第390話 ~過去~ 楓の好きな時間9

飽きることなく94年号の近鉄時刻表を見ていると俺と海織。現在は――。


「楓君楓君。これ美味しそうな料理だよ。あっ松阪牛も……」

「広告をちゃんと見る。海織だった」


うん。今は時刻表の間というか。まあ簡単に言えば時刻表無いにいろいろと載っている広告?を見ている俺達だった。というか。食べ物が出てきたら海織が手を動かすのをやめたである。

あっ。料理が出てきてからまた時刻表は海織の手へと移動しています。


「だってー、美味しそうだよ?お肉だよ?お魚も」

「まあそりゃ……うん。美味しそうだね」

「ってことで。美味しそうな写真見ていたら、ちょっと小腹が空いてきたから。はい。楓君お菓子追加しまーす」

「ありがとうございます。ってこれどこから出て来た?」


海織が普通にどこからかお菓子を出してきたが……俺が知らないものだった。うん。このお方俺の部屋の中になんか別の収納庫?みたいなの作っているのかな?とか思っていると――。


「まあまあ、ってか楓君私にもっと感謝してくれないとね」

「ははは……なんかスルーされたような……ってか。そろそろお肉から離れていいでしょうか?ページが進んでないんだけど……」

「あっ。ごめんごめん。次行こうか」


うん。なんか今さらっと。流されたが……このお菓子どこから……ってまあ海織は多分自分が持って来て……俺の家のどこかに置いておいたのであろう。俺が知らないだけだろう。うん。そういうことにしておこう。


ということで、海織がフィナンシェを出してくれたので2人で食べつつということになりました。って、海織さん。俺の家になんか知らぬ間にいろいろ置いてますが……期限切れとかになって……とかは……まあ海織ならそれはないから大丈夫か。うん。やっぱり気にしない方がいいかね。ということで。隣で海織がフィナンシェを一口食べて――「うん。美味しい」と言っているのを俺は少し見つつ。俺も一口フィナンシェをいただいた。


うん。紅茶の味。アールグレイかな?これ美味しい。であった。と、そんな感じでおやつも食べつつ。まだ時刻表を見ている俺と海織だった。

それからページをめくっていくと……。


「あっ。楓君。やっと普通とか急行の表示がある時刻表になったよ」

「ホントだ。そう言えば……今までは全部特急だったんだよね。特急のページ多かったな」

「そうだね。どんだけ特急に力を……だね」

「まあ伊勢志摩ライナーも観光のためだから。そのデビューの年なら……まあ観光全面に……ってことになると思うよ?」

「確かに。ってことで、普通や急行が出てきているページは何かあるかなー」


と。言いながら海織がページをめくっていく。


「あっ、これこのあたりでは見ないけど。やっぱり大阪線の方は区間快速や快速急行の表示あるね。ってなんか今より多くない?」


早速海織のいろいろチェックが入りました。うん。すぐめくる手は止まった。


「あー、どうだろう。ちょっと大阪の方の時刻表見ないと……だけど。これ見る限りでは……多く感じるかな?ちなみに海織」

「うん?なに?」

「多分だけど。今は区間快速急行は無いよ」

「えっ?無かったっけ?なんか大阪の方で見たような……」


と。海織が考えるポーズ?をしつつちょっと考えていた。


「確かね。今は急行、準急、普通。以外は……快速急行。区間急行と区間準急だったと思うよ」

「あれ?なんか雰囲気的にありそうだけど……無かった?」

「うん。確か無かったかと。まあこのあたりは快速急行とか走ってないからあまりなじみはないけどね」

「あー、だね。普通、準急、急行だけだからね。って本当に区間快速急行って今ないの?」

「なら、今の時刻表で確認を……」


ということで。隣に置いてあった今の時刻表を俺が手に取り。はじめの方のページを見ると……時刻表ではスペースの都合だと思うが。長く書けないので2文字に省略されている列車種別の正式名が書かれていて…。


「えっと……特急、急行、準急、快速急行。区間急行、区間準急……ホントだ。区間快速急行って無いんだ」

「ってことです」

「ややこしよー。ってか特急も略なんだね。特別急行列車なんだ」


とか海織は言いながら……何故か俺の肩をゆすってくる。というクレーム?をしているが……うん。俺をゆすったところで何もないんですが……と、俺は思いつつ。海織に揺すられたまま先のページへと進んだ。


ちなみに特急と書いて「特に急がない」という列車がある鉄道もあるとか……えっ?いやちょっとそんな情報ネットとかを見ている時に得ましてね。はい。そう言う考えもあるのかー。と思っていた俺です。はい。ってこれは近鉄の事ではないので……まあそのうち……って多分触れないかな?うん。

そういえば近鉄もそんな電車あるのかな…?とか俺が思っていると……。


「あっ、ねえねえ楓君」

「うん?」


また海織に現実へと戻された。うん。俺ちょくちょくどこかの世界。自分の世界へと入ってますね。


「ふと沙夜ちゃんで思い出したんだけど」

「突然斎宮さん出てきたね」

「いや、沙夜ちゃんの実家が榛原駅だからね」

「あーそういえばそうだね」

「でさ。この頃は榛原に特急止まってないんだー。って思って」


海織がそう言いながら大阪線の榛原駅を指差した。


「あっ。確かにぱっと見……全列車特急は通過してるね。榛原って今も全部が止まるわけじゃないけど……止まるようになったの最近だったのかな――?」

「沙夜ちゃんに聞いたらわかるかもね」

「まあ「そんなのしらなーい」とか言われるかもだけど」


と。俺がなんとなーく。斎宮さんが言いそうな事を言ってみると……。


「楓君……今の沙夜ちゃんの真似?」

「……すみません。慣れないことしました」


うん。ホント変な事しちゃだめですね。事故った。というやつですかね。はい。


「時刻表見てると、楓君のテンションがおかしいね。まあ沙夜ちゃんには報告しまーす」

「やめてください」

「えー、どうしようかなー」


突如として。俺の立場が怪しくなったんだが……いやいやホント何となくね。斎宮さんなら言いそう。ってことが浮かびましてね。はい。ちょっと昔の物が見れてテンション高いというのは否定しませんが……が。はい。すみませんでした。ですね。はい。慣れないことしました。


と、それから少しなんか俺が小さくなったというか……うん。満足そうな顔をしている海織にいじられる……というのが少しありましたね。はい。ここは……カットしておきましょう。とりあえず何とかして斎宮さんへと連絡されないように……まあ海織のご命令を聞いていた俺でした。はい。撫でる。とか……まあそんなことしてましたので恥ずかしいのでカットしておきましょう。

皆さん慣れないことはしないように……ってやつですね。


とかいうことがちょっとありまして……その後も時刻表を2人で見ていくと。


「あっ、伊勢志摩ライナー。大阪方面からでもノンストップなんだね。って上本町始発なんだね。難波じゃないんだ」


と。海織がふと時刻表の伊勢志摩ライナーのところを指さした。

うん。確かに名古屋からの電車もノンストップだったが……こちらは難波始発ではなく。上本町……ってそういえば。時刻表の初めの方に上本町駅を綺麗にした。伊勢志摩への玄関口は上本町。みたいな記載あったな。とか俺は思いだしつつ。09時10分。大阪上本町発車の伊勢志摩ライナーを追ってみると……うん。こちらも上本町の次。鶴橋を出ると……宇治山田までノンストップだった。


うん。改めて。この時は関東など近畿中京圏以外からのお客さんを伊勢志摩観光に力を入れていたんだな……っか伊勢志摩近くの人が伊勢志摩ライナー乗るチャンス少ないな。とか思っていた俺だった。

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