第455話 後輩と登校5
「本当にポストみたいですね。ってたくさん……」
課題などの提出場所を見つつ七菜がつぶやいた。
「まあ場所を間違って入れないように」
「ですね。今も友達と同じこと言ってました。全部同じですからね。なんかマンションとかにあるポスト見たいって」
「あー、なるほど。確かにそうだな」
現在俺と七菜は課題等の提出をする場所へとやって来ている。
俺は――既に何度も通っている場所だが。七菜は初めてなのでね。
ってか。七菜と同じというか。ちゃんと課題が出た翌日に提出に来た同じ学年の人がたまたま来た時に居たらしく。七菜は同級生の子と話して……少し前に俺の方へと戻って来たところである。そして今。課題を提出し終えたところである。
「ってことで。先輩。朝からありがとうございました。そしていろいろお話もありがとうございました」
「いや、大したことは言ってないが――」
「いやいや、役立ちそうな話ばかりでした。サークルに関しては……他の子に聞こうかなー」
「柊が絶対選択肢に出てこないという」
「先輩?まだまだ愚痴聞いてくれますか?」
「……短時間で何をしたらそんなにどんどん出てくるのだろうか――」
「それは白塚先輩に言ってくださいよ」
「……確かに」
俺と七菜はそんなことを話しながら建物を出て……講義棟へと向かった。
って同じ科目ではないので――。
「じゃ、七菜」
「あっ、そうですね。またです。先輩—―—―って先輩先輩」
別れようとしたら七菜に呼び止められた。
「うん?」
「先輩は一限で帰りですか?」
「えっ?あー、うん。今日は帰りだね」
「じゃあお昼とかはどうするんですか?」
「お昼?まあ……帰るかな?海織が家に居るみたいだし……部屋をあさられないかも心配だから……」
「そうなんですかー」
「何かあった?」
「いえ。昨日私たちが食堂に行く時に斎宮先輩と先輩ベンチに行くとか言っていたじゃないですか」
「……あー言ってたね」
うん、昨日の出来事を俺が思い出していると……って昨日の昼前は――目立ってたな。うん。柊と斎宮さんが。とまた思い出して――って3度目の正直。これはまだの話。って――俺はまたまたまた何を言っているのか……まだ目が覚めてないのか……と余計な事を考えていると――。
「私もその場所教えてくださいよ。行ってみたいんですよ」
「いや、普通に大学内にある場所なんだが……」
「今日そこでお昼食べたいです」
「……俺…一限だけ」
「宮町先輩に連絡したらいいですかね?」
「俺貸し出し制なの!?」
「ダメですか?なんか雰囲気的に今日のお昼は昨日居た子たちが居るかわからないんでー。どうしようかと思っていたんですよ」
「……」
「ってことで、先輩。メッセージ確認しててください。宮町先輩に聞いてみます!」
「あっ、ちょ」
「じゃ、とりあえず講義に遅れるとなので、ここで」
そう言いながら七菜は小走りで講義棟の方へと消えていった。
「……」
うん。何か俺—―。
一限が終わっても帰れないのかな?どういうことかな?ってなんで貸し出し制?みたいなことになっているのかな?と思いつつ俺も時間がギリギリになってきていたの講義室へと急いだのだった。
――――。
えっと――その後の事を話しますと……。
一限の講義は俺真面目に受けました。何気になかなか面白いというか。
はじめての先生だったのだが。なかなか楽しい講義でした。はい。
そしてさて帰るか――と思った時に七菜の言葉を俺はちゃんと思い出しまして……。
一応スマホを確認すると――2つメッセージが来ていた。
「先輩!OKです。お昼休みにそのベンチで待って居てください!」
という七菜からのメッセージと……。
「楓君七菜ちゃんが楓君に甘えたいから貸してー。って連絡来たからOKしておいたよー。あっ、あと――七菜ちゃんのお昼ご飯も待っている間に買っておいてあげると喜んでくれると思うよ?あっ。ちなみに晩ご飯パエリア作ろうと思ってるからー」
うん。前半部分は海織の妄想だろうな――と思いつつ。
なんかまた俺の知らないところで女の子二人のやり取りがあったらしく……って七菜いつの間に連絡したんだよ。講義は!?なのだが……まあパパっとあれから送ったら――か。と俺は思いつつ。
どうやら海織は俺の家に居座り続けるらしいので……。
「晩ご飯了解です。ありがとう」
と。海織に返事をしておき。七菜にはスタンプを送っておいた。
うん。ということはですね。俺—―今から90分くらい暇なのですが――。
ということになったので……まあうん。気候的には外で待っていても問題無さそうだったので俺は早々とベンチの方へと移動して――今日もベンチの近くは空いていました。はい。ここはいいところだよ。うん。
まあしばらくはベンチでスマホをいじりつつのんびりとということになった。って、まるでこちらの行動を予想しているのか。俺がベンチに着くと……。
♪♪
「うん?」
スマホが鳴った。俺がスマホを取り出して確認してみると……。
「楓君ちゃん大学居る?」
うん。確認メッセージまで海織から来たのだった。なので――。
「居ますから」
と。返事をすると――うん。次は電話がかかって来て……まあうん。しばらくの間いつものベンチで俺は海織と電話で話すことになったのだった。
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