第412話 ラーメンの日4

「美味しかったー。満足!」


俺の横で海織がそんなことを言いつつお腹をさすっている。まああれだけ食べたらな……と俺は思いつつ。


「だね。スープがずっと飲めるってか。美味しかった。あと麺がすごくよかったかな。うん。もちもちでスープも絡んでいたし」

「うんうん。野菜もたっぷりで良かったねー。あとから揚げも美味しかったね」

「うん。ってか中で、あれだけから揚げが乗って来るとは思わなかったけど……うん。満腹だね」


現在俺と海織はラーメンとから揚げを食べ終えて会計を終わらしてお店の外へと出たところ。


余談だが。俺と海織が頼んだから揚げには小、中、大、特大のサイズがあったのだが……中で8個もお皿に乗って来たので……特大はどうなるのだろうか……と思っていた俺だった。うん。お店の利益的に大丈夫なのだろうかとも。食べながら考えてしまった。


でもまあとりあえず。お昼ご飯も食べたし……この後は帰ることになるか。

と、俺が思いつつ白子駅の方へと向かおうとすると……。


――ギュッギュッ。


うん。なんか服を引っ張られましたね。なんだ?と思いつつ。俺が立ち止まると……。


「楓君楓君。お腹いっぱいになったことだから。ちょっと運動してJRで帰ろうよ」

「……はい?」

「運動」


そう言いながらその場で足ふみをする海織。


「うん?」


俺がどういうこと?と思っていると海織はスマホ片手に……ってスマホを持っていない方の手で俺の手を掴んできて……白子駅とは真逆の方向へと歩き出したのだった。


「えっと。あの……海織さん?どちらへ?」

「うん。さっきね。このあたりの地図見ていたら、しばらく歩いたらJRの駅もあるなー、ってことで歩こうかな?って、楓君この後も時間大丈夫だよね?」

「もう俺が予定なし確定で物事が進んでいるという」

「本当は七菜ちゃんのお相手がー。と思っていたんだけどね。さっき楓君が今日は七菜ちゃん1日留守って言っていたから。ならこの後もいいかなー。って」

「……もしかしてお店で料理が出てくる前に見ていたのって……」

「そう。ここからJRまでをね。歩ける距離だと思うよ?」

「……マジですか」

「うん。行こう!たくさん食べたから、動かないとね。ほらほら」


はい。

ということで突然お散歩が始まりましたね。ってJRで帰ると海織は言っているが……JRだと楠駅には帰れないんですけどね……それに四日市も結構近鉄四日市駅とはJRの駅は離れてるんですが……とかとか俺はいろいろ思いつつ。海織に引っ張られていくのだった。


……。

……。

……。


それからしばらく。


「……結構歩いてるよね?」

「だねー。いい運動」

「もうすぐ1時間くらい歩いてるかな?」

「そうかな?もしかしたらそれくらい歩いているかも」

「……海織は全く疲れていないみたいだけど。はい。歩いてると思います」

「まあまあ、話していたらあっという間だよ」


うん。確か俺の記憶があっていれば、海織とともにラーメン屋を出たのは14時前だった気がするのだが……うん。それから白子駅。近鉄線とは場逆の方向に話しながら俺達は歩いているのだがね。


まだJRの駅には到着していない。

ちなみに海織が地図で調べて、今俺たちが向かっているのはJRの鈴鹿サーキット稲生駅。らしいのだが……って訂正。

多分この駅は……JRの電車も走ってはいるが……伊勢鉄道の駅だと思うので訂正しておく。うん。俺の記憶があっていればだけどね。ほとんど乗らないから怪しい記憶なんだけど……多分大丈夫。うん。


まあそんな感じで駅に向かって歩いているのだが……。


――遠い。


ホント遠い。そしていい運動を俺たちはしていた。


まあ途中でコンビニに寄ったりということもあったから時間がかかっているのかもしれないが。それにしてもホントいい距離を食後に歩いている俺と海織だった。


すると……。


「あっ、あれかな?」


俺がいろいろと思っていると海織がやっと目的地の駅を発見した。

うん。俺と海織は何とか目的地の鈴鹿サーキット稲生駅には到着しましたよ。である。


鈴鹿サーキット稲生駅は、白子駅から見るとかなり小さな駅……って無人駅だった。駅舎はなく。ホームのみの駅だった。


ちなみに駅の名前からして。サーキットの最寄り駅になるため……まあ大会など。レースがあると賑わう駅なので、名前だけは俺も知っていた。

というか海織がね。どの駅に向かっているか俺は知らなかったので……まあ駅名を聞いたら思い出しました。というやつですね。


まあとりあえず。何かある時は賑わう駅なのだが……今日は何もない日なので。とっても駅は静かだった。うん。誰も人が居ない状態だった。


「やっと着いたー。ってこれ電車次は……何分?」


ホームへの階段を上がり終えると俺は海織に聞いた。


「あっ、電車の時間見てなかった」

「……」


うん。駅に着いてすぐ。海織が苦笑いをしていた。この駅の雰囲気からして……。電車がたくさんある感じはないんですが……と思いつつ。俺と海織が時刻表を見ると……。


あっ、ちなみに現在は15時05分だった。時刻表を見る時に現在時間は大切なんでね。報告しておく。


「えっと……14時は……58分だ。って、いったばかりということは……15時15時……うん?」


俺が時刻表を見ていると……14時台には58分の電車があったのだが……15時台は……白紙だった。


「あらぁ……まさかの」


隣では海織が驚いているが……うん。時刻表のところが白紙ということは15時台電車ないじゃん。である。


次この駅に来る電車は……。


「……16時00分発か」

「1時間あるね」

「……マジかー。ちょっと歩いたらお店はあった気がするけど……」

「さすがに疲れたね。結構歩いたから」

「海織が言い出したよね?」

「てへへー。予想より長かった」

「はぁ……長い待機時間なこっちゃ」

「まあまあゆっくり待とうよ」

「まあそれしかないね」


はい。俺と海織は鈴鹿サーキット稲生で1時間弱の待機となりましたとさ。


電車に乗る時は電車の時刻もちゃんと確認しましょうだね。

うん。都市部みたいにどんどん電車が来るなら良いのだが……こういうところはね。うん。特に確認大切ですよ。だな。

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