第411話 ラーメンの日3

結局というのか。俺は近鉄四日市から津新町行きの普通電車にずっと乗っている。楠駅で海織が乗り込んできたんでね。降りるということが無かったので同じ電車で移動してきた。


まあ相変わらずというか。

俺がどこに乗ろうとしている……っていつもはあれか。海織が電車に乗っていて。俺が待っている場所を当ててくる。だったが。今回は違ったか。

俺が電車に乗っていてそこに海織が待っていたか……うん?あれ?でも、もしかして……これって奇跡的に俺が海織の待っているドア付近に居たって可能性もあるのか。

いやでも……ここ数年の朝ね。うん。海織が完璧に当ててきていたので……海織だな。うん。海織が良い勘をしているというか。俺の行動を読んでいるのだろう。うん、そういうことにしておこう。


俺がそんなことを思っていると、俺と海織が乗っている電車は白子しろこ駅にまもなく到着するらしく減速を始めた。


12時27分。

俺と海織を乗せていた電車は白子駅へと到着した。

この駅で急行と特急に連絡する為しばらく停車するが。俺と海織はこの駅で降りるため……ドアが開くと改札の方へと向かって歩いた。


「で、海織。どちらに?」


改札を抜けてから俺が聞くと……。


「えっと……どっちだっけ?」

「ちょちょ――」

「嘘嘘。えっと。こっち」


うん。今日も海織はご機嫌みたいですね。はい。

テンション高めと見た。

まあとりあえず俺はそんな海織に付いて行く。


駅前のロータリーを抜けて……しばらく俺と海織は歩く。


「でもなんかあって今から行くお店にしたの?」

「うん?まあこれが目当て!ってより……調べている時に出て来たから。知らないお店でもしかしたらすごいラーメンに出会えるかもじゃん」

「……つまり。目についたお店に行くと」

「まあそういう事ー、でも調べているとおいしそうだったよ?私のお目当ては野菜ラーメン」

「健康的で」

「温野菜ラーメンだっけ?どこかで食べたんだけどそれが美味しくてね。迷ったら野菜ラーメンだよ。うん」

「ちなみにお店の名前すら知らない俺は……お店に言ってから決めるか」


うん。お店の名前がわかれば……まあ歩きながらメニューを見れたりしたが。海織は……。


「まあまあ。もうすぐ着くからさ。お店でゆっくり考えてよ」

「そうします」

「うんうん。あっ!あの看板だと思うよ」


歩きあがら海織が指を刺した。俺は海織が指差す先を見て……小さな看板は見つけたのだが……。


「……地味に距離なくない!?」

「そうかな?」

「うん。看板小さくないかな?ってことは……そこそこ距離あるのでは?」


歩いていると海織が目的地のお店の看板を見つけたらしいのだが……うん。一応俺にもラーメンという文字の看板は今見えているんだが。

どう見てもまだ先というか。看板が小さいだけならいいのだが……まだ距離がありそうな……という感じだった。


結局それから俺と海織は看板は見えている。そして旗はもなびいているのはわかるが……うん。しばらく歩いてやっとお店へと到着したのだった。

地味に遠かったというやつですね。


なおお店はお昼時ということもあってから。少し並んでいたため。俺と海織はしばしその列に並び待機となった。


「人気にお店だったんだね」

「だね。女の人も多いし」

「確かに」

「あっ、楓君メニューそこにあるよ」


順番待ちをしていると海織が壁に貼られたメニューに気が付き俺に教えてくれた。

メニュー数は……まあ普通だが。多分太文字で大きく書かれている普通のラーメンやチャーシュー。野菜などが人気なんだろうな。ってか……から揚げをめっちゃ押していた。うん。から揚げだけめっちゃ派手に宣伝していた。

っかそういえば最近はから揚げ専門店とかよく見るし……うん、から揚げブームなのか。とか俺は思いつつ……。


「ここはシンプルに。普通のラーメンかな。あとなんかめっちゃ押してる唐揚げを……中で頼むか」

「あっ、楓君。私にもからあげちょうだい」

「まあそこそこあると思うからいいけど」

「やった。あっ、そろそろ呼ばれるかな?」


海織がそう言うと俺たちの前に居た人が呼ばれて……すぐに俺と海織も呼ばれた。


テーブル席がへと案内された俺と海織。

再度今はメニューを見ているが……まあもう決まっているようなものだったので、すぐに店員さんを読んで……。


「ラーメンと。野菜ラーメン、から揚げ中を1つずつ」


俺が頼むとすぐに店員さんは復唱のち忙しそうに厨房へと消えていった。

とか思っていたら。他のテーブルの人の料理を持って出て来た。うん。やっぱりお昼時は大変だよな……と俺が思いつつ店内の様子を見ていると……。


「……」


海織がスマホとにらめっこをしていた。なんかちょっと必死?に画面を触っているような……うん。まあ誰かからメッセージとかがあったのだろうと。と俺が思っていると……。


「うん?どうしたの楓君?」

「あー、いや。なんか必死だな。って」

「ただ地図見てるだけだよ」

「地図?」


うん、メッセージではなかったらしい、って……何でラーメンを待っているこの段階で地図を確認しているのだろうか……と俺が思っていると。


その時ちょうど料理が俺たちの前に運ばれてきたのだった。

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