―さあ?」
うん。俺にくっついている海織が斎宮さんの手を握っているため斎宮さんは自然と海織の横に居ます。
うん。酔ってないと言っているが……結構自由に海織を飲ませていたので……もしかしたら――うん。という感じだったが……まあ斎宮さんは特に嫌がっている様子はないので、そのまま海織を連れて行くのを手伝ってもらおうとしている俺だった。
そして後ろがこんな状況なので、一人余ったというか……柊の相手をすることになった七菜が――一番大変かもしれないが――まあうん。とりあえずそんな感じでお店を出た後俺たちは近鉄四日市駅へと向かったのだった。
駅は近いのですぐに到着した。
そして――俺にもたれている。くっついているお方は――1人で帰るとは思えないのでこのまま連れて行く事になった。まあ普通に歩けるみたいなんだけどね。周りにご迷惑を――はなんでね。
そういえば駅に着いたら斎宮さんが解放されたため、今は柊のところに斎宮さん。七菜が居る。
って――なんかずっといい香りがする俺の横――って海織近い近い。
「海織。何してるの?」
「楓君の浮気チェック?」
「何をいきなり始めたのか。それも駅で」
「いやー、さっきから楓君の横に行くと、七菜ちゃんの香りがするなーと」
「それはさっき海織が七菜を俺と海織の間に座らせたから。かと思いますが――」
「記憶にないなー」
「あるよね?」
うん。俺のお隣さん大変です。はい。
とまあそんなこんなしながら、俺は海織が他の人にぶつからないように――改札を抜ける。
既に前を歩いている3人は――うん。こっちは気にしてないというか。付いてきていると勝手に思ってますね。まあ付いて行ってますが――。
改札を抜けて、次の湯の山線の時間を確認してみると。
「56分か。ちょうどよかった」
次の湯の山温泉行きの普通電車は22時56分。現在時刻が50分を過ぎたところなのでちょうどいい感じだった。
俺達5人はそれからホームへと向かい。既に止まっていた電車に乗り――最後尾の車両に空きがあったため。そこに女性陣3人を座らせたのだった。うん。男性陣はいつものように立ち席です。
そして少し車内で話していると、電車は発車時刻になった。
22時56分近鉄四日市駅発車。気が付いたらそこそこの乗車率と周りはなっていた。それから電車に揺られること少し。
「じゃ、楓また」
「うん。また」
「またねー。沙夜ちゃん」
「海織ちゃん七菜ちゃん。私もそっち行きたい」
「斎宮先輩は、菰野では……?」
「沙夜はこっち――いや、待てよ。楓。持ち帰ってくれ……」
「その余裕はありません。でわ」
何か斎宮さんまでこっち。となりそうなことは何とか回避をして、俺は海織と七菜と伊勢川島駅に降りたのだった。
時間は23時07分うん。今日は1日長かったな。
はい、とりあえず無事に伊勢川島駅には到着した俺と海織、七菜だった。
そして車内でなんか言い合っていた柊と斎宮さんを見送り――家へと向かう。伊勢川島駅の改札を抜けて少し。
「—―あれ?そういえば普通に宮町先輩こっちなんですね」
自然な流れ過ぎてか。七菜は今海織が付いてきていることに気が付いたらしい。
「なんですよね」
「楓君が無理矢理だねー」
「誰かに迷惑かけるとですからね」
「……加茂先輩って――保護者」
「その言い方はなーうん。でも似たようなことをしている気がしてきた」
「楓君はパパになりたいと」
「海織。それは誤解を与える可能性があるので普通に言わないように」
「えー、なんでかな?なんでかな?」
海織がニヤニヤと近寄ってくる。
「……」
「加茂先輩。宮町先輩はお酒入ると――さらに大変なんですね」
「大変なんだよ」
「パパになりたい楓君。なに七菜ちゃんとコソコソしてるのかな?」
「真横に居るから聞こえたよね?」
「……加茂先輩。ファイトです」
「……」
「あっ。七菜ちゃん後でお風呂入ろうか」
「何で!?」
「あれ?七菜ちゃんは楓君利用料の支払いがまだ残ってるよ?」
「まだあったんですか!?」
「……」
うん。伊勢川島駅から家までの数分の移動だったが――うん。なかなかにぎやかだった。
いやまあ……いいか。うん。とりあえず何かいろいろ言いながら帰ってきたのだが――うん。家に到着すると海織は着替えやらを持ってそのまま七菜の部屋へと向かった。うん。悲鳴が聞こえていた気がするが――うん。そっとしておきました。はい。
そしてその後のことを言うと。海織は帰って来ませんでした。
一応少しは待っていたんだけどね。帰って来る雰囲気が無かったので――俺はゆっくりと1人で休みました。はい。今日はいろいろあったんでね。うん。
翌日七菜がぐったりしていたのは――はい。翌日の事なのでね。
今日は終わり。うん。終わった。である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます