第453話 後輩と登校3
現在七菜と大学へと向かって電車移動中である。
「朝からイチャイチャしてましたね」
そしてそんなことを目の前に居る七菜に言われたところでもあった。
って――朝からなんか七菜も楽しそうな顔してるな――と俺が思っていると……。
「無視されました」
いや、無視はしてませんよ。ちょっと反応に困りましたが。と俺は思いつつ――。
「いや。走行音がね」
「いやいや先輩。今駅です」
「……」
うん。ちょっとうるさくて聞こえない。聞こえなかったというスルー。という選択肢を新たに俺も作ってみようかと思ったのだが……電車は今ちょうど桜駅に停車中だった。失敗というやつだ。
いや、実際もね。周りは会話をしている人とかでザワザワしているのだが……普通に七菜の声は聞こえてきていた。だった。
うん。慣れないことはしない方がいいですね。ということで……俺は七菜に返事をしたのだった。
「イチャイチャはしてないかと……なんだけどね」
「ちらっと見ていたら――宮町先輩の至れり尽くせり状態じゃなかったですか?」
「……」
「座っていたら全部してもらえるって感じだったじゃないですか」
うん、後輩がグイグイ質問してきます。という状態だった。
「見ていたか……ってドアが開いていたから見えるか」
「見えてましたね」
そんなことを七菜と話していると、俺と七菜が乗っている電車。
湯の山温泉行きの普通電車は満員状態で桜駅を出発したのだった。
まあそんな満員電車の車内で俺と七菜は……その後も雑談である。うん。
「それは何というか……朝から余計なものを見せたというか……いや、ってかうん。何であんなことになったのか――」
「朝から幸せそうな事です」
「……何も聞かされてなかった俺はバタバタの朝。でもあったんだけどね」
「いやいやなんやかんやで先輩。優雅な朝じゃないですか?」
「—―そう?」
「宮町先輩が全部準備してくれていたんですよね?私も作って欲しいですよー」
「……貸し出しましょうか?」
「いいんですか!?」
おっと、ここでもしかしたら過去一?の目の輝きをしている七菜だった。
あれか。まだちゃんと大学生活がはじまって数日だが……既に疲れたというか。うん。まあね。1人暮らしだと全部自分でしないとだから……か。と俺は思いつつ。
「……海織も忙しいときは忙しいと思うけど……今日みたいに時間ある時は――だと思うからね。前よりは時間に余裕あると思うし」
「じゃ、帰ったら先輩が。宮町先輩自由に使って良いって言ってました!で相談しますね」
「言い方。ってか、七菜も海織に近くなっているような……」
うん。海織と七菜はよく一緒に居るからだろうか……なんか七菜も海織に近くというか……うん。どうなるの?これ。ということを俺は思いつつ
電車に揺られながら七菜と話していたのだった。
ちなみにカーブや駅に止まる時などのブレーキの度に七菜に攻撃をされていた。
うん。七菜よ。手すりを持ちましょう。ってやつなんだけどね。何故か七菜は俺を掴む棒というか。うん。掴む場所にしていた様子です。はい。俺の目には通路。連結部分のドアの両サイドに掴まる棒。まあ掴むところが見えているのだが……何故かそれは掴まない七菜だった――。うん。何で?だったな。
ってか立っている時はちゃんとつり革とか持ちましょうである。
七菜は……うん。今俺が行った棒。ドア付近とかにもあるからね。それを持ちましょうだよ。うん。
――決してつり革は届かないだろう。とは思ってない。うん。それに七菜……頑張ればつり革届きそうだし。うん。
――まあそんなこんなで08時41分。
俺と七菜が乗っていた電車は湯の山温泉駅へと到着して――一気に車内は空いたのだった。駅に到着してドアが開くと一気に人が外へと吐き出されていきました。はい。ってか一部急いでいる人もいたのか。ドアが開くと同時に全速力疾走していく人も数人居た。
「ふー、やっと新鮮な空気です」
「まあ確かに新鮮な空気かも。山に近いし」
ちなみに俺と七菜は一番最後に電車から降りた。というか。最後しか降りれなかったというね。
出口から一番遠いところに立っていたので……まあ前の人がが降りないと降りれない。という状況だったんでね。ゆっくりと話しながら外に出ました。
「あっ、そういえば目の前が山ですもんねー」
「そして大学もそこそこいい山登りという」
「ですよねー。オリエンテーションと昨日だけでもう嫌になってきました」
「ははは……って七菜。4年間あるぞ?」
「あー、まあ慣れると思いますが」
「まあうん。慣れると言えば……慣れるな」
うん。
俺は今から歩く大学への坂道を見つつ言った。
ちなみに俺たちの前には学生がぞろぞろと歩いている。ってまあ俺と七菜もそこを今から歩くんだがな。大学への道は基本そこしかないんでね。
まあ車とか――ってそういえば今更かもしれないが。車で来ている人っているのだろうか?自分が車を使ってないから全く気にしてなかったが……どこかに駐車場あってあるの?うん?難波先輩が車で乗り付けていたのは……行事。イベントの時だしな。普段は……どうなのだろうか?
いや、まさかの4年も居て知らないこと――ってまあ自分に関係ないことだと知らないまま卒業ってこともあるか。うん。あるだろう。と、俺はちょっと気になることが浮かんだりしていたが――。
「……とりあえず、行くか?寄り道もするみたいだし」
「あっ、はい。行きましょう」
俺と七菜は集団の最後尾あたりで大学へと歩き出したのだった。
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