第393話 ~過去~ 楓の好きな時間12

昔の時刻表を眺める。うん。まだ続いています。


ページは進んできて……現在は京都あたりの時刻表を俺たちは見ている。


「あれ?楓君。これえっと……地下鉄だっけ?乗り入れって国際会館までじゃなかった?」

「うん?えっと……あー、国際会館?行きだったかな。なんかうん。そう言えば京都行きの他に国際会館行きを見たことあるような……」


時刻表を見て言うと急に海織に言われたので京都線の事を思い出す俺。うん。確かに急行で京都行きと……国際会館行きを見たような…。と思っていると。


「これ北山行きになってるよ」

「北山……どこだ?えっと……新田辺から……北山行きか。省略されているのかな?か。国際会館までこのころはまだ入ってなかった?って京都の地下鉄ってまだ確か新しかったよね?」

「あー、もしかして楓君が言ったようにまだ駅が出来てないのかな?」

「かもしれない」

「ちょっと調べてみるよ」


と。海織がスマホをポチポチと…。


「あっ。本当だ。国際会館駅って、1997年に出来てる」

「ってことは……まだこのころはなかったと」

「工事中かな?」

「1994年って少し前の事って感じだけど。その間にいろいろ出来たんだね」

「ホントだね。いろいろ発見あるね。って今度は大阪から奈良の時刻表かな?」


海織がページをめくりながら言った。


「—―あっ、そういう事か」


海織がページをめくり。今は大阪から奈良の時刻表になったのだが……それと同時に俺はちょっとそのページを見てすっきりしたことがあった。


「どうしたの?」

「いや、前のページを見ている時にね。なんか伊勢志摩行く電車も難波からじゃなくて上本町で。難波に入る電車少ないな……って思っていたんだけど……そうか。奈良から来る電車があるよね。こっちは難波行きばかりだから」

「あっ。そういえば。大阪から伊勢志摩とか。名古屋から難波の時刻表のところでは、難波まで行っている電車少なかったよね。ポツポツって感じだったもんね」


と。海織はそう言いながら少し時刻表を前のページにして……「ほら。1時間に1、2本しか書いてない」と俺に時刻表を見せつつ言っていた。


ってこの方……時刻表の味方というか……うん。ページ探すのが早いというか。うん。あれか。慣れが早いのかな?うん。とか俺が思っていたら、ちゃんと先ほど見ていた大阪から奈良のページへと戻って来た。


「もしかしたら、この奈良線?かな?こっちでも今とは違うところがあるのかもしれないけど……さすがにわからないね」

「うん。けいはんな線がまだない事くらいしか」

「あっ、生駒駅だっけ?あそここら出ている線路だよね」

「そうそう。よくご存じで」


うん。ホント海織も知識があるというか。知っている範囲が広いことで……と俺が思っていると……。


「なんかあそこの車両だけね。近鉄の雰囲気と違うというか。1回見たら覚えたかな?白とオレンジの車両じゃなかった?ちょっと丸い感じでかわいいなー。って思って覚えてたんだ」

「そうそうそんな感じだね。この辺では見れない車両だね」

「あれってなんか違うんだよね?電気?を取り入れるのが線路の横?なんか名古屋の地下鉄。東山線だったかな?なんか似たような感じだったような……」

「うん。そう言えば名古屋の地下鉄そんな感じだったね」


うん。ホント海織さんもいろいろ知ってますわ。という感じで会話は続いた。

まあでも大阪。奈良の事は2人ともあまり知らないから……しばらくけいはんな線の車両がちょっと丸い感じがあるからかわいい。という海織の語りが少しありましたとさ。


その後は平日のダイヤが終わったため俺たちは休日ページへ。


何度見ても難波から湯の山温泉に直通の特急があるという違和感というか。うん。今ではないからね。目につくというか。

その他では……やっぱり休日でも伊勢志摩ライナーは四日市に止まっていないことや……そう言えば平日の時は多分さらっと通過してしまった気がするが。この時はまだ伊賀線。今の伊賀鉄道線も近鉄だったんだよなという事を海織と再度少し話していたり……。


まあそうやって時刻表を見ていると言ったことないところがまだまだたくさんあるということで……。


「いろいろ予定立てないとね」


と。うん。海織の頭の中にどんどん今後の予定を入れてしまっていたというか…。まあうん。そんな感じで進んで行きまして……。


少しすると何故か海織の目につくのか。休日ダイヤでも平田町行きの直通電車が四日市からある。という事でまた話が始まりまして……うん。なかなか盛り上がりましたね。はい。


あと多分平日と休日じゃ電車の時間が違うと思うのだけど。まだそこまでは一度では見れなかったため。休日ダイヤの方は今のところはスラスラと進んでいる。


途中に――。


「あれ?難波から出てくる特急に桑名行きがある」


とかまあ普段見ない行先の電車があるとちょっと手を止めて……珍しい行先というか。朝晩とかは日中に見ない行先の電車があるんでね。そう言うのは2人とも良く気が付いて止まって見ていた。


「これ確かはじめの頃のページで見たから行ったと思うけど。朝の電車に桑名発の上本町行きの特急があったよね?だから……そのためじゃないかな?」

「あー。そういえばあったね。桑名から出ているし。さらに上本町行きで珍しいって」

「そうそう」


まあ所々でそんな感じで海織と話しつつ1994年時刻表を見る。はまだ続いていた。


――。


ホント俺と海織はいつ今の時刻を見るのだろうね……。

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